当サイトで記事を書くようになって、取材時、写真を自分で撮影しなければならなくなったので(通常、雑誌などではフォトグラファーが撮る)、以前よりは撮れるようになった。
猛烈に下手だったのだ、写真が。今だって上手いというわけでもなく、あくまでも「前よりもまし」になっただけなんだが。
とくに動かないものを撮るのなら得意だ。食べ物とか、食べ物とか、食べ物とか。「ヤキトリのテリ」とか、「カレーの脂の浮いた表面」とか。そんなもの撮るのが上手くなるなんて、10年前には考えもしなかった。デジカメってすごい。
そんな、ヤキトリやカレーを撮ってきたサンヨーの戦友デジカメ・サンヨーザクティが、先月ついに壊れてしまった。
またザクティを買おうと思ってビックカメラに行ったら、ザクティは動画メインの機種だけになってしまっていた。カメラ売り場で立ちつくすわたくし。
そもそもオートフォーカス小型カメラの優劣なんて、私のような「機械のわからん女」にとっては、値段以外、さっぱり区別がつかない。結局、「たんに形が好みだったから」「お値段そこそこだったから」という理由で、キャノンのIXYを購入。
案の定、まだ使いこなせていない。
でもまあ、カメラは性能ではないと思う。たぶん。
前に有名な写真家に、
「人物の写真を撮るとするでしょ、相手の表情の中で、自分の好きな顔を撮るわけでしょ、そうすると、撮っている自分自身の顔に似てくるんだよ、つまり写真を撮るって、自分を撮るってことなんだ」
と、言われて、ハッとしたことがあった。
新しいカメラで人物が撮りたいと思う。でも撮る相手がいない。
もし私が男子で、可愛い彼女がいたら、そりゃあ被写体にして、写真を練習するだろう。
でも私は男子じゃないし、彼女もいない。
「写真を撮りたがる貴方」に、とっておきの都内撮影スポットを2つほど、ご案内しよう。
この夏、私の変わりに撮ってくれ、誰かを。
(text by 大塚 幸代) |