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ひらめきの月曜日
 
鉄道模型のジオラマがドーンとある銭湯
銭湯 meets 鉄っちゃん。

 東京と千葉の都県境にあるJR総武線の小岩駅近辺をブラブラと散策していたところ、ちょっと変わった一軒の銭湯に出会った。

その銭湯の名は「ともの湯」。

「もしも銭湯の店主が鉄道マニアだったら」という往年のドリフコントのようなシチュエーションが、ここ小岩に現実として存在していたのだ。

(text by 玉置 豊

キャッチコピーがおかしい

小岩駅の南口を出て、昭和通り商店街というその名の通り昭和っぽい通りの商店街をずーっといったところにその銭湯はある。

ぱっと見た感じは、まあ下町によくある普通の銭湯っぽいのだが、壁に書かれたキャッチコピーがおかしいのだ。


友の湯正面。キャッチコピーの三行目が唐突すぎる。

8つのお風呂と軟水で
温泉気分

ここまでは普通である。誰しもが「あ、いろいろな種類のお風呂があって、水の質にもこだわっている銭湯なんだな。」と感心するだろう。なかなかよさそうな銭湯だねえと。で、唐突な3行目。

鉄道パノラマホール

銭湯ほったらかしの急展開。ジェネレーターで作った文章より唐突である。結局ここは何屋なんだよと突っ込まないではいられない見事なキャッチコピーである。

 

いきなり動き出す汽車ポッポ

勇気を出して店の前まできて、外側から中の様子を伺っていると、「ゆ」と書かれた味のある暖簾の前をオモチャの汽車が急に走り出した。見事なカウンターパンチである。


電光掲示板の前に停止していた汽車のオモチャが、 唐突に走り出す。焦る。

 

勇気を出して入店

察するにこの店、鉄道ファン向けの銭湯のようである。取材にきていていまさらなのだが、私は鉄道関係に全然詳しくない。時刻表とか読めない。モハとかいわれてもピンとこない。モハといったらメドだろうと思ってしまうタイプだ。

トロッコや終電が好きな萩原さんとか、「鉄子の部屋」という鉄道本を出した元デイリーライターの神田ぱんさんとかに取材に来てもらえばよかっただろうか。いや、でもここは銭湯。私だって銭湯は好きなので入店してやる。


なんか狭いな。

銭湯のロビースペースがなんだか狭い。左側の半分以上がなにかに占領されている。なにかなーと思って覗いてみると、これがでっかい鉄道模型のジオラマなのだ。


入り口側から。ロビーの半分以上を占める模型鉄道ジオラマ。 奥側から。どっちにも熊のぬいぐるみがいるのがちょっと気になる。

入り口脇にある牛乳瓶の入ったケース、番台横の石鹸やシャンプーなどを見て、どうにかここが銭湯であるということを心にとめることができるのだが、明らかに「本気」のジオラマである。ここは鉄道博物館かと一瞬間違えそうになる(いいすぎ)。


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