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はっけんの水曜日
 
三角法で高さを測る
高さなんて住んでる人に聞いたらいい、とは言ったらだめ。


 中学生のときに、右の図のような問題をやった。この建物の高さは何メートルでしょう、みたいなものだ。

 距離と角度で目的の高さが計算できるというのは驚きだったが、思い出してみるといつだって問題にははじめから距離と角度が書かれていた。

 もし実際に三角法で高さを測る必要があるなら、計算だけではなく距離と角度も自分調べないといけないだろう。その場合、本当にかつて習った計算方法は役に立つのだろうか。

(text by 藤原 浩一

 手作りの測定ツール

 知る必要があるのは建物までの距離と見上げたときの角度だ。距離はメジャーを使えばいい。問題は角度だ。

 ちょっと考えてこんなものを作った。


原始的


 目標となるものを見定める黒い筒と、拡大した分度器(目盛りは5度ずつ)、そしてそこにぶら下がる紐だ。

 あひるのクリップがついた紐は重力に引かれて常に下にぶら下がるので、筒が斜めになればそのまま角度を指し示すのだ。かつてやった算数の問題にはこういうツールの説明はなかった。

 それでまずはじめに調べようと思ったのは、近所にあったオブジェ。


にわかにそびえ立つボート風のオブジェ。

高さ18メートルって書いてある。


 はじめから高さが18mと分かっているので、作った道具が実際に使えるかどうかの確認がしやすい。大きさも適度だ。あと住んでる町のオブジェという設定も数学の問題っぽい。

 早速見上げる場所までの距離をとる。


2mって短いな、と思う。

2mを3回くりかえして6mを作る。


 6mくらいあればいいかな、と思って2mのメジャーをつかって尺取虫のように長さをはかった。

 もっと長いメジャーがあれば楽だと思ったが、もっていない。さらに言うと、こういう距離の測定というのはメジャーの両端を手にとって2人でやるものだ。

 かつてやった問題にはないリアルが見え始めた。


筒を使っててっぺんを覗く

視界イメージ。(マウスオーバーで覗きます)


 覗く位置を決めたら早速筒を目に当てる。筒の向こうにはオブジェのてっぺんが見える。

 しかし何度かは分からない。何故なら目盛りを読んでくれる人がいないからだ。かつてやった問題もひとりで角度を測っている設定だったが、どうやって目盛りをみていたんだろうか。

 なんとかケータイのカメラで目盛りを写すことで状況を乗り切ったが、どうもおかしい。あまりに角度が大きすぎるのだ。

 そう思ってこんどはデジカメの画像を確認したら、気がついた。


アヒルがぶら下がってない。

 アヒルのおもりがついた紐がちゃんとぶら下がっていなかったのだ。

 原因は見上げる高さが高すぎた(オブジェに近すぎた)ために、紐が体に向ってしまったことと、そもそも分度器が体に近すぎたことだ。


オブジェから遠ざかる。

ひもがあたらないようにする。


 オブジェからもう4m離れて、分度器も体から離した。再び角度を測ってみると、目盛りは60°を示している。つまり図にすると下のようになる。


適当につくった最初の例題と一緒だった。


 計算の仕方は、見上げた角度60°から、オブジェまでの距離を底辺とする三角形の高さをだして、それに地面から見上げる人の視点1.7mを足すだけだ。

 10(m)×tan60+1.7(m)=10(m)×1.73+1.7(m)=19(m)

 というわけで、実際は18mなので1mの誤差になる。地面の形にメジャーをあわせてしまったために、オブジェまでの距離が正しく測れていなかったことが原因と思われる。

 つまり実際は10mではなくもっとオブジェに近い場所にいたのだ。その誤差を考慮すると、角度そのものはおおむね正しく測れたと思われる。たぶん。

 他にも身近なものの高さを測ってみよう。


2mの位置から

21°くらいか。卒塔婆。

同じく2mの位置から

お、20°。キヨスク。


 計算してみると、道路から見た卒塔婆の高さは246センチで、キヨスクは242センチだ。ほぼ同じ高さなんですね。

 身近なものの高さを調べようと思ったのだが、あまりピンとくるものがなくて卒塔婆とキヨスクというチョイスになってしまった。ちょっとセンスが悪いので、目的を変えてみる。


 

 
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