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フェティッシュの火曜日
 
エイリアンごっこを自動化する


長袖の服に腕を通さずに着て、服の中で前に突き出した両腕を交互にバタバタさせる遊び、皆さんも学生の頃などに一度はしたことがあるだろう。「エイリアンごっこ」ともいうらしい。映画「エイリアン」で、幼生エイリアンが宿主たる人間の腹を食い破って今まさに出てこようとする瞬間、のような動きである。

あれを、自動化してみたい。

乙幡 啓子



新年ではありますが

上の説明でも何が何やら、という方のために、私が実演してみよう。雰囲気を出すため、ジャージを着てみた。体育の時間などに、順番待ちの無聊を慰めるためよくこれをやっていたことを思い出す。


ヒュッヒュッとテンポよく。
(画像をクリックすると動きます。)

松の内明け早々からこんなものを見せられる読者の方に心から同情するわけだが、さて、この動きを自動化するにはモーターの力を借りるのが手っ取り早いだろう。タミヤの製品に「ハイパワーギヤーボックス」という、いかにも力仕事をしてくれそうな工作キットがあったので、購入。と、さらっと書いたが・・・。

以前「ぷるぷるネズミ」でロボット工作の面白さを知ってからは、私も何か工夫して面白いロボットを作るぞと密かに闘志を燃やしていた。しかしタミヤの工作キットについては私は初心者。メカ知識も勘も鈍い。何を買ったらいいのか勝手がわからず、売り場の前でもんもんとすること1週間。その挙句にやっと購入したのだった。


さんざん迷いましたが「パワー」の文字に頼もしさを感じて。
ユニバーサルプレート、アームセットも一緒に。これあるとすごく便利。
魅惑の部品シリーズ・1「イモネジ」(真ん中のでっぱりネジを言う)
魅惑の部品シリーズ・2「スプリングピン」(つまんでいるほう。ギザギザのスキマがバネの役目を)
魅惑の部品シリーズ・3「ストッパーとプッシュピン」
プレートにパーツを固定する際、このように重ねて差し込むと簡単に着脱可能。面白くて何度も抜き差し。

すごいプロダクトを制作している錯覚

その錯覚とはどんなことかと言うと、「ユニバーサルプレートなど買ってさくさくとパーツを組み立てていけてるもんだから、製品化できるような品を考案している気に、うっかりなってしまうなあ」ということである。実際は「エイリアンごっこを自動化する」である。間違えないようにしたい。

ところですっかり説明し忘れていたが、今回はこの装置で「腕を交互に上下に振る」運動を実現させれば良し、ということにする。しかしだ。モーターは回転するものだ。回転を上記の「ぎったんばったん」とでもいうような動きに変換するには、さてどうしたらいいのか。


こうしたらいいらしい。
酔っ払いのお土産」からパーツ流用。

細かい説明は省くが、支点とテスト用アームとをしかるべき位置にしかるべく据えつけたら、とりあえずは「腕を交互に上下に振る」装置のプロトタイプのできあがりだ。文字通り、わくわくのドキドキでスイッチを入れる。


試作品1号「ポカスカさん」完成。

は、早い。これを取り付けたら私の体がもたないのではないだろうか。

ではこの白いアーム部分を、実際のサイズに拡大して試験を繰り返してみることにしよう。


 

 
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