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ちしきの金曜日
 
城の石垣を登るイメージトレーニング
 


日本の城を見るたびに
「さて、どうやってこの石垣を攻略しようか?」
と、つい考えてしまうのは私だけではないはずだ。
そこで今回は、城の石垣に登るイメージトレーニングを重ねながら考察を深め、いざという時の備えとしたい。

なぜ実際に登るのではなくイメージトレーニングなのか?
というと、それはもし本当に登れば、怒られるか、逮捕されるか、落ちてケガをするか、落ちて死亡するかのどれかだと思うからだ。

(text by T・斎藤

 

熊本城にて

城の石垣は、凄ければ凄いほど登ってみたくなるものだ。
その点、熊本城の石垣は特にそういう思いを強く抱かせてくれる最高の石垣だ。

まず高さが半端じゃない。


どーん

凄まじく上の方に建物が建っている。

ヒュオーーーン

まるで「登ってください」と言わんばかりのものすごい高さの石垣。
い、いや逆だ。
「登ったらやばいよ」と言わんばかりの威圧的な高さ。

が、高いがゆえに
「あれに登ったら一体どういうことになるんだろう?」
と興味が沸いて来る。
しかも意外なことに、石垣のふもとに目をやると、なんだか挑発的なまでに傾斜がゆるいのだ。


あれ?意外と登れそう

さっそくイメージトレーニング開始

ふう

これ以上登ると死ぬ、という気分になるのはこの辺りから

下の方ががわりと緩やかなカーブで、上に上るにつれ徐々に傾斜がきつくなり、頂上付近ではほぼ垂直にそそり立つ。「武者返し」と呼ばれるこの石垣は、途中まではわりと楽に登れるのだが、3分の2ほど登ったところでそれ以上先に進めず、戻るしかなくなる。

ひぃぃ

 

合成写真です

いきなり登り出してるので驚かれたかもしれないが、これは合成写真である。

実際は私の脳内で登っていたわけだが、それだと記事にした場合わかりにくいので、わかりやすいよう合成写真でイメージを再現してみたのだ。

 

別アングルも

さらに、別角度からも見てみよう。


登り始めは容易い  (人物の縮尺はわりとテキトーです)

2分の一地点まではゆるやかな傾斜のまま進み…

半分を過ぎたあたりから反りが始まり、少しずつ傾斜がきつくなる

最後はほぼ垂直に。

石垣は最後の部分が特に傾斜がきつい。
しかも、たとえ登り切ったにせよ、その上には城の建物が飛び出すように迫っているのだ。

一体、どうやってこれを乗り越えて城に侵入すればいいのか? 石垣を登りきる前に考えておけよとイメージの自分に言い聞かせた。

 

ほんとに合成だよ

さきほども述べたように、これらのイメージ写真はすべて画像処理ソフトによる合成である。が、自分でも驚くほどうまく合成できてしまったので
「合成とか言ってるけど、実は本当に登ったんじゃない?」
などと思われないか少し心配だ。

参考までに、合成前の画像はこんなんだ。


合成前

公園でそれっぽいポーズをとり合成した。

子供たちの視線に耐えながら、三脚を使って撮るのは少々厳しかった。がビジネスライクに徹した。

 

宇土櫓

ちなみに、今(脳内で)登っていたのは「宇土櫓」というもの。


宇土櫓

建設当時から残る唯一の多層櫓。地上5階地下1階、他の城郭なら優に天守に匹敵する。(説明パンフレットより)
西南戦争で薩摩軍が攻撃を仕掛けて来た時には、ここを本営として戦った。


後方には天守閣も見える。 熊本城ってスケールでかいなぁ。

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