■富士山

　富士山は言わずと知れた日本の最高峰だが、他の山とはちょっと違う。何が違うかって言うと、とにかく人が多いのだ。人だらけだ。

　夏の富士山を登るのは体力的にも技術的にも難しくはない。登山道も整備されているし判りやすい。オマケに山小屋で食べ物も水も買えるので荷物も少なくて済む(ただし値段は下界の4倍界王拳)。

　だから富士山は装備さえしっかりしていれば初心者でも割と簡単に登れる。が、そのイメージがあるせいか、装備が不十分でしかも山登り自体が初めてという人(初心者未満の人)も多くいる。

　それでは流石に「簡単に」とはいかない。登山道の隅で震えてたり、ライトを持ってないのに夜間登山をして地面に這いつくばって登ってる人がよくいる。

そんな3000m級の山は他にない。

■独立峰だけに眺めは最高

　山って、割と山地にあるので周りの山も標高が高かったりする。しかし富士山は平野にドカーンとあるので富士山以外に周りに高い物が無い。だから、眺めは異常に良い。

　遥か彼方まで広がる雲海。雲海の下にちょこっとだけ見える下界の低山。ほとんど神の視点である。

　夜中に登っていると下界の花火大会が見えたりするが、まるで線香花火で非常に可愛い。こんな視点で下界を見られる山は他にはなかなか無いだろう。

登っている人達も眺めも、他の山とは違う特別な山である。