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ひらめきの月曜日
 
ごはんソーセージ


さっそく買ってきました豚の腸。

このところ「炭水化物抜きダイエット」なるものをしているせいか、ごはんに飢えている。禁止されればされるほど想いがつのるのは恋に限ったことじゃない。食事も全くおんなじだ。

あまりにごはんのことばかり考えていたせいだろうか。先日、妙な考えが閃いた。それは「ごはんをソーセージにしたらいいんじゃないかしら?」というもので、ごはんに満たされた日々を送っている頃なら決して思い付かないようなアイデアだ。

こんな馬鹿なことを考えてしまうのは、やはり脳に糖分が足りてないのかもしれない。でも思い付いてしまったのが運の尽き。どうしても、それを食べてみたくなった。

高瀬 克子



見えないゴール

「で、ごはんソーセージって何なのよ?」と疑問をお持ちの方も多いことだろう。実は私も分からない。

「豚の腸を買ってきたようだが、ごはんだけを腸詰めにして食べるつもりか? それってうまいのか?」…いや、おいしくないと思います。

「一体、なにがしたいのよ?」…よくわかりません。


不安な気持ちのまま、腸を発掘。
それを水に入れて塩を抜くのだそうです。

手作りソーセージを作ったことがないので、腸の扱いは初めてだ。説明書きによれば「塩抜きのため、2〜3時間水に漬けておく」とある。ほほう。

この間に、具体的な方向性を考えよう。


カンピョウじゃありませんよ。豚の腸ですよ。
ごはんを詰める道具も買ってきた(もちろん本来は肉を詰めるための物です)

いくら塩蔵されていたとはいえ、やはり腸は少し匂う。ってことは、ごはんに何かしら味を付けた方がいいだろう。ケチャップ味やソース味は間違いなく合いそうだ。

でも、頭の中にある完成イメージは「焼きおにぎり」なんだよなぁ。


久々の炊きたてごはんを前に、悩む。
専用しぼり袋を買わなかったのでジップロックに穴を開けることで代用。

悩みながら、腸の内側にも水を通してキレイに洗った。腸のスタンバイは無事に完了。

えーと、この時点までで決まったこと。

  • ある程度の油分がないと滑りが悪くなるため、ごはんが腸に入らない可能性大。少し油を混ぜること
  • 焼きおにぎりを目指すなら、味付けはあくまで和風

…以上。先へ進みます。不安でも進むんです。


まだ冷蔵庫にあった鮭フレークを使用
潤滑剤代わりの油分は、ゴマ油で解決
ソーセージにハーブは欠かせない。てなわけで、日本のハーブ代表、ネギ。それからゴマ。
こうなったら海苔も入れたいじゃないか。

わざわざ腸に詰めなくても、このままで十分おいしいごはんが出来上がったが、それでは意味がない。

唐突に思い付いたアイデアを実行に移している時、我々の行き手を阻む一番の敵は「なんでこんなことしてるんだ?」という疑問だ。決して我に返ってはいけない。行け、行くんだ。このまま突き進むんだ!(自分に言い聞かせてます)


腸を器具にスルスルはめて…と。
装着完了!
袋にごはんを入れたら、
あとは絞るばかり…ですが。

考えに考えた計画のはずだったが(そんなに考えてません)指の色が白くなるほど力一杯しぼっても、ごはんが中に入ってくれない。

そりゃそうだろう。普段は肉を相手にしている道具なのだ。ニュルニュルと気前よく腸へと入って行く肉しか知らなかったのに、いきなり「ごはんの世話をしろ」と言われても抵抗を感じるのは当たり前の話なのである。

まぁそんな堅いこと言わずに、ひとつお願いしますよ、とギリギリと袋を絞っている時だった。


ジップロック、破損。

ブチッという音と共に、ジップロックが破れた。筒の中は、行き場を失ったごはんでパンパンになっている。

ああ、やっぱり筒が細すぎるんだ。ごはんは肉のようには行かないんだ。ニュルニュル絞り出すなんて不可能なのか…。

こうなったら持久戦だ。人間には手がある、指がある。そうだ箸を使え。箸でずんずん押し込んでしまえ!


ま、確かに押せば出ますがね。
ザ・貧相。

なんとか腸にごはんが入ってはいくが、その速度たるや亀の歩みにも劣る。しかも、一度に入る量が異様に少ない。やはり筒の細さがネックになっているようだ。

恐ろしく時間がかかる上に形も不格好。ある程度ごはんが溜まるごとに、手で押してぎゅうぎゅうと奥へ詰め直す。それを繰り返すこと、ほぼ1時間。

まだこの有り様だ。


全長、約10センチ。がっくりと手を付く、の図

思い付いたアイデアを考えなしに実行するからこんな目に遭う。1時間で10センチって、バカじゃないのか。もう知らん。本当に知らん。この企画は終了だ、残ったごはんはこのまま炒めて食っちまえ!

と、冷蔵庫の中からビールを取り出そうとした瞬間、私はそこに救世主を発見した。

 

 
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