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ひらめきの月曜日
 
コンビニの『塩スイーツ』食べ比べ
スイーツなのに、塩。それが塩スイーツの魅力。


今日のテーマは『塩スイーツ』だ。

スイーツなのに、塩を使ったもの。それが塩スイーツ。僕の記憶が正しければ、今年に入ってから巷で頻繁に目をするようになった。(塩スイーツについてはこのあたりの記事が詳しい。)

さて、こういったちょっとしたブームが生まれると、すぐにそれに乗っかるお店がある。それがコンビニだ。塩スイーツがブームだと聞けば、さっそく各社塩スイーツの製作に取り掛かる。

コンビニのそういう節操のないところが大好き!

今日のコンビニにおける塩スイーツの現状と対策について、ちょっと甘辛く(塩スイーツだけに)調べてみることにしました。

(text by 梅田カズヒコ



塩キャラメルのシュークリーム。フォントに親近感。

写真、ベージュのクリームが“塩キャラメル”

塩スイーツ1 
塩キャラメルのシュークリーム(セブン−イレブン代表)

王者のベタさと腰の低さ(食べる前の印象)

塩キャラメルは塩スイーツの中でも比較的ベタな商品であると言える。そんな塩キャラメルをフィーチャーしたのはコンビニ界の雄、セブン−イレブン。どの世界も1位と言うのはベタなんだ。正攻法なんだ。

まずは食べる前にラッピングの印象を語ろう。ラッピングにはダメ押しのように『塩』の文字。「塩スイーツって今流行してるんでしょ。だったら塩って書いておけば売れるんじゃないの?」とでも言いたげな、若干の投げやり感が逆にかっこいい。「塩」という文字以外に漢字を使わなかったのも、戦略が見え隠れする。親近感を覚えるフォントからは「とりあえず一度試してみてください」といった腰の低さが垣間見れる。うん、試してみます。

甘さと塩気のぶつかり合い(食後感)

さっそく食べてみよう。意外に重量感のあるシュークリームは塩気と甘気(?)が見事なコラボレート。コーヒー必須。本来、甘さ控えめ、という意味で塩スイーツブームが始まったとしたら、これはそのブームを跳ね飛ばすほどの甘み。もはや甘さと塩気がぶつかり合っていると言っても過言ではない、いい意味で。毎日食べたいとは思わないが、時折無性に食べたくなるタイプのスイーツであろう。

DATA
値段:126円
製造元:(株)デリカシェフ
ブランド名:ORIGINAL SWEETS
カロリー:237Kcal
Na:130mg


総評


塩度 ★★★★☆
糖度 ★★★★☆
珈琲度 ★★★★☆
流行度 ★★★★☆

※表のみかた
塩度、糖度はそのまま甘さ、塩気の度合いを表す。珈琲度は、塩スイーツのお供、珈琲がどれだけ進むかを表したもの。おつまみにおける「酒が進む度」と考えてもらえば分かりやすい。流行度はどれだけ流行に流されているかを表すもので、★が多いほど流行に流されている雰囲気を感じたもの。(今回は★が多いからうまいということではない)


珈琲度 星4つ (珈琲必須!)

 

塩ショコラプリン

写真、ベージュのクリームが“塩キャラメル”

塩スイーツ2 
塩ショコラプリン(ローソン代表)

さすが八方美人のローソンさん! (食べる前の印象)

続いてはローソンで見つけた商品。いわゆるオリジナルブランドではないものの、ローソン限定販売らしいので、ローソンを代表する塩スイーツとさせていただいた。

ローソンは、地域によって「ナチュラルローソン」と、通常のローソンと、「ローソンストア100」とを使い分けるしたたかな、八方美人なコンビニである。そんなローソンの性格は、今回の場合、いかにも高級感を演出しましたよ、というパッケージと、120円という安めの価格設定の妙に出ている。ローソンのクオリティを感じた瞬間だ。

なるほどこれは大人の味だね(食後感)

