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ひらめきの月曜日
 
知られざる名古屋名物「あんかけきしめん」を食べに
筆者、この1年間で5キロ太りました。


先日用事が出来て名古屋に行った。

このサイトで執筆を開始してからというもの、遠出をするときには必ずネタを探すくせがついているので、今回も名古屋で何かネタはないか探すことにした。

名古屋と言えば、このサイトの企画で60本ものコネタを紹介したことがある。さすがに名古屋ではもうネタはもうないだろう、と思っていたが、まだあった。名古屋は僕らが思っているよりずっと奥深い。

名古屋名物きしめんに、大胆にもあんをかけたという不思議な名古屋食、あんかけきしめんを食べてきました。さあ、今日も食いまくるぜ。

(text by 梅田カズヒコ



あんかけきしめん一考

名古屋と言えば、あんかけパスタというメニューがある。ちょっと太めの麺のパスタに、少し洋風に味付けされた「あん」をかけるというメニューだ。


これがあんかけパスタ

あんかけパスタは名古屋ではポピュラーなメニューである。東海地方出身のOさんは東京に上京してくるまであんかけパスタは全国どこにでもあるメニューだと思っていたらしい。そのぐらいポピュラーということだ。

名古屋と言えばひつまぶしなんかが有名であろうが、ひつまぶしは毎日毎週食べるにはちょっと高級すぎる。その点あんかけパスタは高価なメニューではないので毎週食べている人も多い。 名古屋の庶民食のキングと言えば、あんかけパスタかもしれない。

そんなあんかけ大好き名古屋人が、有り余るフロンティア精神で作り上げてしまったメニューが『あんかけきしめん』である。あんかけを名産のきしめんの上にかけてしまったというわけだ。
きしめんも名古屋ならあんかけも名古屋。つまり、あんかけきしめんとはトランプのポーカーで例えるならば『名古屋のツーペア』である。

大好きなものと大好きなものを組み合わせればやっぱり大好きなものができあがる。さっそくあんかけきしめんを食べる旅にでかけよう。

1軒目、めん処 沙久


名古屋郊外のきしめん屋さんへ

このお店があんかけきしめんを出すと聞いてやってきた。どうやらメインはきしめん屋さんで、メニューのバリエーションを増やすためあんかけきしめんをおいているようだった。名古屋のきしめん屋さんは基本的にメニュー数が多い。いっぱいメニューがあったほうが得した気がするのだろうか。さっそくあんかけきしめんを頼んでみた。

 

どす黒いあんに隠れて、もはやきしめんが見えない
救い上げると今度は純白のきしめんが。

スープがどろどろな上にどす黒くて、きしめんが見えない

黒い。

それが第一印象である。基本的に名古屋の食べ物は、赤味噌が中心になっているものが多いので色が濃いのだ。でも、黒い食べ物は高級感があって良い。僕が好きな映画で『コックと泥棒、その妻と愛人』という作品があるのだが、その中でコックが『(レストランのメニューの値段は)黒いものほど高くする。キャビア、トリュフ、イカ墨…黒は高級感があるから』と述べているのだが、それ以来ずっと黒い食べ物を見るとその発言を思い出す。黒いものはいい。このメニューもきっと高級である。だって、あるはずのきしめんが見えないほど黒いのだから。

能書きを述べる前にさっそく食べてみよう。

熱い。

スープがあん状のため冷めにくい。しかも麺類なのでずるずるすすっているうちに大量のあんが口の中に入ることになる。猫舌の人は注意されたし。

さて、肝心の味のほうはというと、味噌煮込みうどんのあの体がぽっかぽかになるうまさに、あん独特のとろみが加わって、これまた食欲増進。なるほど確かに名古屋グルメ、利に叶ったメニューだと思った。もともと細身のきしめんは麺がのびやすいという弱点があるが、とろみを効かせたスープなので安易にきしめんにダシがしみこむことがなく、時間がたっても一番おいしい味で食べられるというのが良かった。

