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ひらめきの月曜日
 
中津江村の鯛生金山で砂金を採る

砂金発見なるか

水底からザクッと砂をすくって、ザブザブやってジーッと皿底をみる。

お、ない。

水底からザクッと砂をすくって、ザブザブやってジーッと皿底をみる。

お、ない。

それをとりあえず5回繰り返してみた。

さすがに相手は砂金だけあって、ここが体験施設といえどもなかなか姿を表してはくれない。

このプールの中にはいったいどれくらいの砂金が眠っているのだろう。あ、もしかしたらさっきのが最後の1個だったのではないだろうか。いやそんなはずはない。中津江村に限ってそんな訳はないはずだ。与えられた時間は事前の講習時間を含めてわずか30分。悩んでいないで体を動かそう。

私がもしも今後自給自足の生活を始めたとしても、現代社会ではどうしても多少の現金は必要になる。ここで砂金を採るという技術を習得することができれば、砂金を現金化することで生活ができるのだ。


ザブザブ。結構重労働。 ジーっと穴が開くほど凝視しながら選別していく。

しかし相手は希少金属。頑張ってはいるのだが砂金はなかなか採れない。原宿は竹下通りにて、素人がアイドルの卵をスカウトするかの如き難題。

さっきの指導員さんは実はマジシャンで、本当は水底ではなくてポケットの中からこっそりと砂金を採りだしたのではないだろうかとあらぬ疑いが頭の中をよぎりだした頃、皿底にキラリと光るものが。

あった!金!元素記号Au!

開始から約10分、ようやく米粒よりも、いや金芽米の金芽よりもさらに小さい砂金を見つけることができた。指導員さん、疑ってゴメンよ。


砂金!うれしい! 見つけた砂金は、専用の入れ物に集めていきます。指先の砂金がわかるかな。

 

砂金採り、楽しい

砂の中から砂金の粒が表れるっていうのは、予想以上に興奮する。まわりの砂や石ころとはあきらかに違う存在感、それが砂金。原子番号79番。

皿を振りすぎてだんだん腕が疲れてきたのだが、30分間でなんとか10粒くらいの砂金を集めることができた。

もう腕がけっこうパンパンなんだけれど、もっともっとやっていたい。砂金採りはクセになる。


全部で米一粒分くらいになったかな。

 

砂金をアクセサリーにしてもらう

30分一本勝負の激闘が終わり、受付にお皿とかを返しに行くと、出口の所に集めた砂金をペンダントヘッドや携帯ストラップに加工してくれる有料サービスがあった。

そうなのだ。この砂金、この状態で持って帰っても机の引き出しに入れるだけになっちゃうなあと思っていたのだ。ナイスだ。

加工といってもわずか数粒の砂金なので、溶かして型に入れてとかではなくて、砂金をそのままパッキングする感じ。これで今日採った砂金を持ち歩くことができる。


キーホルダー、携帯ストラップ、ペンダントヘッドなど。 この部分に砂金を埋め込んでもらえる。

どれにしようかちょっと悩んだのだが、「これだと開け閉めできるので、また砂金を足せますよ」というセールストークが決め手になり、ビーズのついた携帯ストラップにした。ビーズ部分は正直微妙なのだが、この円柱状のパーツが素敵。


テキパキテキパキ。 工賃含めて1,050円也。入場料より高いけれどいいのだ。

またいつの日か、ここ鯛生金山で、あるいは多摩川の川原で砂金を採って、このストラップの中身をどんどんと増やしていきたいと思う。

自分で採った砂金が愛おしい

普段、貴金属店に並ぶ金に対してはまったく興味を持たないのだが、こうやって自分で見つけた砂金はとてもかわいい。

ここは係員が用意した砂金をお金を払って探す体験施設で、自然の中で砂金を見つけるのとはやっぱり違うのだが、砂金という獲物を見つける喜びの本質的なところは十分わかった。

ここにきたのは偶然なんかじゃなくてきっと必然。今なら世の中の鉱物マニアとおいしいお酒が飲める気がする。

ありがとう、カメルーン。

エムボマも大好き、砂金採り!

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