はっきり書いてしまえば塩気は感じない。甘さ控えめのチョコプリンというのが最もしっくり来る立ち居地。それもそのはず。原材料には食塩の文字はなく、最後のほうに控えめに『岩塩』と記されている。なるほど、塩は塩でも岩塩か。こりゃおしゃれなスイーツだ。コンビニもなかなかやりますな。

DATA
値段:120円
製造元:共同乳業(株)
ブランド名:特になし(ローソンオリジナル)
カロリー:不明
Na:不明


総評


塩度 ★☆☆☆☆
糖度 ★★☆☆☆
珈琲度 ★★☆☆☆
流行度 ★★☆☆☆

塩という文字は1サイズ大きなフォントと、若干塩を強調してはいるものの、そこまでブームに乗っかっている感は薄い。上品な乗っかりかた。


珈琲度 星2つ (珈琲なくても大丈夫)

塩キャラメルモンブラン

上にかかっているキャラメルソースがしょっぱい。あとは甘い。

塩スイーツ3 
塩キャラメルモンブラン(am/pm代表)

最も流行に敏感なエーピーさん (食べる前の印象)

am/pm(エーピー)は社内で言えばオシャレさんである。床もなんだか赤と白のしましまだし。人より先にブームを取り入れないと気がすまない。そんなエーピーさんはやっぱり塩を大胆にフィーチャーした商品を作っていました。いかにもエーピーっぽい、気合の入ったレイアウト。しかし、コンビニの袋に入れてしまった途端、うまく持たないと内容物がゆがんでしまう、という儚さを持っている。家に持ち帰る間に形が崩れてなければいいのだが。

コンセプトを決めたらブレない。それがam/pm(食後感)

上にかかっているキャラメルがかなりしょっぱい。逆に言えば、このソースが塩スイーツであるか否かの大事な役目を担っている。これがないと、ただの生クリームとババロアの固まりである。大事なんだな、キャラメルソース。なかなかボリュームありますな。コーヒーもかなり進みます。

エーピーのもう1つの側面。それはこだわりやさんである。『おこめサンド』を売ると決めたら一貫して売り続ける。流行に敏感であると同時に、そういうこだわりも感じさせてくれる。そこがオシャレさんコンビニの持ち味なのだが、そうやって塩スイーツ=とにかくしょっぱいソースをかけてみよう。というコンセプトを明確に打ち出すのがam/pmの商品の特徴だ。ブログや日記を書きやすいお店、とも言えるだろう。

DATA
値段:250円
製造元:(株)プリンスPH
ブランド名:濃厚 冬のスイーツ
カロリー:374Kcal
Na:128mg 


総評


塩度 ★★★★☆
糖度 ★★★★★
珈琲度 ★★★★★
流行度 ★★★★☆

何気ない包装を装っているが、商品名がかなりインプットされるデザインとなっている。なるほど、塩か、と思わせてくれるのはやはりam/pmのクオリティだ。


珈琲度 星5つ (がぶ飲みしちゃうよ)

 

塩キャラメルシュー

上にかかっているのが全体的に塩キャラメル。手、ベタベタ。

塩スイーツ4 
塩キャラメルシュー(スリーエフ代表)

はやってるんですか? 前からやってましたけど的な(食べる前の印象)

虎視眈々とメジャーの座を狙う関東地区ではちょいと馴染みのコンビニ。それがスリーエフ。インパクトはないものの、確実に店舗網を増やしている気になる存在である。

あまりブームにうかれたチャラチャラ感は感じない。なんだかブームになるずっと前から商品として置かれていたような、そんな安定感を感じさせるパッケージである。さすが、地味ながら侮れないコンビニ、スリーエフ。

塩気たっぷり。これはもはやスイーツではないのでは?(食後感)

しょっぱい。文字通りの意味で、スイーツとは言えないんじゃないか。甘みを塩気が圧倒している。しょっぱいシュークリーム。これは間違いなく塩キャラメルシューという名に恥じない味だ。しかし、ここまで塩気が強いとコーヒーは逆に必要ないもんですね。気にいった!!

