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ひらめきの月曜日
 
煮詰まったらどうなる
小樽にて、レトロにがんばる建物
これは正真正銘レトロな建物・金融資料館。
もと日本銀行小樽支店だそうです。


小樽はかつて明治後期から昭和初期にかけては「北のウォール街」と呼ばれるほど発展した街だったそうで、現在もその名残りとして、古い建物がたくさん残っています。

そんなレトロな建物を、雰囲気をいかして観光地にしたり、オシャレな飲食店として再利用したり…というのは、他の観光地でもよくありますね。

そういった建物は観光で来た時に見てもらうとして、今回は観光以外で使われているレトロな建物を探してみました。

また後半は、レトロな町の景観を維持すべく奮闘している建物を紹介します。

(text by 加藤 和美



 

■小樽はむかし「北のウォール街」だった

まずは見た目にも立派な石造りの建物から。 ほとんどが、小樽市指定の歴史的建造物に指定されています(そうでない建物もあります)。

建てられたのはほとんど明治〜昭和初期で、今から見ると規模が小さいながら、外観の意匠や使われている素材も「ほんもの」で、現在ではなかなか再現できないレトロな雰囲気を持っています。


ここで紹介するのは、普通のオフィスや店舗として使われている建物です。

歴史的建造物に通って、ふだん仕事をするのってどんな気分なんだろう…と思うと、ちょっとうらやましいですが、うっかりして建物を汚したり傷つけたりやしないかと、日常生活に緊張感があって、油断ならない感じもします。


もともとは銀行で、現在は紙業の会社が入っています。
同じく元銀行で、現在はファッション関係の会社のビルです。

こちらも元銀行で、現在はレストランとしてオープンしたばかりで、なんと和食のお店。和食に見えない…。
昭和初期は会社のビルとして使われていた西洋風の建物ですが、現在は中華レストランが入っています。

歴史的建造物ではないものの、こちらも元銀行。現在の用途は不明ですが、裏が駐車場として使われていました。

 

■港町らしく、倉庫も

石造りの建物の次は、倉庫群です。
小樽の有名な運河と海のあいだには、両側に倉庫がズラリと並んでいる通りがあります。

倉庫は主に飲食店としてオシャレに活用されているのですが、歩いてみるとそうでもない利用法もありまして、何件かはごくごく普通のパーキングとして使われていました。

確かに広くて屋根があるので、特に冬の北海道では、屋外パーキングより便利かとは思いますが…パーキングにオシャレさは必要ないので、むかしの倉庫をパーキングにするとは、なんともゼイタクな使い方と言えるかもしれません。


並ぶクラシカルな倉庫…と思いきや、現在はパーキングです。
こちらの倉庫もパーキングとして普通に使われていました。

またそれとは別に、倉庫をそのままカラオケとして利用しているお店も発見しました。

「もと倉庫=オシャレ」という構図を無視して、ただ看板をつけたカラオケボックスです。
もうちょっと工夫したらすごくかっこいいカラオケボックスになりそうなのに…と思いつつ、これはこれで面白いですが。


もと倉庫というオシャレなロケーションを、あんまりいかしていないカラオケ屋さん。

 

■その他の、歴史ありそうな建物

石造り、倉庫以外にも、木造や倉など、古そうな建物を利用しているお店等を発見。

やはり古い建物は「飲食店」「お土産物屋」として使っているのが多いのですが、ごく普通に、見た目は関係ない商売に使っているのって、かえってかっこ良さを感じますね。


昔風の木造の建物がオフィスになっていました。こんなオフィス通ってみたい。
倉を利用した歯医者さん。かわいらしい。

倉と隣接していて、昔情緒たっぷりなタオル専門店。
この商店、市の歴史的建造物なのですが売り家でした。ほしい人は今がチャンス!?

