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はっけんの水曜日
 
カップ麺ー湯切りグランプリ

赤を基調とした情熱的なパッケージ。旨いという文字も良い。

■ニュータッチ キムチ焼きそば

 後半戦の先鋒は、ニュータッチのキムチ焼きそばだ。僕はキムチがかなり好きなので当然キムチ焼きそばも好きだ。なに?キムチには寄生虫の卵が?中国人が唾液を入れている?でもそんなの関係(以下略。

 大体において、食品加工の裏側なんてどこも大差ないのだ。自分で加工した物を食べたがらない生産者なんてざらにいるじゃないか。そんな事でガタガタ騒いだってしょうがないのだ。老舗の料亭だって偽装だなんだとやっているのだ。食べて体壊さなければ問題ないだろう。

 かくいう僕は、キムチを食べてよくお腹を壊している。なにせ、辛い物を食べるとすぐお腹を壊す体質な上に、賞味期限が切れた酸っぱいキムチが好きで古い物を買ってきては冷蔵庫で寝かしているからである。これは自業自得なのでキムチを責めないで欲しい。

閑話休題、話をカップ焼きそばに戻そう。

乾燥キムチが入っているが、もう少し多い方がいいなぁ。
マルちゃんのW文字湯切りにプラス穴一つ。W亜種だ。
かなり豪快に湯切れる。これはプラス1の影響だろうか。
結果は6カケラ。かなり優秀な湯切りシステムといえる。

 

■キムチと紅ショウガを足してみた


添付のふりかけが刻み海苔とは洒落ている。実に美味しそうだ。

 標準装備のキムチがやや少なく感じたので、冷蔵庫に入っていたキムチ(酸っぱい)を載せてみた。更に紅ショウガも載せて、なんだか美味しそうなキムチ焼きそばの完成だ。紅ショウガとキムチの酸味は、カップ焼きそばの単調な味に良いアクセントを加えてくれる。

 カップ焼きそばを美味しく食べるコツは、「1.皿に盛る」、「2.紅ショウガや青のりを追加する」なのでは無いかと思っている。食器の汚れ物が増えるのが若干嫌だが、皿1枚ぐらいなんだってんだ。

 

塩カルビの名の通り、かなり肉片が入っている。

■サッポロ一番 焼きそば塩カルビ味

 サッポロ一番の定番焼きそばと言えばこの塩カルビ味である。ソース味の焼きそばも売ってはいるのだが、僕はあまり見たことがない。更にサッポロ一番の焼きそば即席麺に言及すると、袋麺でアラビアン焼きそばという物を販売している。

 アラビアン焼きそばを知ったのは5年ほど前。袋麺で焼きそばって個人的には結構衝撃的だったのだが、地元の友達に聞くと「うちで焼きそばっていうとアラビアン焼きそばだった」と返ってきて更に驚いた。それからしばらく袋麺の焼きそばを色々食べ比べたのだが、一番美味しいと思ったのはS&Bのホンコン焼きそばだ。ジャンク的な味がペヤング的で美味しかった。

また話が飛んだな。じゃあ塩カルビ味を作って湯切ろう。

焼きそばカップ麺には珍しい調味油添付タイプ。
湯切りは雫三列式。一般には涙湯切りと呼ばれている。
雫型の穴が、空気の流入とお湯の排出に一役買っている。
UFOに続く完全試合だ。雫三列式恐るべし。

 

■湯切りの性能は絶対的な戦力差だ


今までとは違う爽やかな絵ヅラ。これが塩焼きそばの大きなアドバンテージだ。

 デフォルトの状態でこの美しさだ。なにも足さない、なにも引いていない。完成された美しさ。素敵だ。そして、なんといっても美味い。レモンの酸味と塩味、油の風味。小さいながらもきちんとカルビっぽさを感じられる肉片。どれもこれも良い。

 湯切りの性能と併せてもU.F.Oに匹敵する素敵カップ焼きそばだ。サッポロ一番、かなりやりおる。サイト情報によると、なんと今は期間限定でカルビを50%増量しているのだそうだ。食べるなら、今しかない。

 

お馴染み、白いカップのあんちくしょう、ペヤングだ。

■定番中の定番、ペヤングソース焼きそば

 7種類目は、まろやか〜♪もういっちょいく〜?のCMでお馴染みのペヤングソース焼きそばである。

 「ペヤングソース焼きそば」という名前で親しんできたが、パッケージには「ペヤング焼きそばBig」としか書かれていない事に今更気付いた。CMですっかりすり込まれていたが、正しい名前は「ペヤングソース焼きそば」ではなかったのだ。

な、なんだってぇ〜!!

