試合放棄
まったく味の想像が付かないまま、タレを何も付けずに食べてみた。たぶんマズイ。きっとマズイ。
…が。
なんと! これがすごくおいしかったのだ。揚げたことで角のあるような酸っぱさが丸くなったというか、まろやかになったというか。
「そっか、梅って果物だもんな」と改めて気付かされたくらいに甘みが増した。とても食べやすく、油の染みたパン粉ともすごく合っている。
梅干しに合うお酒といえば日本酒や焼酎だが、これは断然ビールが飲みたくなる。油はやっぱりビールだ。
うん。これはいいですよ。これからは揚げ物に梅干しは欠かせません。本当に。いや、マジで。
無駄な抵抗
以下、もがき続けた結果をご覧いただきましょう。
塩で食べると油が負けるというか、納豆の味が強烈すぎて「マズイ!」という結果に終わったが、ポン酢とソースに付けると途端においしくなった。納豆ごときでは、油はビクともしないのか。
続いて、巨峰を試してみた。
果物って、熱を通すと甘みが増しますね。すごくおいしいです。ええ、もうこんなことではビックリしませんよ。
じゃ、次はこれなんてどうです?
キムチ揚げ、すごくおいしかったです。梅干しの時と同様、酸味がまろやかになり、衣のサクサクと白菜のシャクシャクがなぜか合う。これもビールだな。うん。
もう完全に試合を投げている。無駄だ。油には何をやっても勝てない。どう頑張ってもおいしくなってしまう。もしここにレフェリーがいるなら、私の戦意が喪失したと見なして試合を中止させるだろう。
というわけで、油との闘いはこうして幕を閉じた。 (闘ってたのか)
惨敗
この記事のタイトルは「油で揚げてマズイもの」だが、あれこれ試してみた結果、「油で揚げてマズイものなどない」ということが分かった。
それほどまでに手も足も出なかった。とくに梅干しとキムチ。あまりにおいしかったので、追加で2本ずつ揚げたくらいだ。ま、いくら食べやすくなったからといって大量に食べるものではないと思いますが。
とにかく「油は偉大だ」と。それが改めて分かっただけでも、やった甲斐があったと思う。思いたい。