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ひらめきの月曜日
 
スイカの白い部分を積極的に食べる

不安と共に調理開始

それにしても、もしも食べられるのなら、どうして今までスイカ料理が世に出ていないのだろう。やはり食用には向かないということなのだろうか。

どんどん不安な気持ちが加速していくが、ま、これが失敗だったとしても、ゴミがゴミとして任務を全うするだけの話だ。恐れることは何もない。

ところで皆さんは「メロンの漬物」を御存知だろうか。知っているなら話は早い。


塩で揉んだら冷蔵庫へ

そう、まずは「スイカの漬物」に挑戦してみた。挑戦といっても、塩で揉んでジップロックに入れ、3時間放っておいただけなのだが。

あっという間に完成。…あ、ポリポリしてます。
立派に漬物。

微かにスイカの匂いがプーンとして、なにやらすごくサッパリとした漬物になった。うん、これはいい。

やっぱりスイカは果物というよりも野菜なんだな、と思った瞬間であった。よし、この調子でどんどんいこう。

皆さんは「生ハムメロン」を御存知のことと思う。生ハムのしょっぱさとメロンの甘みが融合した、一見ミスマッチなようでいて、得も言われぬうまさを醸し出すあの料理。

果敢にも、あれ(と何となく似たもの)に挑戦してみようと思う。


ベーコンで巻いて
フライパンで焼くだけで完成。味付けはコショウのみ。
スイカ部分、トロトロ。
おお、ジューシー!

生ハムメロンならぬ、ベーコンスイカの完成だ。スイカは火の通りが早いようで、ものの数分で出来た。

熱せられて溶け出したベーコンの脂が中のスイカに染み込んだのか、このスイカがすごくおいしい。ジューシーで、しかもトロッとしている。

ベーコンのしょっぱさと、スイカの微かな甘み。これはスイカだと言わずに人に出したら「ん? おいしいけど、この味なんだっけ?」という反応になりそうな気がする。

ふふふ。スイカ、やるなぁ。ここまで2戦2勝だ。では最後の挑戦へと行こう。


落としブタをして煮込み中。

そう、最後はやっぱり煮物だ。瓜なんだから、煮てこそ威力を発揮できるというものだろう。

今回は豚バラ肉と一緒に、ダシと醤油でコトコトと煮てみた。みりんや砂糖は一切要らない。なんせスイカ自体が甘いのだ。


スイカと豚バラの煮物、完成。

わざと赤い部分を多めに残してみたのだが、なんとなく彩りが鮮やかになった。こんなこと、いつもの冬瓜の煮物ではあり得ない。

匂いは、普段作っている冬瓜の煮物とほとんど変わらない。ものすごくおいしそうだ。


赤い部分が見えないと、まったく瓜そのもの。
スイカと豚を同時に口に入れる日が来ようとは!

…うん、スイカに味がよく染みている。おいしい。普通に瓜だ。瓜の煮物だ。甘味料を入れていないのに甘じょっぱくて、白いゴハンの上に乗っけてバクバク食べたい煮物になった。

以上、3戦3勝。もっといろいろ試してみたかったが、その前にスイカがなくなった。

スイカってイカス

どれもこれも普通に食べられた。というか、意外なほどおいしかった。

だからといって、これを人に勧めることは危険を伴う。だって「ねぇねぇ知ってる? スイカの皮の白い部分を煮るとおいしいんだよ」なんて人に言ったとしたら、陰で「高瀬さんって、よっぽどお金ないのかしら」と言われるのは必至だ。

実家でも「一体、お前は東京でどんな生活をしてるんだ!」と怒られると思う。

そんなわけで私はひっそりと、自分だけの楽しみとして、スイカの白い部分を食べていきたい。あ、もしかしてスイカ料理が世に出回ってないのは、これが原因だったのか?

ゴミから一転、晩ごはんに。

 
 
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