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ちしきの金曜日
 
長崎の風景をミニチュア化
 


現実の風景をミニチュア模型風の写真にする
というワザがある。

いくつかやり方があるのだが、
今回はその中でも最も手ごろな方法で
私のホームグラウンドである長崎のさまざまな風景を
ミニチュア化してみた。
(正確には、「ミニチュア風写真化」です。)

ちゃんとミニチュアっぽく見えるだろうか?

(text by T・斎藤



 

ミニチュア風の写真

 上の写真は、私がミニチュアで再現した1/35のスケールの長崎の街並みである。精密にできてるだろう。これを作るだけで1ヶ月かかった。

…というのは冗談で、
これは全部、普通に撮った写真を加工して、ミニチュアっぽく見えるようにしたものだ。

あ、人によっては「全然ミニチュアに見えない」という人もいると思う。ちゃんと理由があるので、もし見えなかったらごめんなさい。(理由は後述)



 

ポイントは被写界深度

どうしてミニチュアっぽく見えるのか?
そのポイントは、被写界深度にある。

以下、ちょっとややこしいので
「説明なんかどうでもいい」
という人は飛ばして読んでもらってもかまわない。

被写界深度とは、ピントの合う範囲のこと。
カメラは普通、ミニチュアのように距離が近いものほどピントが合う範囲が狭くなり、周囲がボケる。一方、遠くの風景などは被写界深度が広くなり、あまりボケない。

ところが、これら一連のミニチュア風写真は、遠くを写した風景にもかかわらず、ピントが合ってる範囲が妙に狭いため、
「あれ?なんとなく変だな?ミニチュアかな?」
と脳が錯覚してしまうようなのだ。



もちろん、普段、被写界深度のことを意識して写真を見てる人はあまりいないと思う。が、無意識のうちに
・ミニチュアは周囲がぼやける=ピントが合う範囲が狭い
・風景はぼやけてない=ピントが合う範囲が広い
という図式が頭の中に構築されていて、そういうフィルターを通して物を見ている…どうもそんな感じなのだ。

さきほど「人によっては見えないかも」と書いたのは、そもそもミニチュアの写真をあまり見たことがない人の場合、上記の図式が認識としてないため、ただの“ちょっとぼやけた写真”にしか見えないかもしれない、ということ。


 

ミニチュアっぽい写真の作り方

現実をミニチュア風に撮るという手法があることは、私は写真家・本城直季さんの「スモール・プラネット」という写真集を見て初めて知った。全ページ、ミニチュア風に撮った写真で埋め尽くされている。これを見た時はとても驚いて、穴の空くほど眺めた。

それらは、“アオリ”というレンズ光軸をずらす方法で撮られているとのことだった。レンズの部分が蛇腹になっている大判カメラ独特のテクニックである。

アオリは、ピント面を傾けることによって商品撮影などで遠くから近くまでピントが合うようにする時などに用いられるが、逆方向に傾けることで、ピントが合う範囲を極端に狭くできる。

 

画像処理ソフトにて

しかし大判カメラなんて、普通の人は持ってないだろう。
そこで、今回は誰にでも簡単にできる、Photoshopなどの画像処理ソフトを使う方法で、普通に撮った写真をミニチュア風に加工してみた。

要は、前後がぼけてればいいのだ。



 

向き不向きがある

作り方は簡単で、例えばPhotoshopなら画像の一部を選択してフィルタ>ぼかし。画像の一部を選択する際、境界がぼやけるようにするのがポイント。ぼかさない側にシャープネスをかけるとよりメリハリがつく。

が、どうもミニチュアっぽく見えるものとそうでないものがあるようだ。

元々「ちょっとミニチュアっぽいな」
と思うような写真だと、その効果も高い。



こちらはウェブマスター・林さん作。
プラモデルで作ったジオラマにしか見えない。手前の白波は綿(わた)を薄く伸ばしたもの、海面はシワシワにしたビニール袋だ。(「ドクロの船を追え」より)



こちらも林さん作。
「新宿の夜景でやってみたら『暴走する10代の性』みたいな
写真になってしまいました。」

…というわけで、ただボカせばいいというわけではなく、対象を選ぶということがわかった。



飛行機。これぞ、ザ・ミニチュア。
とてもミニチュア風写真向きな素材だ。


鹿。密度が高過ぎるためか、動物だからか、
あまりミニチュアに見えない。


酔っ払いのように駅で寝ていた猫。
ミニチュア風にするつもりが、まどろんだ猫の気持ちを表現したみたいになった。

次ページでは、これまで撮り貯めてあった長崎の代表的な風景をミニチュア風にしたものたちです。


でかいうまい棒

 

 
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