しかし、新たな名古屋名物にするには発見が少ないような気もした。想像を上回る、というより想像通りの味なのだ。

ちょっとこの一店だけであんかけきしめんなるものを決めてしまうのもあれなのでもう一店いってみることにした。


もはやこのサイトでは説明するまでもないパトランプも健在。パトランプを見るともはや郷愁すら感じるようになってきました。

宮きしめん 麺どころ沙久良

名古屋市東区徳川2丁目5−5
052-935-8968
市バス 赤塚バス停前そば
不定休、11:30-14:30、17:30-20:30

お店のディスプレイで天あんかけ(きしめん)なるメニューを発見!これは試してみなくては
おお。これはすごい。もはやきしめんがどうでもよくなってきている
あんかけ沼

天あんかけきしめんはロイヤルストレートフラッシュだ

さて、ローファイなスタートをきった我らあんかけきしめん食べ隊であるが、2軒目はなんともテンションがあがるメニューを見つけた。天あんかけ(きしめん)である。もう何がなにやら。

大好きな天ぷらと、大好きなあんかけと、大好きなきしめんである。もはやトランプで言えばロイヤルストレートフラッシュである。スタバで言えばチョコレートチップフラペチーノ・ホイップクリーム乗せである。

このように名古屋グルメはとにかくすべてが過剰なのだ。力技なのだ。すっかり有名になったコメダシロノワールだって、あれだけたっぷりソフトクリームを乗せられたら、認めざるを得ないところがあるのだ。

見よ、左の写真のあんかけと天ぷらっぷりを。これだけ大ぶりの立派なエビフライが2つ乗って1,050円とは安い。ナスやカボチャの天ぷらなんかも添えているところが憎い。

もはや本当はメインであるはずのきしめんがどうでもいい場所に追いやられているような感じすらある。逆に言えば、かつてこれほどまでにどうでもいい扱いを受けるきしめんがあっただろうか。あんかけと天ぷらのインパクトの間に埋没するきしめんである。


今回も熱いんじゃないかと警戒していたら、ちょうどいい温度まで冷めている状態で出てきました。でも、やっぱりあんかけでしっかり守られているので必要以上に温度が冷めることはないです。

 

すべての天ぷらはあんかけで食すべきではないか

天ぷらとあんはものすごくあっていた。もはや今後すべての天ぷらはあんで食べるべきではないだろうか、と思うほどに合っていた。さて、埋没された感のあるきしめんはというと、あんを含んでカルボナーラみたいにねちっこくなっていて、なかなか美味かったです。

温度を気にしながら食べたり、ツルツルは食べられないので食べる速度がおのずとゆっくりになったりしているが、これはいわゆるスローフードではないだろうか。

こんなところで流行のキーワードと名古屋グルメが歩み寄りを見せるとは思わなかった。名古屋グルメのすごいところは、知らず知らずのうちに偶然にもブームを踏襲してしまっている可能性があることだと思う。

てかてかのエビ天ぷらたまりません
もう自分の重力にすら耐えられない大きなエビ天ぷら。でろーん

すっかりあんかけきしめんの魔力にはまりました。おいしかったです、ごちそうさま

きしめんの吉田

名古屋市中村区名駅1-1-2名古屋ターミナルビル7F
052-562-0075
名古屋駅そば
無休、11:00-20:30

いつでも喰ってます 

この写真の撮影:父

件のあんかけきしめんは、まだ名古屋でもそれほど有名になっていないメニューだそうで、出す店舗も限られており、僕の取材も2件に踏みとどまった。地元の人すら知らない可能性もある。しかし、近いうちに名古屋を席巻しそうな気もする。とにかく一度食べてみることをおすすめしたい。

そういえばあんかけきしめんはかなりお腹にたまるので、そんなに食べてないのに満腹感が得られて、ダイエットできるかもしれませんよ。

まったく話はずれますが、1軒目の取材は両親と行きました。明るいうちに外で家族でご飯を食べたのは何年ぶりだろう。楽しかったです。ご協力ありがとうございました。


 
 
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