中之嶽神社への道はけわしく

目的である中之嶽神社は下仁田駅から２０分近く町営バスで終点まで行き、そこから徒歩でいけば着くようだ。細かい地図がないので具体的な距離は分からないが、見た感じ遠くなさそうだし。

一日４本のバスに乗ると客は自分ひとり。運転手のおじさんに聞いてみると、終点の「登山口」よりその２つ前のバス亭の方が多少山道ではあるが神社へは近いという。こういうのは地元の人にノッてみよう、と最初考えていたのと別ルートに。

バスの運転手さんによると、神社には大きめの駐車場があるために来る人はほとんどが車、もしくは観光バス。公共機関で一番近くまで来るこの町営バスですら、近くのバス停から４ｋｍ近くあるので、まず行く人はいないというのだが‥４ｋｍ、行きますよ。車ないし。ということで言われた道をずんずん行ったのだけど‥。

山道というか、途中からひたすら「山を歩く」という状態に。最初は４ｋｍと聞いて、まぁ歩ける距離かなと思ったけれどやはり坂道はヘビー。

まぁ一番の失策はイラストマップなんかにありがちな「地図では近く見えるけど、実際行くと恐ろしく距離があるトラップ」に引っかかったことなんだが。

それと今自分が進んでる道が本当に正しいのか？そんな惑いを持ったまま進むことこそ恐ろしいことはない。その思いがまた疲労度を高める。そう、それは人生も同じ。と、適当なことを考えてるうちにやっと到着！

どぅわー、つかれたー！しかし鮮やかな赤い鳥居のお出迎えにちょっと気分も上昇。だが、それより気になる何かが鳥居の先に見える。大きくそびえたつ、何かが‥。

さらに寄ってみると、森の中からにょっこりと。その三原山から登場したゴジラのような光景、ただし笑顔の主は‥もしかして？

中之嶽神社と大国神社が並んでいるこの地、名前のとおり七福神のだいこく様、正確には甲子大国主命が祀られている。完成が去年ということで、まだかなり綺麗。

それにしても全長２０ｍとあってでかい。ここで祀られているのは、写真でわかるとおり小槌ではなく剣を持った「剣持だいこく」というだいこく様で、全国でも珍しい姿なのだとか。ちょっと神々しく、なおかつ武器片手というのが真ん中から割れてロボットのひとつも出てきそうな存在感だ。

さて今回の旅の目的は、巨大だいこく様ではなく野球！神社周辺の看板を見てると‥あったあった、今回のお目当て。　

「県内で唯一、野球お守りのある神社」と書かれてるが、関東でも他になかなかない。この存在を知った時から、この神社が野球上達・安全祈願をしている理由があれば知りたかったのだ。

売店の人に「いつごろから売ってるんですか？」と聞いてみると「大きなだいこく様ができたころからかねぇ」ということは‥去年か！ちと拍子抜け。

意味合い的には、同地が甲子（きのえね）の日にお祭りが行われるということで「甲子大国神社」と呼ばれることと、あの高校野球でおなじみの甲子園にかけたこと。あとここで行われるお祭り・甲子祭でケガ除と健康祈願をお祓いしたお守りなのだとか。

野球と神社の関わりはそう古くはなさそうだけど、けっこう定着はしている様子。絵馬にはさまざまなチーム、さまざまなポジションが書かれ「目指せ一勝！」「神宮球場に行けますように」など、ファンというよりはプレイヤーの願いが書かれている。

駐車場を見てると観光バスなんかもそれなりに出入りしてたり、あとバイカーの方々が続々やってきたりと、ちょっとした立ち寄りスポットになってるよう。先の海徳寺に比べると野球との関連性は弱いけども、すぐに知られるスポットになるのでは。

でも車で来るより、バス亭からここまで歩いてくるだけで相当トレーニングになると思います！