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土曜ワイド工場
 
サンダルに適当なことが書かれている。
スポーツて。


家でSPORTSと書かれているサンダルを発見した。

「発見」といっても押入れの奥から出てきたわけではなく、そのサンダルは日常で何年も使われてるものである。それをいまさら気がついて、いまさら驚いてしまった。

スポーツと書かれていることと、誰も気にせず履いてることに。

(text by 小柳健次郎



スポーツと書かれたサンダル

なにか単語が書いてあることは分かっていた。しかし何と書いてあるかなんてことはまったく気にしたこともなく、「なんか黄色い」それぐらいの感覚でしか考えてなかった。

だがついにその文字を読んでしまったのだ。


SPORTSって書いてあるけど、
どんなスポーツするのさ。

もしこれがナイキやプーマのスポーツサンダルなら、 SPORTSと書いてあるのは分かる。

だがこれは親が散歩などで履くために買ったものだ。そのサンダルにSPORTSと書いたらまるで散歩がスポーツみたいじゃないですか。

しかし老人がヨタヨタ歩くだけのスポーツというのも楽しそうではある。

 

ほかにもこんなサンダルがあるのか探してみました。

ほかにもこんなサンダルがあるのか。気になったのでいろいろなお店を回って集めてみた。

そしたらなんかスポーツだらけだった。


しわだらけスポーツ。
トリプルスポーツ。
ややおしゃれスポーツ。
履いてる側から読めるスポーツ。

 

いつの間にかサンダル界ではスポーツブームが起こっていた。なんでまた。

推測するに、サンダルには年配の方が履いてるというイメージがあるから、それを払拭するためにスポーティなイメージを付けようとして、「SPORTS」と書くのだろうか。

 

偽たまごっち現象も起きている

なにかが流行ればそれのパチものも出てくるのが世の常だが、サンダル界の流行も例外ではない。


何か足りなくないですか。
スポートて。

サンダルにスポーツと書かれてもわけがわからないのに、スポートなんて言われたらお手上げだ。

 

「サンダルでやるスポーツはゴルフ」論

スポーツの次に多かったのが、GOLFと書かれたものである。


ブレてますがゴルフ。
小さくSPORTY LIFEと書いてある。
クラブとまで言っちゃう。
ゲルマニウムパワーゴルフ。

サンダルでやるスポーツなんてないんじゃないかと思っていたが、ここに来てゴルフという有力候補が出てきた。

ただこれらのサンダルは、おそらく父親が庭先で素振りをする場面を想定しているのだろう。それをスポーツといってしまうのは言いすぎだと思う。たぶん「親父ってよく庭でサンダル履いて素振りしてたよね」というように適当に付けられただけだ。

やっぱりサンダルでするスポーツなんてない。


よくみると頭の形がおかしい。

 

偽ブランドサンダルもある

サンダルというものにもブランド品があるわけで、そうなるとやはり偽ブランドも出てきます。


ロイヤルポロ。
ベストホス。

左のロイヤルポロがPOLOを真似ようとしているのは分かる。 POLOがPOROというのもちょっとした洒落っ気ともとれる。

ただベストホスはなんなのか。マークを見ると POLOみたいにしようとしているのだが、ホス。HorseでなくHosu。

おそらくはBESTと字数を合わせてデザイン的に見栄えをよくしようとしたんだろう。確かにHorseと書いて右側だけ1文字多くなるのは少しみっともない。そういう意味では、デザイン重視の美しいサンダルともいえる。

ここはHOSUでホースと呼んであげるのが人としての優しさである。

 

ノンジャンル系

その他、特に分類することができないサンダルたちです。


サンダルとその言葉の繋がりが見えない。
無難で適当な横文字。
自分からグレイトと言ってしまう潔さ。
とりあえずマークつけてとりあえず名前付けました。
POPEYE'S VOYAGE。ポパイの旅は近所の散歩止まり。
白くて見づらいですが、WONDER SURFと書いてます。
履くものにあの臭い果物の名をつけるセンスに脱帽。
サンダルではないですがユニークだったので。

いやー適当ですね。

サンダルの文字は適当だった

以上のように、なぜサンダルのデザイナーは適当な文字を入れてしまうのだろう。「なんか寂しいから適当な文字入れとけ」という感じなのか。理由はどうあれ、あまりに適当なことが書かれてあったら逆効果だと思う。

しかし考えてみると、これらのサンダルを買う人は大抵おばさんで、文字のことなんて全く気にしない人ばかりだ。ひょっとしてそういった方々は、サンダルの文字を言語ではなく画像として認識しているかもしれない。

もしや、サンダルのデザイナーはそれを計算して文字を入れているのか。そうだったら凄い。SPORTSとか、言葉としてはまったくサンダルに相応しくないけど、全体的なデザインとしてみたらワンポイントのアクセントとして生きてくる。なんてこった!

いままでサンダルの文字は適当だと言っていきたが、なんとそれは「適している」ほうの適当だったという、どんでん返しでした。

かなり画期的な方法でサンダルに変形する靴も登場している。

 
 
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