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はっけんの水曜日
 
賞状鳥図鑑、11種
今年もヨロシク。賞状を取りに実家に行ってきました。

 ある日、仕事で賞状の中身を印刷するプログラムを作っていた。それでテスト印刷した賞状をじっくり見て印刷ズレなどをチェックしていたのだが、ふと気付いたのだ。

なんだ、この鳥。

 よく見たら微妙な表情をした鳥が二羽、賞状の上に鎮座ましましていた。その妙な表情に一目惚れしたので色んな賞状を見比べて賞状の鳥図鑑を作ってみた。

 

(text by 松本 圭司

左右対称に二羽いる。およそ同じ形だが、微妙にちがう。

■賞状鳥と呼びます

 賞状の上にいるから「賞状鳥(しょうじょうどり)」と呼ぶ。まんまなネーミングだ。大抵はクジャクのような、鳳凰のようなめでたいというか有り難い感じのデザインになっていて大変に格好良い。

 今回の記事では、自分や同居人の賞状を調べて11種類の賞状鳥を採取することが出来た。中にはとても面白い顔の賞状鳥もいた。

では、淡々と見ていこう。

 

■まずはオーソドックスなタイプ「白羽類二触覚標準型」から紹介


「白羽類二触覚標準型」と一般に呼ばれるタイプ

コレを標準の形とお考え下さい。

 最初は初心者用、もっともありふれた鳥だ。世に言う標準型である。目は半眼、眉があり首輪付き。足は2本を優雅にたなびかせ、翼は全体的に白い。全身が淡い色彩で統一されている点が標準タイプと呼ばれる所以である。亜種も多い。

・触覚は丸いのが2本。
・羽根は白。ワラビのような芯を持つ。
・目は半眼。福々しい印象。
・首輪にはクジャクの羽根のような飾り付き。
・足は2本がハッキリ見え、指は3本。
・口にはなにもくわえていない。

以上を踏まえて、次の鳥を見ていただきたい。

 

■白羽類二触覚亜種A型


どこが違うか判るだろうか。わかんねーだろうなぁ。

間違い探しの様な亜種。これが一目でわかれば一人前。

 標準型と比べると、このA型は足の下から出ている羽根の出っ張りが1本少ない。こんな些細な違いだが、これは立派に亜種である。

 他の部分についてはどんなに見比べても違いがわからないわけで、どうもここだけ違うのだがどういう意図で出っ張りを減らしたのかについてはよく判っていない。

 

■白羽類二触覚亜種B型

これはかなり違ってきている。模写をして細部を変えたような雰囲気だ。

B型は違いが多いのでA型よりも判りやすい。

 標準とA型の違いはやや難しかっただろうか。しかしこのB型は随分違うので判りやすいだろう。

 B型最大の特徴は、花をくわえている点。この事から、時としてフラメンコスタイルと呼ばれる事もある。

 更に、羽根の跳ね方や首に掛かる雲の形、首にはえる羽根の躍動感、更に足の重なり具合や指の形も違う。

 標準型を参考に、独自のタッチをくわえて進化したのがこのB型だと推測されるが、どちらが本当に先なのか?という問題については、正直判らない。研究はまだ始まったばかりなのだ。

 

■白羽類二触覚毛長鳥


二触覚亜種B型から派生したタイプの亜種。

毛は進化の証だが、書き込み方は古い世代を思わせる。

 花をくわえているという点でB型に近いが、全体的な書き込み方が漫画っぽく簡略化されている。特に、クルンと丸まった羽根の部分などをB型と比べると書き込みの少なさは顕著といえる。

 この事から、実は二触覚系統では古いグループに属する賞状鳥なのかも知れないという説もあるが、真相はまだ不明だ。

 書き込み方以外の大きな特徴は、名に入っているとおり体の下に生えた毛である。ウロコが羽毛に進化し、羽毛が毛に進化したという進化の流れから考えると、前述とは逆に二触覚系統の新しい世代と言えるかもしれない。

 書き込み具合か、それとも毛の進化か。この点についての論争は当分終わりそうにない。

 

■黒羽類平行四辺眼鳥


白羽類とは全然違う種類。

全体的に格好良い。男前の鳥と言える。

 これはもう完全な別種である。最大の特徴は名前の通りの黒い羽根だ。賞状鳥は大きく、白羽類、黒羽類、後述の劇画類の三種類に分類される。

 くっきりとした平行四辺形の目も大きな特徴と言える。ラインハルトを思わせる凛々しさである。もしくはベジータ。またはモテモテ王国のファー様。

 そして、口にくわえてもいないのに顔に突き立つまち針のようなアクセサリーも見逃せない。アクセサリーの右には標準型と同じ2本の触覚が生えている。これをしばしば3本と見間違える人もいるが、一番右は羽根が跳ねているだけなので注意されたい。

細かく見れば他にも色々特徴があるが、まとめるとおおよそ以下のようになるだろうか。

・黒い羽根。
・くっきりした平行四辺形の目。
・指が1本しかない足。
・まち針。
・2本の首輪。

「一緒に来いキルヒアイス。2人で宇宙を手に入れるんだ。」とか言い出しそうな目。もしくは、「頑張れカカロット…お前が1だ!」とか。

 

