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ロマンの木曜日
 
「野猿」に行ってきました

ここだけじゃなかった!野猿

「野猿」と言っても残念ながら八王子のラブホテルではありません(ローカルネタですみません)。

また、とんねるずを中心としたユニット名でもありません。

「まるで蔓をつたう猿のようだからこの名がついた」という、非常にプリミティブな乗り物のレポートです。

萩原 雅紀



野猿の入口
天然エメラルドグリーンの川

八王子ではなく四国です

野猿(やえん)の存在は以前から知っていたのですが、もはや数えるほどしか現存していないそうなので、実物にお目にかかれるとは思っていませんでした。ところが、その中のひとつが、先日乗った「観光用モノレール」の近くにあったのを偶然発見。千載一遇のチャンスと思って行ってきました。

場所は徳島県三好市。モノレールとはクルマで十数分の近さです。「奥祖谷かずら橋」という看板の駐車場から川沿いに降りて行くと、見たこともないような、ものすごくキレイな川が流れていました。この川沿いに少し歩くと両岸にロープが渡してあり、そこに犬小屋のような、小さな籠がぶら下がっているのが見えてきます。これが野猿で、簡単に言うと、川を渡るためにはるか昔から伝わる人力ロープウェイです。

元々は平家の落ち人が暮らしていたというこの川沿いも、今ではキャンプ場などが整備され、野猿はそこで遊具施設のひとつとして使われているようです。

川に沿って少し歩くと
なんだこれ

 

昔の交通機関も今は遊び道具に
ロープを引っ張ってたぐり寄せる
ぜえぜえ

野猿に入ってみる

まずは木製の立派なプラットホームに登って、仕組みをよく見てみました。籠がぶら下がるためのロープと移動させるためのロープがそれぞれ両岸に渡してあるので、移動させるためのロープを引っ張って向こう岸にある籠をたぐり寄せます。

と、簡単に書きましたがこれが案外重労働で、籠を手元に寄せるだけで僕は汗だくになりました。昔のおばあちゃんとかどうしてたんだろう。

手元にやってきた籠は押さえていないと重みで滑り出してしまうので、片手でロープを押さえつつ素早く身体を中に滑り込ませます。

見たのも乗ったのも初めてですが、取扱方法やコツが直感で何となく分かるのは、これがいかに原始的な乗り物かを物語っていると思います。

案外と川面からの高さがあって若干不安ですが、とりあえず向こう岸に渡ってみましょう。


野猿を動かしてみる

ロープを押さえていた手を離すと、野猿はその重みでするすると動きはじめました。片手で軽くロープを引けば進むので、「こりゃ楽チンだあ」と思っていたのですが、これが大きな間違い。

両岸に渡してあるロープはその重みで真ん中部分がいちばん低くなっているため、どちら側から乗っても前半は下り坂、後半は上り坂になるのです。その後半の重さと言ったらあんた。

籠の重さプラス自分の体重、そしてロープの抵抗が重なって、撮影は諦めてカメラを置き、両手で力一杯引っ張ってようやくのろのろと進む始末。これなら多少流れが速くても渡河した方が楽なんじゃないか、とさえ思えるほどの重さです。もし今でもこれを生活に使っていたら、重さを考えて買い物を少し減らしたりしそうです。エコバッグを使ったりするより省資源に効果的かも知れません。

前半は片手でも余裕なのだが
景色は涼しいがロープが重くて暑い

 

野猿を甘く見るんじゃねえぞ
そこまでは誰でも行けるんだよ

子供が挑戦

ひとり綱引きで上り坂と格闘していたら、向こう岸に親子連れが現れました。小学生くらいの子が「乗りたーい」などと言っています。

僕はなるべく涼しい顔を作りつつ必死にロープを引き、何とかゴール。入れ替わりでさっそく子供たちが乗り込みます。やはり最初はするするとスタートして行きましたが、ふふん、果たして君たちだけで向こう岸にたどり着けるかな。

予想通り、半分を過ぎたあたりで「重ーい」という声が聞こえてきます。それでも何とか進もうと、果敢にチャレンジを繰り返していましたが結局諦め、両親のいるスタート地点に戻りはじめました。しかし、彼らが止まっているのは中間地点。どちらに行くにせよ上りであるのは変わらないのです。両親がロープを引っ張って助け出していましたが、もし子供たちだけだったら宙づりで取り残されるかも知れません。

というわけで、楽しい野猿の体験をしたわけですが、最初の看板にあったように、ここには「かずら橋」というものもあります。こちらもすごく特徴的で怖い橋だったので併せてレポートします。

ここからが本番だぜ
退散する子供たち、だから言わんこっちゃねえ

 

 
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