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土曜ワイド工場
 
コンビニのおにぎりは自然に温まってる気がする
 


コンビニでおにぎりを買ってしばらく放っておくと、なんだか温かくなってる気がする。特に昼ごろに買ったおにぎりを深夜に食べようとするとその温度変化に驚くことが多い。買ったときに比べてこんなに温かかったっけといつもびっくりする。同じような経験のある人、結構いますよね。

ひょっとしてコンビニのおにぎりは自然に温まってるんじゃないのか。

そんな疑問に終止符を打つべく、コンビニおにぎりの温度変化を調べてみました。

(text by 小柳健次郎



おにぎりの温度を10時間測る

 おにぎりの温度変化を調べるため、中に刺して測れる温度計を使い、昼から夜まで一時間毎におにぎりの温度を記録していく方法をとることにする。

今回実験に使うおにぎりはセイコーマート(北海道ローカルのコンビニ)で買った。また具と環境による温度の違いをハッキリさせるため、同じ具のものを一組ずつ、計4個用意した。


一組は部屋に。
もう一組は玄関先に置いた。

 玄関におにぎりが置いてあるのを人が見たらどう思うだろう。でもこれで家の中と外、具による温度変化の違いも調べることができる。ちなみに梅と昆布をチョイスした理由は、単にこれしか売れ残っていなかったからです。

温度を測る時間は、買ったおにぎりは深夜12時になると消費期限が切れてしまうので、午後1時から午後11時までの10時間にした。残りの1時間ですべて食べてしまおうという計算である。

 

おにぎりの温度観察スタート

 それでは午後1時からの10時間、1時間毎に温度を記録していく。現在の室内温度は25℃で外の気温は18℃だ。

縦軸が時間で、横軸がおにぎりの種類になっています。


家の梅おにぎり
22℃
家の昆布おにぎり
23.5℃
外の梅おにぎり
22.3℃
外の昆布おにぎり
22.1℃
23.7℃
24.1℃
19.2℃
19.2℃
24.7℃
24.8℃
17.6℃
17.2℃
25.1℃
25.1℃
17.4℃
17.3℃
25.3℃
25.3℃
16.6℃
16.4℃

 

中断:外のおにぎりを中に入れた

 家のおにぎりたちは順調に温度が上がっている。特に開始3時間では+3℃も差がある。予想以上のスピード上昇。

しかし外のおにぎりは凄い勢いで下がっている。これは外が寒いのもあるだろうけど、この日は雷雨を伴った激しい雨が降り、風も強かったというのが原因だと思う。

外のおにぎりは屋根のある玄関に置いてはいるが、飛んでくる雨粒がきつく、おにぎりがかわいそうだった。


家の前に川が出来るほどの豪雨。
耐え忍ぶおにぎり。

しょうがないのでこれ以上外に置くことは困難と判断、外に置いていたおにぎりは家の中に避難させた。正直これぐらいの頃には、なぜ玄関におにぎりを置いているのかよく分からなくなっていたし。


米粒ではなく雨粒がついた。

 ここからは外のおにぎりを、家に入れたおにぎりとして温度を測っていくことにする。


家の梅おにぎり
25.1℃
家の昆布おにぎり
25.2℃
家に入れた梅おにぎり
19.5℃
家に入れた昆布おにぎり
19.9℃
24.9℃
24.9℃
22.0℃
22.2℃
25.0℃
24.9℃
23.4℃
23.7℃
24.9℃
24.8℃
24.1℃
24.3℃
25.0℃
24.9℃
24.3℃
24.7℃
25.1℃
25.0℃
24.6℃
24.9℃

 

終了:結果が出ました

 およそ10時間、いっときもおにぎりのそばを離れず、おにぎりのことだけを気にかけていた時間が終わりを告げた。


おにぎりの軌跡。

果たしておにぎりは自然に温まっているのかどうか。分かりやすくグラフにしてみました。

 

室温だ

おにぎりの温度を表す4つの線が、ただ一点に向かって収束しているのがすごく分かる。家のおにぎりも、外から中に入れたおにぎりも、過程はどうあれ着いた場所はほぼ同じで約25℃だった。これはそう、室温である。

おにぎりは確かに温度が上がる。しかしそれは室温に近づいてるだけであって、おにぎり自身が熱を持つということではなかった。

実は記録をとっているうちに薄々気づいてはいたんですが。たぶん読んでる方は7:00ぐらいでとっくに感づいてたと思います。家のおにぎりが室温と同じ温度から全然変わらないのに。

 

お客様相談室に聞いてみた

もう殆ど答えは分かってしまったけども、万が一ということがある。おにぎりが自然に温まるかどうかをセイコーマートのお客様相談室に電話で聞いてみた。恥をしのんで。

「昼ぐらいに買ったおにぎりが深夜になると温たかカック(うまく言えなかった)なってる気がするんですが、おにぎりが自然に温まるということはありますか」

「えーと・・・コンビニのおにぎりがですか?」

「えぇ自然に温まるというか」

「えーどれくらいでしょうか。発熱するとか・・・」

「いえ体温というか買ったときよりは温かくなってるというか、おにぎりが自身が自然に温まるかどうかなんですが」

「はぁ・・・特にそういったことはないです」

正式な答えが出ました。コンビニのおにぎりは別に自分で温かくなったりしない。やっぱり恥をかいた。


犯人は室温だった。

 

仮説:おにぎりの錯覚

なぜ人々はおにぎりが自然に温まってると勘違いするのだろう。室温で自然に温まってることは温まってるけども、それを「室温で温まった」と考えず、おにぎり自身が温まってると思ってしまうのか。

それは一般的におにぎりは冷たいものとは考えられていないから、コンビニで買った直後の温度を通常の温かさと思ってしまっているからじゃないだろうか。電話で応対してくれた方の話によると「コンビニのおにぎりは約20℃に保管してある」そうなので、やはり室温に比べるとだいぶ冷たい。

つまりが冷たいおにぎりに慣れすぎたため、室温で温められたおにぎりを不自然に感じてしまう、「おにぎりの錯覚」が起こっているのではないかと思いました。

今までにそんなことを聞かれたことはない

 ついでにお客様相談室の方に、今までおにぎりが自然に温かくなるかどうかという質問をされたことがあるか聞いてみたところ、

「そういった質問を今までに聞かれたことはありません」

とのことだった。ここまでずっと一般的な疑問だと思ってやってきたんですが、実は全然そんなことなかったですか。

おにぎりを4つ、全責任を持って一気に食べました。

 
 
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