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ひらめきの月曜日
 
『ベジスイーツ』がはやっているらしい
これはトマトのショートケーキ


今年あたりから『ベジスイーツ』と言う言葉が聞かれるようになってきている。ベジとはベジタブル、つまり野菜をふんだんに使ったスイーツ、という意味だ。

ベジスイーツが一部ではやっている、と当サイトの企画会議で発言したら首を傾げられてしまったので参考になりそうな記事をとりあえずリンクしておく。

asahi.com ベジ・スイーツを甘く見るな! (2007/7/6)
流通業界ニュース ベジスイーツが人気(日経MJより転載) (2007/5/29)

首を傾げるのもうなずける。そもそもベジスイーツが野菜を使った洋風デザート、という定義であれば、カボチャやサツマイモを使ったデザートは昔から存在したからである。従来のパンプキンパイやスイートポテトとベジスイーツは何が違うのか。その辺のとこをブームの仕掛けとなったお店に行って調べてきましたよ。

(text by 梅田カズヒコ



中目黒の目黒銀座商店街のパティスリー・ポタジエ。
混んでる。(取材日は平日です)

ベジスイーツ火付け役のお店へ

ベジスイーツのことを調べると、必ず東京にある一軒のケーキ屋さんにたどり着く。中目黒のパティスリー・ポタジエというお店だ。このお店はベジスイーツ専門店である。野菜を使ったスイーツしかない。

さっそく『ポタジエ』に行ってみることにした。取材日は平日のお昼だったがけっこうたくさんの人が集まっている。町のケーキ屋さんとしては、ずいぶんな賑わい具合だ。中目黒の少し奥まった場所にあるので近所の人ばかりでこれほどにぎわうとは思えない。遠方からわざわざ訪れる人が居るのだろう。

店内に入って列に並んでみる。お客さんはあちらこちらで、「わぁ」とか「焼きたてだわ!」とか感嘆の声を上げている。どうもケーキそのものも含め、このお店で列に並ぶことがひとつの楽しみになっている、という様子だ。『クリスピー・クリーム・ドーナツ』のときの人と同じ楽しみ方だ。

自分で記事にしておいてなんだが、ベジスイーツの魅力がこの時点ではいまいちよく分からなかった。どうしてこんなに夢中になるんだろう。

これがくだんのベジ・スイーツ。見た目は普通のケーキだ。

長い長い列を終え、ようやくベジスイーツが僕の目の前に現れた。見た目は普通のケーキだ。ビジュアルからは、さして新しい発見はなかった。ベジスイーツと言うからには、砂糖漬けされた春菊、チョココーティングされたブロッコリーとか、わけの分からないものがあるかもしれない、と少し期待したのに。

本当は店内で食べたかったのだが、客席が埋まっていて、持ち帰ることになった。気になるものを4つ買ったのでひとつずつレビューしていきたい。

ベジロール・カボチャ (346円)

 

甘さ控えめのかぼちゃロール
まずは比較的味が想像しやすいベジロール・カボチャを食べてみることにした。ロールケーキだが、何と言っても目を引くのは丸々入っているカボチャ。食べてみてビックリしたのは、それほど甘くないことだ。確かにカボチャは『甘い野菜』のひとつであるから甘いのだが、カボチャ本来の甘みを少しだけ足した程度の、極めて薄い甘さだ。中を切てみると、ロールケーキにくるまれていたクリームも、かぼちゃのクリームがふんだんに使われていた。

言葉を勝手に作るとすれば微甘(びあま)といったところか。


微甘なカボチャベジロール。ベジスイーツが何を指すのかわかってきたかも。

ベジスイーツって?

・とにかくあまり甘くない味付けのものを言うようだ。

 

カプレーゼ (420円)

 

ベジスイーツはスイーツでもなく、もちろんベジタブルでもない

さて、このあたりからベジスイーツは加速します。まずはカプレーゼ。周囲を覆っているのはご存知トマト。真ん中にはなにやらしかけがありそうな若草色のムース。トマトの海に浮かぶ緑の小島。

さて、真ん中の緑色のムースの正体は『オリーブオイルゼリー』だそうです。甘くないんだ、両方とも。僕はよく分かりませんが、フランス料理屋とかに行くと甘くないゼリー状の前菜が出てきたりしますが、そんな感じの不思議な味。甘くないのに食べれます。



ムース状のオリーブソースの下にはバジルやチーズを混ぜたムースやトマトのムースなんかが入っている。


ベジスイーツって?

・一種の創作料理と言えるかもしれない。
・おなかにもたれないので何個でも食べられそう。
・結局、スイーツでもないし、無論おかずでもない。まったく新しいものと考えたほうがよさそうだ。

 

ゴボーショコラ (420円)

 

二つの味のわずかな共通点を探るのがベジスイーツ

さて、続いてはすでにお気づきかもしれませんがガトーショコラのパロディ的な作品、ゴボーショコラ。通常、ケーキ屋でごぼう入りのガトーショコラが出てくればお店に抗議の電話でもいれたくなるが、この場合ゴボウが、味の薄いガトーショコラの代わりに個性を発揮する。

ちょっと思い浮かべてほしい。ガトーショコラを。甘美だが、少しの苦味もまたはずせないポイントだろう。その苦味をゴボウがぐっと引き出してくれる。まさかゴボウがケーキの上に乗っかる日が来るとは思わなかった。
これは実際にお店でも売れているメニューのひとつ。


ガトーショコラと思いつつ、なんだか不思議なものが練りこまれている


ゴボウだ!


ベジスイーツって?

・トマトやカボチャだけでなく、ゴボウだってケーキの中に入れてしまう。

 

赤パプリカムース (450円)

 

概念を打ち砕くスイーツ

最後は赤パプリカのムースである。もう何を食べても驚かない。そう思ってみたものの、一口食べるとその味に驚いている自分が居た。上下ニ層は赤色のオレンジと赤パプリカ。赤パプリカのやや苦めの食感がベジスイーツマジックにかかってしまうと苦みから魅力に変わってしまうから不思議だ。

子供は物足りないが、大人なら満足する味であろう。そうか、ベジスイーツって大人が食べるスイーツかもしれない。


うーん、これがパプリカをムースにした味かぁ。

ベジスイーツって?

・野菜の苦味がうまみに変身。大人のスイーツがこれかもしれない。

うまいよ、ベジスイーツ。

ベジスイーツはスイーツ進化論

ベジスイーツという言葉を聞いたとき、もっとブームっぽいチャラチャラした、ただ野菜とスイーツを掛け合わしただけのもの。そう思っていた。

しかしそれは間違いだと分かった。ベジスイーツは単なる合わせ業ではなく、今までのスイーツ全体を否定しかねない、わりと挑戦的なものだと思った。表向きはブームに浮かれたお店、と紹介されるかもしれないが。

そして、流行の兆しがあるのに、ベジスイーツのお店があまりないのも分かった。つまり、まねしようにもなかなか作るのが難しくて、メニューを考ええるのが大変のだと思う。

ケーキを4つ一気に食べたけど、いやになったりとか、胃にもたれたりなどもなかった。それも驚き。

本文と一切関係ないですが上の写真の帽子は当サイトライターの住さんにもらいました。


 
 
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