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フェティッシュの火曜日
 
人形作って教育番組のおねえさんになる


NHKの教育番組で、お姉さんと人形が掛け合いをしながら実験や観察を進めていくだろう。あの人形というかパペットは、非常にいとしいものだ。

古くは「いちにのさんすう」のタップくん。何の動物かわからないあの白いタップくん。
最近では「ニャンちゅう」が私のお気に入りだ。

お姉さんの肩にも及ばないくらいの小さい何かが、お姉さんと共に考え、共に行動し、共に問題解決をしていく。好奇心いっぱいの、輝く瞳のあいつら。うちにも1人欲しい。

というわけでうちにもひとり置いてみることにした。

乙幡 啓子


パペット案が決まる

「教育番組ごっこをしたい」と思いついたものの、もっとも重要な「パペット」のイメージがなかなか思い浮かばない。既成の概念からスケッチを試みるも・・・。


うろおぼえ大会。

ただ、すでにあるキャラクターをそのまま使うわけにもいかないので、思い切って新しく創作することにした。その際留意したい、キャラクターの満たすべき条件だが、「児童向け」「教育」などという観点から見てだいたい次のようなものになるだろうか。

  • 児童に受け入れられやすいフォルム
  • 身近なモデル
  • 好奇心旺盛な様子
  • よく意見を言える口

「身近な」とは書いたが、過去には「埴輪」という、日常にほぼ関係ない題材のキャラクターもヒットしているのでその限りではないかもしれない。箇条書きにしてみたが、うーん、とっかかりがない。いきなり犬や宇宙人のキャラクターを創作するには、伏線が弱い。
でも待てよ。今回教育番組を作るのは私だ。なら私の嗜好をおおいに反映していいのではないだろうか。
条件に「身近な」とある。ふだんの取材でもっとも私に身近なものと言えば・・・。


デジタルカメラのカメ夫。

考えた末に、結局突拍子もないことになってしまい申し訳ない。でも台所でふっと「デジカメ」が浮かび、冷蔵庫に貼ってあるメモボードに下書きしたのが上の絵だ。、口癖は「お姉さん、今のショット押さえとくよ」だ。

さあイメージはもう固まった!振り返らずこのまま行くしかない。適当な材料を買ってきてさっそく制作に入ろう。

 

人形作るのはふつうに面白い

たんに人形を作るのでなく、今回は手足や口が動かせるようなものにしたい。となると、いきあたりばったりの工作ではダメだ。仕組みや見栄えなど、いつもより綿密に策定しつつ慎重に進めていきたいと思う。


綿密にとか言ってるわりにガワはいきなりダンボールだ。
手足となるABSパイプに銀スプレーで着色。
レンズ部分はプラケースを応用。接着剤を定着しやすくするため表面をヤスリで荒らす。
Gボンドでフェルトを接着したレンズ部。
口の開閉装置。軸は、コーヒー飲料についてる伸縮ストローが滑らかで都合がいい。輪ゴムで口が閉じる仕組み。
左の開閉装置は、テグスでこのリングにつながる。ここをひっぱると口が開く。
パイプを適度な長さに切断。このへんから、何の企画をやろうとしていたか忘れる。
パペットの手を動かすあの棒は、針金ハンガーでいいや。
手のさきっちょは、「丸い何か」を買うと高いので、オーブン粘土で成形。
オーブン粘土焼いて黒く塗ってさきっちょに接着。

パペット作りの面白さが伝わればと、工程の写真を多くしてみたがいかがだろう。少しづつパーツができていくに従って、誇張でなく、命が吹き込まれていく感じがしてくる。

さあ、みんなの新しいお友達を紹介するよ。


やあ、ぼくデジカメのカメ夫。よろしくな。

レンズのところが口だと思うだろ。
じつはフラッシュ部が口なんだ、わはははは。

目はマジックテープで交換可能さ。

キー!

プンプン。

ひゃっほー。

しょぼん。
すっごく楽しい。

だいたいの動く様子は動画でなんとなくご確認ください。


裏はまあ、こんな感じ。むき出しさ。
でもちゃんとメンテナンス用ハッチがあるんだ。お姉さんありがとう。

原稿を書いている今も、カメ夫が部屋の隅に立ってこちらを見ている。うちの子になってくれてありがとう、カメ夫。カメ夫は神様からのプレゼントだね。

とか言ってないで、さっそく番組を撮りたいと思う


 

 
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