驚いた所で、すっかり進化していない湯切りシステムにも驚いてみよう。

内容は液体ソース、かやく、ふりかけのオーソドックスなデフォルトスリー構成。かやくは穴から漏れないように麺の下に入れてお湯を注ぐべし。ペヤングを作る時に実行せねばならない掟だ。
僕が子供の頃から何一つ変わっていない三点湯切り方式。学名、ペヤングペヤング。今回採集したのはペヤング類ペヤング目ソース焼きそば科焼きそばBigだ。
三筋のお湯が風流である。この様式美がペヤングの良いところだと思いたい。注意しないと蓋が外れてシンクに落としてしまうことになる。新兵は気をつけられよ。
結果は11カケラ。このさい、漏れの多さは致し方あるまい。古き良き湯切りを今に残すペヤングが持つ美徳ですらある。古い車とか鞄を有り難がる人っているじゃん、そういう感覚。

 

■ペヤングはどこまでいってもペヤングだ


あえて紅ショウガなどは載せなかった。ペヤングは生まれたままの姿が一番素敵だ。

 一般に、カップ麺焼きそばファンはU.F.O派とペヤング派に別れる。リアルな焼きそばを指向し、その美味しさを追求するU.F.O.と、ペヤングという食べ物として独自に突っ走るペヤングソース焼きそば。どっちも美味いが、僕はペヤングが好きだ。

 ちょっと辛いソース、ジャンク的なふにゃふにゃの麺、しょぼい具。どれも最高に良い。ペヤングは、良い。決して焼きそばではないが、だがそれが良い。

 ペヤングはん、あんた、試合には負けたけど、負けたけど、あんさんはわしの一番星やぁ〜!!一番星なんやでぇ〜!!という気持ちだ。ありがとう、ペヤング。ありがとう、まるか食品。

 

トップバリューのソース焼きそば。一見してペヤングと日清は除外される。だって形が違いすぎる。

■まとめの前に、番外編でトップバリュー

 家の近所にベルクというスーパーがある。そこにはAEONのプライベートであるトップバリューの製品がかなり置かれている。イオンとベルクが業務資本提携を結んでいるからだ。

 そんなトップバリューだが、やっぱりOEMの製品もあるっぽい。というか、普通は大体OEMだよねぇと思うのだが製造者の名前はどこにも書かれていないので判らない。

だが、湯切りを見ればどこのメーカーの製品なのか一発で判るのである。

して、湯切りを見てみると。こ、これは!!
どっからどう見ても明星の横格子型である。
印刷された文言を比べても類似点がかなり多い。
結果は4カケラ。やらせ無しで一平ちゃんと同じ結果になった。

 

■トップバリューのカップ焼きそばは明星のOEMだろう


紅ショウガと青のりを独自に増量。美味いよ美味いよ。

 単なる推測なのだが、トップバリューのカップ焼きそばは明星のOEM製品だろう。湯切りシステムの形がそれを物語っている。これでOEMじゃなかったら凄いコピー商品だ。それはそれで凄いが。

※・・・ちなみに、問い合わせても教えてくれませんでした。そりゃそうだ。

 湯切りシステムは各社に違いがあって面白いです

 湯切り性能としては、日清のジェット湯切りとサッポロ一番の雫三列式が圧勝だった。まさかの完全試合2つ。それに比べてやや残念な結果のエースコックとマルちゃんには少し頑張って欲しい。ペヤングはそのままで。是非。

 製品の特徴を調べていくと世の中に溢れるOEM製品の本当の生産者が判ったりして面白い。車もパソコンも鞄も靴も食品も、世の中にはOEM製品がたくさん溢れている。

メグミルクは雪印のOEM、とか。あ、これは違うか。

 本当の生産者が判ったからってどうという事もないんだけど、なんだかちょっと楽しい気分にならないだろうか。本当は誰が作ってるんだろう?どんな気持ちで作ってるんだろう?そんな事を考えながら商品を調べてみるのも、きっと面白いと思います。

今回僕は楽しかったもの。


 
 
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