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ひらめきの月曜日
 
ごはんソーセージ

本家に学ぼう

本当のソーセージは、ここからスモークしたり、茹でたり、茹でたあとに焼いたりと、様々な工程パターンがあるらしい。

だが、どれもあくまで「肉を使った場合」だ。こんな夜中にスモークなんてしてられないし、肝心の道具もない。それに、ごはんを茹でるというのも少し抵抗がある。

焼きおにぎりに倣うなら焼くだけで済むが、それだと今度は腸に火が通るのかが心配だ。

そんなわけで、今回は蒸した後で焼くという方法を取ることに決めた。


とぐろを簡易蒸し器で蒸してから、焼きの作業へ

求めているのは、ごはんのおいしさはもちろんのこと、腸がパリッとした焼き上がりである。

中から肉汁があふれ出すわけではないが、本物の皮の固さだけはなんとか再現したい。もしも、ブニュッとした歯応えになってしまっては悲しすぎるではないか。最後の最後で「ゴムか!」という感想では、泣くに泣けない。

とにかく、腸にだけ心を砕いて調理した。


でろーん。命名するなら「大蛇」とかだ。

皮のパリッに命を賭けすぎたせいか、なんと大蛇の一部が切れてしまっていた。残念だが、まぁいい。


これはパリッとしてることの証拠ではないか?

熱いわ太いわで丸かじり出来そうもなかったので、ここはナイフで切ってから食べることに決めた。歯よりナイフが先に皮の感触を感じるのが多少シャクではあるが、ヤケドはしたくない。

では。ナイフ投入です。


おお、皮が弾けた!

よっしゃよっしゃ。皮はたぶん大丈夫だ。ゴムのような食感だけは免れたはずだ。

では、食べてみますよ。


こちら、鮭フレークごはん
こっちは野沢菜ちりめんごはん

…普通だった。普通すぎる。特別においしいわけでも、すごくマズイわけでもない。味付けした通りの、うん、まぁその、なんと言いますか。

普通です。

ここまで付き合わせておいて「普通はねーだろ」と思われた方、すみませんでした。えーと、しっかり味を付けたせいか、腸の匂いは全く気になりませんでした。ゴマ油を使ったのも正解だったようです。

お詫びのつもりではありませんが、余った腸に肉を詰めた写真も載せておきます。どーん。


もうすぐ夜が明けるってのに。いったい私は何をやってるんだろう

もうやらないと思います

ソーセージはおいしかった。でも、台所を汚したうえに時間をかけてわざわざ作るより、私なら「手作りの店」で買うかな、と思った。ま、ソーセージ屋はソーセージ屋ってことだ。

かたや、ごはんソーセージ。こちらも、ごはんソーセージ屋はごはんソーセージ屋で…って、ねーよそんな店!

いや、怒鳴ったりしてすみません。買うとしたら、おにぎり屋ですよね。すっかり夜が明けまして、お腹もいっぱいになりまして、なんだか意識が遠のいて行くのが自分でも分かるんです。ええ。

それにしても、ごはん作りの感情のピークが「食べるとき」じゃなく「腸に詰め終わったとき」というのは、なんとも虚しいもんですな。

達成感だけはあるんですが

 
 
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