■黒羽類細目丸顔鳥


珍種中の珍種である。見つけた時は度肝を抜かれた。

珠算準3級という微妙な内容にふさわしい顔。

 黒い羽根、2本の首輪、足の形などはかなり平行四辺眼鳥に近いのだが、顔の雰囲気が全く違う。というか、南極と北極くらい遠い顔をしている。

 丸い顔から直角に生える細いくちばし。なんともいえない流れるような目。やっつけ仕事な触覚の生え方。すべて計算し尽くして書いたとしか思えない、プロの業である。

 この鳥が描かれているのが、「そろばん準3級」という、要するに3級を取れなかった人がもらう賞状だという点も素晴らしいと言える。負け犬に相応しい良い鳥である。

僕はこの鳥が一番好きだ。

「ぼ、ぼくはおにぎりが、だ、大好きなんだな」と、どうしたって頭の奥からわき上がってくるセリフ。

 

■黒羽類エロ目トゲトゲ鳥


こいつもなかなかに趣のあるいい顔をしている。

羽根の書き込み具合と比べて顔がちょいといい加減すぎやしないだろうか。

 前述の細目丸顔と同じ系統だが、あれは面白さで突き抜けていたが、こいつはエロさで突き抜けるという道を選んだようだ。このいやらしい目がなんとも言えない。

 くちばしの下に出ている下のような、鶏の口元のビロビロみたいなソレもワンポイントとして優秀といえよう。

 黒羽類の賞状鳥は白羽類に比べてフリーダムな形をしている場合が多く、面白い種類が多い。この事から、一般には黒羽類の人気が高いと言われている。

「武藤くん、そのブラウス素敵だね。彼氏からのプレゼント?あれ?昨日と同じかな〜??」と、セクハラ上等のエロ目課長。

 

■黒羽類細目トンガリ鳥


尖った顔とやや吊り上がった目が特徴。大陸の香りが漂う鳳凰。

全体的な書き込まれ型は劇画類の賞状鳥に通じるが、あくまで黒羽類。

 今回採集した黒羽類では最後に紹介するのがこの細目トンガリ鳥。尖った顔とくちばしがなんだか強そうであり、刺さりそうであり、格好良い。

 しかし、尖った風貌とは裏腹に性格は内向的で大人しく夜行性で草食性。とにかく人畜無害な賞状鳥だ。

温厚なので、コンビニのレジで釣り銭をぞんざいに渡されても怒ったりしない。あんまんを買ったのに間違えられて肉まんでも怒らずに食べる。草食なのに。

 

■劇画類標準型


よく書き込まれて黒く見えるが、おそらく実際にはそんなに黒くない。

要するに絵のタッチの問題です。

 白羽類、黒羽類に続いての第3の類。それが劇画類。特徴は名前の通り、執拗に書き込まれた絵のタッチである。お札の絵のように線が細く、緻密な陰影が表現されている。

 この書き込まれ方から、さぞかし権威のある機関が発行する重要な賞に対する物と思われがちだが、その実、この鳥を採取した賞状の題目は「努力賞」であった。しかも小学校の。

 鳥自体の特徴は白羽類二触覚亜種B型とかなり似ている。2本の触角、3本指の足、飾りの付いた首輪など。しかし、書き込まれ方が全然違うのでやはり見比べると全然違うのである。

 

■劇画類三触角鎧羽根鳥


丸くクルンとした触角が三本。ニョロニョロみたいで可愛い。

きっとウネウネ動くに違いな触角。

 次は珍しい三本触角の鳥である。その名も、「劇画類三触角鎧羽根鳥」。要するに、見たまんまの名前である。

 これまで紹介した賞状鳥と比べて、くわえている花の形がより花っぽいが、これは劇画類に属するからである。リアル=劇画。多分。

 羽根になにやら鎧のようなパーツが付いているが、これはおそらく生来のモノではなく首輪などと同じように後から装着されたものであろう。 

 煮込んだら良いコラーゲンが出てきそうな足の書き込まれ方も素晴らしい。劇画類の絵は細部の書き込みを観察するのが楽しい。玄人好みの類である。

 

■劇画類四触角流線鳥


今回見てきた鳥の中で一番鳥らしく、優雅な鳥。ポエー。

四本は正直多すぎだと思う。

 今回最後に紹介するのは、なんとも見事に優雅な「劇画類四触角流線鳥」だ。書かれ方は実は劇画類とも又違うのだが、これだけの為に類を新設するのもアレなので劇画類に突っ込んでしまった。

 このタッチは劇画というよりむしろ少女漫画に類するものと思われ、淡いモノローグ調のセリフが合うのかも知れない。

「先輩・・・・あたし、うれしかった・・・。先輩が、だって、ホラ、あん、あたしの事見ていてくれたって、その事を、知ったから・・・・。でも、悲しかった・・・・事も、ホラ、思い出すよね・・・。先輩の視線を、あたしは、独占したかったのかな?あハハ・・・」

なんか違うなって思ったけど、まぁいいか。

これで11種類。今回は以上です。最後まで読んでくれてありがとうございました。

 

■賞状の鳥は面白い

 以上、色々な賞状鳥を見てきたわけだけど、世の中にはもっと違う賞状鳥がいるんじゃないかと思っている。また珍しい賞状鳥を見つけたら紹介するかも知れない。

珍しい賞状鳥を見つけたらメールなどで送って下さいませ。

送り先はコチラ

賞状鳥の研究はまだ始まったばかりであり、この記事はそのプロローグに過ぎないのだ(たぶん)。

かなり普通の鳥もいた。普通類小鳥科小鳥。

 
 
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