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はっけんの水曜日
 
台風接近、その時セミは

天気の良い日ではどうなのか(飛んでいるのはセミ)。

晴れた日はどうだ

台風の中で見に行った場所は、もしかしたら台風だからこそセミが集まっていたのでは、という見方もできる。つまり彼らは避難するためにあそこにとまっていたというわけだ。

それでは晴れた日のあの場所、あの木はどうなっているのか見てみよう。

 

この木だけ目立つくらいうるさい。

台風の日に見に行ったのと同じ木。晴天の午前、この距離ですでに会話が成り立たないくらいにうるさかった。たくさんの「ミーンミーンミーン」が渾然一体となって「ギョーーー」って聞こえる。

大量のセミが発するサウンドは選挙カーよりもずっと暴力的で無秩序だった。そう、この木は普段からすごいことになっていたのだ。

 

近くで見るとみっしりいる。
大渋滞。

 

隣の木は閑散。

なぜあの木だけ

しかしなぜかうるさいのはこの木だけだ。隣の木を見てみると見事に一匹もセミがとまっていない。なんなのか、この差は。ちなみにこの日この時間帯だから、というわけではなく、何度か見に行ったがやはりあの木だけが異常にセミに群がられていた。あの木をセミが好む理由はなんなのか。

 

彼らが飛び去ったあとには樹液が。

木の秘密を知ろうと、セミの群がる幹を決死の覚悟で蹴飛ばした。すると、とまっていたセミたちが弾けるように一斉に飛び立つ。降り注ぐ遺留物により僕はびしょ濡れになった。

セミたちがとまっていたあとの樹皮を観察すると、たっぷりと樹液が出ていた。その痕跡は木全体に点在しており、見ていて痛々しいほどだ。そうか、もしかしたらこの木の樹液が特別にうまいんじゃないか。

ということでなめてみた。ぺろり。

あ、やっぱりうまい。というか甘い。樹液は蜂蜜くらいに濃縮された緑の味がした。小学校の頃見つけていたら下校中に毎日吸っていただろう。やはりこの木、セミにとっては甘い液の湧き出す桃源郷だったのだ。

 

ぺろり。
うっまー。

セミすごい

予想通りというかなんというか、セミは台風でもそのまま大好きな木にとまり続けていた。しかしあの日沖縄では時速200キロを超える風が吹いていたわけで、やはりたくさんのセミが犠牲になったのだろう。台風が去った日は、さすがに鳴き声がいつもの半分くらいだった。

だけど次の日にはまた音量もマックスに戻っていた。セミの生命力、見習うところが多そうです。

あの木、倒れなくてよかったね。


 
 
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