 

■景観に関する条例

小樽駅前周辺の観光地をウロウロして気づいたことがありました。
むかしからある建物以外に、ごく最近建てられたものでも、「石造り風」で統一されているように見えます。


ここまで統一されているのはどうしてだろう。

と思い、小樽市に尋ねたところ、やはり一帯が「特別景観形成地区」として指定されていて、建築基準があり、建物を建てるときは景観を損なわないように市が指導したり、助成しているとのことでした。


湾岸部のほとんどが特別景観形成地区に指定されています。
景観形成地区に建てる建物は、細かい意匠や、色合いも指定されています。

そういう目で見ると、信号もどことなくオシャレなような。
バス停もオシャレしているのでしょうかランプが2つついていました。

 

■がんばっている建物たち

いただいた資料を見てみると、目標とする建物の写真つきで細かな指示が書いてありました。
建物の高さはもちろん、窓や細部のデザインをそろえて、使用する色にも指定があります。


特に、小樽駅前から石狩湾を望む「中央通り」は指導が徹底しているとのこと。
駅から小樽運河まで、中央通りの建物を見回しながら坂をくだってみました。

すると、どの建物もたしかに「石造り風な色・外観」でした。
しかも窓や柱、外壁などに何かしらのデザイン性が見えます。
普通のお店も、オフィスも、民家もすべて統一した雰囲気になっていました。


意識して見てみると、並んでいる建物が一様に「がんばり」を見せている通り、というのもなかなか壮観です。

中央通りの建物全部を紹介したいくらいなのですがキリがないので、中でも本来の建物の用途はさておき、「レトロな雰囲気」を出すべくがんばりを見せている建物を中心に紹介します。


外見は西洋的だけど、中は焼肉屋さんとお寿司屋さん。
「カドのタバコ屋」も、外観のカラーリングはちゃんと指定カラー。

ガソリンスタンドの柱が、よく見ると石柱風になっています。
商店街のアーケードも、やはり。

介護の会社ですが、窓枠に工夫が見受けられます。
こぢんまりとしたラーメン屋さんだって、石造り風にこだわってます!

全国どこでも似たようなコンビニもおしゃれに。上は雑居ビルですがかわいらしいですね。
外壁に合わせて色を塗られた自動販売機。でもちょっと派手かな…惜しい。

 

■本来派手なアミューズメント系も

どこの町でも、アミューズメント系のお店はハデハデなものが多いのですが、中央通りに面した店舗はさすがに抑え気味でした。

まずはカラオケ店。
こちらのお店、北海道では派手なお店で有名なのですが、中央通りにあったお店は比較するとかなりシック。
色合いも茶と緑と指定の範囲内。
それを利用して(?)ゴシックホラーっぽく仕上げていたのがさすが。


石造りと雰囲気が一致?ちょっとホラーっぽさを出したカラオケ屋さん。
このカラオケ屋さん、倉庫(?)まで石造り風でした。

また、中央通りにはパチンコ屋さんも数店舗ありました。
パチンコ屋さんといえば、派手なで大きなネオンの看板がつきものですが、やはりこちらのお店には無し。
外壁も落ち着いたトーンで、ちょっとした百貨店のようでもあります。

夜に行ってみると、ネオン看板がないのでギラギラした派手さがありません。
パチンコ屋さんとは思えないシックさです。


駅近くの大きなパチンコ屋さん。他の町に比べて、看板はかなりひかえめ。
夜でもネオンなどはありません。

同じくパチンコ屋さん。色合いも茶と緑という指定内です。
夜のライティングは、上品ですらあります。

夜の中央通りを見下ろすと、他の通りに比べてネオンなどは少なめでシックな景色となっております。

 

 

■冬の小樽もいいですよ

このように、景観を損ねないよう、建物に非常に気をつけている小樽。

とはいえ、若干、派手なノボリや看板があったのが惜しいところです。
そのあたりも今後ぜひ注意してもらえると、もっと渋くてレトロな町並みになるかと思うのですが…。

とまあ、惜しいところはあるものの、やはり小樽は時代を感じさせる、情緒あふれる町でした。
小樽にお立ち寄りの際は、お寿司とガラス細工と運河以外にも、町並み全体を見まわしていただければ、と思う次第です。

最後はお約束的に、夜の運河で。

 


 
 
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