恐怖! 絞め殺し植物
そんな板橋のジャングルを歩いていると身の毛もよだつ説明書きが。
『絞め殺し植物』という植物は宿主の木の上で発芽して、上に枝葉を伸ばし、下に気根と呼ばれる根をはやすのだが、成長が早く、宿主の木を取り囲むように成長し、やがて宿主の木に日光や養分を不足させ、絞め殺してしまうらしい。
植物の世界にもやっぱり激しい弱肉強食があるんだな。ところでせっかく面倒を見てきた植物にゆっくりゆっくり絞め殺される宿主はどんな気分だろう。怖いなー。だって、絞め殺しだから、ゆっくりゆっくり殺されていくわけですよ。恐ろしい。しかも最初は仲良く寄り添っていて、仲間だと思っていたやつに裏切られるわけですよ。人間に例えるとこんな感じだ。
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入社1日目
『先輩、今日から入社したシメ夫です、よろしくお願いします』
『うむ、頑張ってくれたまえ。何か分からないことがあったら遠慮なく聞くんだよ』
『若輩者ですがよろしくお願いします!』
『かわいいねー、フレッシュだねー』
入社3年目
『先輩、コピーとってもらっていいですか?』
『コピーぐらい自分でとればいいじゃないか』
『だって先輩やることなさそうじゃないですか』
『そ、そうなんだけどさ。分かったよ。コピーとってくるよ』
入社7年目
『お前、オレのおかげで会社においてやってんだぞ、わかってんのか』
『すみません…』
(社内のひそひそ声)
『あの2人さぁ、実はシメ夫さんのほうが後輩らしいよ。すっかり追い抜かれちゃってさ。でもシメ夫さんもあんなに露骨に権力振りかざす必要ないのにねぇ』
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こわい! やっぱり怖い! 締め付け植物断固反対! 許すな締め殺し植物! NO MORE 締め殺し……。
あ、そうだった。
僕、人間だった。東京の賃貸住宅に住む人間だった。植物に締め殺されることなんてないのだ。あー、よかったー。 |