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ロマンの木曜日
 
絶対に負けない方法

CDショップのポップには力がある。「待望のヘビーチューン、遂にリリース!」みたいなアレだ。きっと書いてる店員さんの情感がこもっているからだろう。買うつもりじゃなかったCDでも、あのレコメンドを読むとついつい欲しくなってしまう。

そんなCDショップのポップに習って、スーパーで売られている商品をレコメンドしてみたいと思った。きゅうりとかネギとかしらたきとか。思わず手に取ってしまうようなレコメンド・ポップを添えてあげたい。

(text by 住 正徳



CDショップのポップを研究する

まずはお手本の研究だ。渋谷のタワーレコードでレコメンド・ポップを見て回った。ほとんどのポップが手描きで、それぞれ、描いた人のソウル?みたいなものが伝わってくる。同じく渋谷の大型CDショップ、HMVのポップはほとんどが出力であった。それはそれで情報が整理されている感じがして安心感を覚える。どちらのポップも素晴らしいが、今回はタワレコの手描きポップをお手本にしたいと思う。ソウル?を手描きで込めたいのだ。

お手本とするタワレコのポップをいくつか抜粋しよう。


力強い書体で骨太に

逆にポップな書体で優しく

「聴け!」と時には兄貴キャラで

「珠玉」という賛辞とともに

最上級の褒め言葉で

いずれのポップも熱いソウル?で埋め尽くされている。描いている人が本当に好きでないと、こんな風には描けないだろう。是非、見習いたい。

更に、その他、かなりの数のポップを研究した結果、タワレコの店員さんたちが好んで使っている語句が分かった。

「超!オススメ!」「渾身の超大作」「最高傑作とも言える」「新メンバーを迎えて」「ドリーミー」「ヘヴィグルーヴ」「透明感のある」「待望の」

などである。

それら、独特の言葉遣いを参考に、早速、スーパーの商品用にポップを作成していく。



熱いポップを作ろう

以前、当サイトの企画「100本ポップ」でポップ作りは体験している。僕を含む5人のライターが、それぞれ自分のオススメ本のポップを描き、実際に書店に置いてその売り上げを競う、という素晴らしい企画であった。僕は20個のポップを作るのに3時間くらいかかってしまった。下手な絵を無理して描いたりしたからだ。

今回は絵に挑戦するのはやめて、ソウル?を文字に込めたいと思う。


ポップの材料

熱い思いを画用紙にぶつける

絵に手を出さなかった分、前回よりは1枚を描き上げる時間が縮まった。しかし、決してやっつけではない。CDショップの店員になりきって、スーパーの商品をレコメンドしたつもりだ。

描き上げたポップは全部で7枚。出来立てほやほやのポップを持って、スーパーに乗り込む。



実際に置いてみよう

ポップを描く前に、事前にスーパーの店内を視察していた。自分が本気で好きなものは何か。自問自答しながら、ポップを添える商品のアタリをつけていたのだ。

一旦事務所に戻り、ポップを描き上がるまでにポップを描き上がるまでに1時間くらい。その後、ちょっと一休みしたり、夕ご飯を食べたりしていたら、スーパーの閉店時間が近づいてしまった。

あわててポップを持ってスーパーに向かう。


閉店間際のスーパーにて

早速商品棚に僕の手描きポップを置いていこう。

まずは、アスパラガスからだ。事前調査の段階では棚に溢れていたのに、戻ってみるとあと1束を残すのみとなっていた。危ないところである。せっかく描いたポップが無駄になるところであった。


アスパラガスのポップ

文字が読みづらいと思うので、以下、文言を掲載させていただく。

「オーストラリアが満を持して世に送り出す!
 ア☆ス☆パ☆ラ

アスバラガスの新作がオーストラリアから届いた。ファン待望の本作はグリーン。ホワイトとは違った趣がGooood!そしてエモーショナル。進化を遂げたア☆ス☆パ☆ラにマヨネーズをつけて召し上がれ。超アッパーチューン。1束198円」

もう、コレを見た主婦はアスバラガスを買わずにはいられない、はずだ。
つづいて、長ネギである。


長ネギのポップ

「茨城県産NAGANEGI

本日限りでNAGANEGIが1本68円だ。2本まとめて買うと109円というお得感もキュート!カルシウム、カロテンが豊富。期待出来る内容だ。1本だけでもいいけど、ファンだったらやっぱり2本。薬味に使えば超ドリーミー。」

思わず長ネギをローマ字表記にしてしまったので、分かりやすいよう、長ネギの写真をあしらってみた。

次はしらたきだ。


しらたきのポップ

「しらたき
 極上の空気感、ダイナミックかつ繊細

この冬、もう「しらたき」は食べましたか? まだだったらすぐに買っちゃおう!本能むき出しの新作は最強にピースフル。しかも!生芋粉を使用しているから、超オススメ!透明感のある「しらたきワールド」に浸ってエロティックな夜を。月・火・水のサービス品だよ。158円」

この記事が公開される木曜日は、残念ながらサービス品の対象から外れてしまう。しかしながら、透明感のある「しらたきワールド」は変わらない。

次は、きゅうりをレコメンドしよう。


きゅうりのポップ

「極太!! きゅうり

宮崎発、「きゅうり」が1年ぶりにリリースされましたー。ロングセラーの前作に増して、もうこれは最高にフリーキー。ビタミンCとカリウムが豊富!和え物、酢の物などに使えて、もうエロティック。68円!」

エロティック、という表現が続いてしまったが、実際にタワレコのレコメンにもあった言葉なので仕方ない。

続いて、おでんセットのレコメンドである。


おでんのポップ

「おでん

がんも(Ga.)×きんちゃく(Kin.)×ちくわ(Ch.)×はんぺん(Ha.)。奇跡のメンバーが集まった「おでん」の新作。今回から新メンバーに「昆布」が加わって、まさに渾身の一皿。ミニマルな編成ながら深みのある「おでん」の世界。超ロマンティック。」

がんも、きんちゃく、ちくわ、はんぺん、の後の括弧はそれぞれの頭文字である。ヴォーカルを(Vo.)と省略するのと同じ要領だ。


ごはんですよのポップ

「もうこれは定番中の定番アイテム
 ごはんですよ

1缶は持っていたい、ごはんですよがお買い得ですよ。名門レーベル、桃屋が自信を持って世に放つ、ヘビーグルーブな一品だ。ごはんにつけて食べてもよし、コアなファンはそのままペロリ。プリミティブな食感に涙しろ。278円」

「ごはんですよ」を今更レコメンドするのもどうかと思うが、時には定番物にも熱いソウル?を込めるのだ。

そして、最後のレコメンド商品は上白糖である。


上白糖のポップ

「スウィートの原点がここにある!
 上白糖

昨今のスウィートブームの仕掛人、と言っても過言ではない上白糖。時代に流されない、そのこだわりがかっちょいいです。水に混ぜて飲めば、珠玉のエモーショナル・スウィートを味わえるぞ。198円とお買い得だから、もうマスト・バイだぜ。」



今回は前回の「100本ポップ」の時のように、お店側の協力を仰いでいない。そっと陳列棚に貼り付けて写真を撮り、店員さんに見つからないように急いで剥がした。僕としては商品に熱いソウル?を込めた訳で、お店の売り上げアップに貢献する自信もある。でも、勝手にそんな事をしてはいけないのだ。ありがた迷惑、という言葉が日本にはある。

品出しに忙しい店員さん



 
 
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