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土曜ワイド工場
 
銅像と目を合わせたい


街中や公園にある銅像。その重厚な佇まいにもかかわらず、ともすれば風景にまぎれてしまい誰からの注目も浴びない存在になっていたりする。とくに、その表情をわざわざ正面から覗きこんで鑑賞するという人はあまりいないのではないだろうか。だが人間には、ふとそんなことをしてみたくなる瞬間がおとずれるものだ。少なくともぼくにはおとずれてしまった。
今回、銅像たちと目を合わせるべくいくつかの方法を試みた。その内容をここに発表することで、みなさんが急に目を合わせたくなった際の参考になればと思う。

(text by 櫻田 智也



●当初の目論みとして

じつはこの企画を思いついた当初、目を合わせたい対象は写真だった。街の中にあるポスターや大きな看板の中の人物と目を合わせられる絶好のポイントをさがすということをやろうと考えていた。しかしながら実際にそういったものをみてみると、目の合う写真とはどこからでも目が合うし、合わない人とはどうやっても無理なのである。


たとえばこの女性

上の写真の女性、視線からして斜め下に行けば目を合わせられそうな気がしたのだが、もちろん無理である。テレビにミニスカートの女性がうつったとして、なんとか中を覗こうとテレビに近寄って下から眺めてもパンツは見えっこない。そういうことである。

その一方で、目線をカメラに向けて撮影された写真は、どの角度からでもこっちをみているように感じる。つまり、こんなふうである。


菅野美穂と目を合わせたい

目は合っている
合っている
合っている
合っている

ラーメンを食べている最中にふと振り返っても、菅野美穂はじっと僕をみつめているのだ。読者の皆さんは、いやいや菅野美穂がみてるのは自分だから。と思うだろう。つまり、そういうことである。
看板が高い位置にあろうが倒れかけていようが、まず関係ない。これでは挑戦する意味がないので、ターゲットを立体の銅像にしぼることにした。

ところで、菅野美穂の看板の前で撮影をしていたら、よく行くそば屋のご主人が店先にでてぼくを眺めはじめた。たぶん出前にでるところだったのだが、顔見知りが道ばたに寝転がっていたので気になったらしい。正直かなり恥ずかしかったが、ここで動揺して隙をみせてはいけないと自分を戒めた。隙をつかれて話しかけられでもしたら、もっと困るのだ。

 

「櫻田さん、なにしてるんですか?」
「いやあ、看板の菅野美穂とあんまり目が合うもんで、写真に撮ってたんですよ」
「ああ、やっぱりそうでしたか。では、ごきげんよう」
「はい、ごきげんよう」

 

なるわけがない。

 

とにかく善良なご主人を変に困惑させてはいけない。慌てて起き上がったりして、なにか怪しいことをしていたのだと疑念を抱かせるのもよくない。
あくまで、「ぼくにとって看板の前で寝転がるっていうのはいたって普通の行為なわけだし、それはこれからもまったく変わらないわけだから」というスタンスをみせつける必要があると判断したぼくは、ご主人の熱い視線をひたすら無視しつづけたのだった。
看板とは目を合わせても知り合いとは目を合わせられない。業の深い企画である。


お願いだからはやく発車して


つい前置きが長くなってしまいましたが、それでは銅像たちと、目と目で通じ合いたいと思います。別に色っぽくはありませんが。


 

 
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