今回は、長崎に実在する 謎のバーを紹介したい。
(text by T・斎藤)
夢っぽい光景
それは長崎は丸山という、かつて日本三大花街と言われた界隈から、通り一本離れたところにある。
通り一本離れただけなのに、そうとは思えないくらい 辺りは突然、人通りの少ない寂しげな道となる。
こんな感じの街灯も少ない暗い通り。 そこにポツリと・・・
テレビや映画だったら絶対、これは罠だ。
「おっ、こんなところにバーがあったよ。」 と、主人公がうっかり入っていこうとしたら 「たぶん罠だからやめとこうよ!」 と声をかけたくなるような唐突感。
宇宙人が一晩で作ったとか、翌朝には無くなってるとかそういう雰囲気すら漂う。怪しい。
ネオンの下には石段がある。
どきどきしながら登ると、そこは 民家の玄関のような佇まいになっていた。
がしかし、青白いネオンが煌々と灯っている以外、どこにもお店らしきメッセージ、「いらっしゃいませ」とか「営業中」といった類のものが見当たらない。
いやそれどころか、普通に表札がかかってるし。
店はここなのだろうか? い、いやネオンが灯ってるし間違いない…だろう。
どこかで何かのサインを見落としてないかと不安を抱きつつ、引き戸を開ける。こんばんはー。
続きは次ページにて。