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土曜ワイド工場
 
泥水ろ過装置を作りますよ
今週(8/27〜9/2)は1日でできる自由研究をお届けしています。
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こんな真っ黒の泥水をろ過しますよ


先生!ぼくが中一のときに作ったろ過装置を覚えてらっしゃいますでしょうか!?小石や砂、最後にはしゅろの皮を層にして作ったろ過装置です!

ああ、先生!ぼくはもう一生忘れることはないでしょう、あのしゅろの皮の質感を!真水を入れて泥が出てきた衝撃を!

そして展示されたあとに「泥水が出てくるろ過装置があっておもろいで!」と教えてくれたあの西山の顔!一瞬で血の気が引いていったあの感覚!

先生!ぼくももう27才になりました!ということでもう一度泥水ろ過装置を作らせていただけますでしょうか!

(※今回文中に登場する「先生」は現実には存在しません)

(text by ざんはわ



 

「簡単にやれ、おばかさん」

十四年前、ぼくがろ過装置作りに失敗した原因はあきらかです!あきらかにむずかしかったのです!今のぼくは「KISSアプローチ」というものを学びました!「Keep it simple, stupid !」ということらしいんです!

これだ!知った瞬間、ぼくに衝撃が走りました!英語の意味はよくわからないのですが、もっとキスをする感じでいってみようと思いました!

 

材料は簡単にこれくらいでいきますよ!
泥水も作らなければいけませんよ!

アグレッシブすぎる泥水ができあがりましたよ!

こちらの泥はひるむほど黒いです

ろ過装置は簡単に作るということでいいのですが、先生!14年前、ぼくが泥水を作った奈良の土とは違い、こちらの土はショッキングなほど黒いです!東京は砂漠なんかじゃないです!東京はがっちり関東ローム層でした!

しかしこれが本当に真水になってくれるのでしょうか!?正直に申し上げますと、ぼくはこんな泥水を飲みたくはありません!先生!このとき僕は実家に帰りたくなっていました!

 

大体10分くらいで完成しました

そしていよいよ完成です!実験です!先生!結果はどうなったと思いますか?期待していてください!そしてよく見ていてください!この大成功だったろ過装置を!あ!しまった!(言ってしまった!)

ついに完成しました!
泥水を勢いよく注ぎ込みます!

ホースからは!
泥水でなく真水が!

そして飲めるほどに!

 

大成功!

先生!大成功です!あのどろどろの泥水が、真っ黒だった泥水が、こんなにきれいなお水になって、しかもしかも飲めるんです!おいしいんです!おいしいお水なんです!2リットル100円のPETボトルと同じ味です!

ごめんなさい!おいしいっていったのはうそです!やはりぼくが思いますに、お水はお水です!味がしません!ポテトチップスとか、ドンタコスとか、もっと味のこいものがおいしいと思います!

 

次は泥水をジュースにろ過してみますよ!

ジュースもいけるんです

先生!あついのでアイスを食べてもいいでしょうか!?アイスはおいしくておいしいんですが、アイスを食べたぼくはどうしてものどが渇いてしまってしようがなくなりました!

でも味のしない真水はもう飲みたくありません!おいしいアイスにはやっぱりおいしいジュースが飲みたい!おいしい+おいしい=ものすごくおいしいが正解だと思うのです!

先生!ろ過装置は泥水をジュースにろ過してくれるでしょうか!?あの真っ黒い水がジュースになりますか!?なりますか!?なりますよ!あ!しまった!(言っちゃった!)

ジュース!コーラ!ジンジャエール!ファンタオレンジ!ファンタグレープ!やっぱりファンタオレンジ!思いのままに!

たいへんおいしくいただきましたよ!

む、無敵!

むむ!これは…、ジュースOK!コーラOK!豆乳でもビールでも重油でもなんでもいけますよ!こいつはすごいモンスターマシンですよ!いや、ほんとにこいつは大したやつですよ!

 

 

10点10点10点10点10点10点10点…100点ー!!

わかったこと
・ジュースとアイスはおいしいのでえらいと思いました。

苦労したところ
・泥水の注ぎ口が狭く、あふれた水で段ボールがぬれてへたりました。ですので、注ぎ口をもっと大きくして、ぼくはもっと勢いよく泥水を注ぎたいと思いました。

 

 

中の人の感想、あるいは私はいかにして真夏に風邪をひいたか

 8月の終わり。私、石川大樹は友人であり仕事仲間でもある大北と共に都内の公園へ行き、そこで泥水を浴びることとなった。雲の厚い、蒸し暑い日だった。

 泥水を浴びる瞬間のあの感覚は独特のものだ。泥と一緒に体に張り付いた水が、暑さで火照った体から気化熱を奪う。全身がふわりと軽くなったような気がするのだ。一方で、黒い水が下着の中までしみこんでくるその感覚は不快以外の何者でもなかった。自分の体が何者かに侵食されていく感じだ。
 泥水は、私の脳天からつま先まで幾度となく降りかかることとなった。そのたびに私の衣服は重みを増していく。蓄積した泥が体から体力を奪い、水分が熱を奪った。約1時間半にわたり、私は泥水を浴び続けた。

 すべてが終わったあと、私は公園の水道で髪を洗うことにした。泥だらけの服のまま、水道の蛇口をひねる。水をかけて擦っても、泥は固まるばかりでまったく落ちない。そのうちに近くで遊んできた子供がやってきた。「なにしてるの?」そう語りかけてきた子供の目はまったく透き通っていて、一点の曇りもなかった。というのは私の想像で、実際に彼女の目がどうだったかは定かではない。なぜなら私はその子供のほうを振り向くことができなかったからだ。
 その後、服を着替えた私は会社に戻り会議に出席したが、頭から振ってくる黒い粉のせいでまったく話に集中できないでいた。

 翌日のことだ。朝、のどの痛みで目が冷めた。起き上がってみると全身がだるく、身体の節々にきしむような感覚がある。悪寒がする。季節はずれの風邪だろう。原因に心当たりはあったが、今はそれについてあまり考えたくない。台所へ行ってポットからお湯を一杯飲むと、私は再びベッドに戻り、眠りについた。すべてを忘れて、今日は眠ることにする。

 


 
 
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