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ロマンの木曜日
 
ゆで卵でプロポーズする

ゆで卵はおいしい。白味があって黄味があって、その2段階な味わいがおいしい。いっぺんに2つ3つ食べてしまいたいくらいおいしい。マヨネーズをつければ4つはいける。

そんなゆで卵から黄味がなくなったらどうだろう? 白味だけのゆで卵。それは想像しただけでもかなり淡白だ。黄味があるから白味が引き立ち、白味があるから黄味の味わいが深まる。両方あって、ゆで卵なのだ。

そこで思いついた。白味だけのゆで卵を作ったら……、

黄味がない→黄味が欲しい→君が欲しい。

そう、好きな相手に白味だけのゆで卵を食べてもらって、こちらの「君が欲しい」という気持ちに気付いてもらう事が出来るかもしれない。

白味だけのゆで卵とかけまして、せつない恋心と説きます。
その心は、「どちらもキミが欲しいでしょう」。

という訳で、白味だけのゆで卵を作ってみる事にした。

(text by 住 正徳



最初に白味だけのゆで卵を作る

白味だけでゆで卵を作るため、生の卵から白味と黄味を取り出し白味だけを殻に戻して茹でる事にした。通常、タマゴは殻と白味と黄味の割合が1:3:6の比重らしい。つまり、3個分の白味を1つの殻の中に入れれば、ちょうどタマゴ1個分の「白味だけのゆで卵」が出来る計算となる。

生卵の殻に小さな穴を開けて、そこから白味を取り出していく。


なるべく小さく穴をあけて
なるべく小さく穴をあけて

白味と黄味を別々に取り出す
白味と黄味を別々に取り出す

タマゴ3個分の白味
タマゴ3個分の白味

3個分の白味が用意出来たら、空になった殻に戻す。


空になった殻
空になった殻

白味だけを戻す
白味だけを戻す

白味はスライムのようにニュルニュルと固まっているので、殻に開けた小さな穴から入れるのが難しい。慎重に入れないと、すぐにニュルっと穴から逸れてこぼれてしまうのだ。

それでもなんとか3個分の白味を殻の中に入れる事が出来た。

別のタマゴの殻でフタをして周囲をガムテープで固定する。茹でている間に剥がれてしまわないよう、ガムテープは2重で巻く。


殻でフタをして
殻でフタをして

ガムテームで固定
ガムテームで固定

これで準備は整った。
あとは、この白味だけ卵を茹でていけばいいのだ。


15分茹でる
15分茹でる

ガムテープを巻いているので普通よりも熱の伝わりが弱いと考えて、茹でる時間を長めに設定した。

15分間茹でたらすぐに冷水で卵を冷やした。そうすると殻を剥きやすくなる、と「伊東家の食卓」でやっていた。いや、伊東家じゃなかったかもしれない。


殻を剥く
殻を剥く

殻を剥くと、一見普通のゆで卵が現れた。


一見普通
一見普通

しかし、このゆで卵を二つに割ると…


二つに割ると
二つに割ると

黄味がない
黄味がない

そう、白味だけのゆで卵なのである。
黄味がない→黄味が欲しい→君が欲しい。


お店に協力してもらう

「君が欲しい」という気持ちを伝えるためには、好きな女の子に「君が欲しい卵」を食べてもらわないといけない。

いきなり「コレ食べる?」とゆで卵を差し出したところでそれはとても不自然だ。ガムじゃないんだから。

ここは一つ、お店の協力を仰ぐ事にしよう。デートで行く予定のお店を事前に訪問して「君が欲しい卵」を渡しておき、頃合いを見てそれを出してもらうようお願いしておくのだ。


屋台の人に
屋台の人に

事前に「君が欲しい卵」を渡しておく
事前に「君が欲しい卵」を渡しておく

お店は屋台のような気取らない場所の方がいい。「大事な話があるから」と前フリをしておいて、屋台に連れて行くのだ。大事な話、と聞いていた女性はフレンチレストランのようなお店を期待しているに違いないが、そこを敢えて外すのである。

期待を一旦裏切っておいて、最後に「君が欲しい卵」でグラッといわす。まさにゆで卵的な、2段階の演出なのだ。

 

いざ、プロポーズ

白味だけでゆで卵を作り、屋台のオヤジとも約束を取り付けた。これで全てのお膳立てが整った訳だ。

あとは意中の女性をデートに誘い、屋台に連れてくればいい。

「ここの屋台、ダンチュウで紹介されてたんだよ」等と適当なウンチクを述べながら、女性を席に着かせる。

とりあえず乾杯をして、軽いつまみを頼む。いきなり核心に迫ってはいけない。

ある程度時間が経ったところで、事前の打合せ通り、オヤジに「君が欲しい卵」を出してもらう。


ヘイ、ゆで卵
ヘイ、ゆで卵

「君が欲しい卵」が出て来たら、すかさず「この卵、変わってるんだよ」と解説を加える。すると、女性が「何が?」と聞いてくるので、そこはストレートに黄味がない旨を伝える。

女性は黄味がない事を確かめようとするので、きっと卵を二つに割るはずだ。


女性は黄味がないのを確かめるため、卵を割る
女性は黄味がないのを確かめるため、卵を割る

二つに割ると確かに黄味がない。
そこで、「物足りないよね? 黄味が欲しいでしょ」とカマをかける。「君が欲しい」それが僕の気持ち。と告げて、更に追い打ちをかけるように言う。

「それだけじゃないんだよ」


ん?
ん?

あれ? 何か入ってる
あれ? 何か入ってる

指輪?
指輪?

そうなのだ。
オヤジに渡しておいた「君が欲しい卵」は、ダイヤモンドを忍ばせて茹でたものだったのだ。

給料3ヶ月分のゆで卵である。


指輪

君が欲しい卵の中に婚約指輪。
これであなたのプロポーズは完璧だ。


おめでとう
おめでとう

本当は1000円の指輪
本当は1000円の指輪

指輪入りの「君が欲しい卵」はかなりうまく作る事が出来た。屋台「竹の子」のご主人も感心してくれた。

もし実行に移す方がいたら女性が飲み込んでしまわないよう、注意が必要だと思う。給料の3ヶ月分を飲み込まれてしまったら、相当ショックは大きいから。

 

取材協力:五反田駅ガード下「竹の子」 電話:03-3490-2728


 
 
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