DATA
値段:150円
製造元:(株)プレシア
ブランド名:特になし
カロリー:238kcl
Na:93mg


総評


塩度 ★★★★★
糖度 ★★☆☆☆
珈琲度 ★★★☆☆
流行度 ★☆☆☆☆

初の塩度満点。お近くにスリーエフがありましたら、ぜひ試してみてください。どこかの偉いシェフが、『塩スイーツってそういうことじゃないんだよ』と言ってきそうだが、そういう型にハマッているウンヌンは置いておいて、これはこれで美味しいと思わせてくれた。


珈琲度 星3つ (コーヒーあればなおよし)

 

黒い包装。竹炭が入っているらしい。

取り出してもやっぱり黒い。クリームとの白と黒のコントラストがオセロ的。

塩スイーツおまけ 
ブラックエクレア(ファミリーマート代表)

黒いエクレア。無骨な魅力(食べる前の印象)

さて、これはおまけ。ファミリーマートでは、『塩』と表記された
デザートはなかった。しかし、ファミマでは今、黒の魅力フェアというフェアをやっていて(こんな感じ)、これらの中のスイーツは原材料に食塩を使用しているものが多い。そこで、これらも広義の塩スイーツと扱ってもいいかもしれないと思って、ここに並べさせていただいた。

エクレアと言えば優しい印象のあるスイーツであるが、そこにかぶさるブラックの文字は、只者ではない感じを漂わせてはいる。

普通のエクレアに飽きたらときおり試したい(食後感)

なるほど。これは普通のエクレアに飽きた人に食べてもらいたい。普通のエクレアと比べると、若干生地がしっかりしている感覚。そして、比較的甘さ控えめ。ただ、やっぱりここに並べると、塩スイーツという感じはしないので、今度はファミマさんも塩スイーツを出してほしい。

DATA
値段:120円
製造元:ヨネザワ製菓(株)
ブランド名:黒の魅力
カロリー:162Kcal
Na:82mg


総評


塩度 ★★☆☆☆
糖度 ★★★☆☆
珈琲度 ★★★★☆
流行度 ★☆☆☆☆

固めの生地がコーヒーに合います。ファミマは黒の魅力フェアに代表されるように商品を横断したイベントを時々やるんですが、こういうの僕は好きです。共通のキーワード(黒いものとか)を作って思い思いに製作してセットで販売するという手法は雑誌の特集的な手法ですよね。


珈琲度 星4つ (ぜひブラックで)

岩塩入りのスイーツ(ローソンの塩ショコラプリン)

コンビニはいかにブームを取り込むか、というポイント

今回書きたかったテーマは、塩スイーツそのものへの興味と言うより、コンビニがいかにブームになっている事象を取り込むか、という点である。

塩スイーツは、どこかの天才パティシエが発明したのだと思う。その人はきっと天才だから、塩をスイーツに使う、という難しいことに挑戦してもおいしく調理することができたに違いない。

それがまずは好奇心旺盛なお店に広がって話題になり、ブームになったところでコンビニの登場である。ここでコンビニがしなければいけないことは、この『塩スイーツ』という荒唐無稽のブームをうまく大量生産のレールの上に乗せる作業である。そもそもコンビニは洋菓子作りのプロではない。だから、ブームの上澄みをうまくコピーし、それっぽくして商品化する、という商売人センスが必要となる。

このあたりの作業はつまり、専門家としての仕事ではなく、編集的な作業であり、だからこそ、重厚な作家ではなく軽薄なライター稼業を営む僕は、コンビニにある種の親近感を覚えるのだと思う。

みんなが天才パティシエになれるとは限らない。だけど、コンビニ商品の開発者には凡人でも努力すればなれる。そして、そのことのほうがよっぽど誇らしいことなのかもしれないぜ、といばる凡人の僕だ。


 
 
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