「私と○○」

　自分と何かを結びつけて自由に書け、なんていう設問もあったりする。

　どんな設問も自己PRにしなければならないということなのだろう。自分が注目する「何か」だけなら書けそうなものだが、「私と○○」と言う風に、「何か」を自分と結びつけないといけないのは難しい。

　特別自分と結びつく「何か」なんていうのはないが、あえて言えば、これか。

「私と○○」　○○に最近気になっている物事を入れて、それをテーマに自由に書いてください。（２００字）

　「私とハト」
駅前によくハトがいる。あのハトたちと仲良くするためにはどうしたらいいだろうか。よくエサをあげているおじさんを見かけることがあるが、あれはエサ目当てにハト達がやってきているだけで、真に仲良くなっているとは言えないだろう。私は思い切ってハトたちの群れの中へ歩いて入ってみた。意外にもハトたちは私を囲んだままで、どこかへ飛んで行ったりしなかったのである。私とハトが種族の壁を乗り越えた瞬間だ。（１９９字）

異文化コミュニケーションについて述べた。単なる利害関係によらない、真のコミュニケーションへの第一歩を踏み出す開拓精神を、お釈迦様には読み取ってほしい。

長所

聞かれると一番困るのが長所。あるのだろうか？なんて考えてしまうと、さっぱり書けない。きっと他の人も少し無理をして書いているのだと思う。

無理せずに書いたらどうなるだろうか。

あなたの長所について書いてください。（２００字）

私の長所はルールを守ることだ。もしお昼にお金を下ろそうとしたときに、長い長い行列ができていてもちゃんと並んで待つ。行列がくねくねしていても並んで待つ。また、信号も青になってから渡る。道路の遠くの方を眺めて車が来ていなくても赤信号では渡らない。ビジネスコンプライアンスが叫ばれる中、信頼関係を維持するためには状況に左右されない強い倫理が必要とされる。強力にディシプリンされていることが私の最大の長所だ。（２００字）

ルールを守るのは当然だが、「すごく守る」というのはどうだろうか。後半で「ビジネスコンプライアンス」や「ディシプリン」という言葉を使って意味あり気にした気遣いをくみ取ってほしい。

真剣に取り組んだこと

「力を入れたこと」に似た感じもするが、少し違う。真剣に、ということは何か集中してやらないといけないことについて書いた方がいいのだと思われる。

するとこうするしかない。

最近最も真剣に取り組んだことを具体的に書いてください。（２００字）

最近最も真剣に取り組んだことは、１０円玉を１０枚立てて並べることだ。１０円玉はとても薄いので普通に置いただけでは立たない。指先に神経を集中させ、息を殺しながらそっと立てるのだ。はじめのうちはすぐに倒してしまうが、何度も何度も挑戦することで不可能は可能になる。最も重要なことは「１０円を立てる」という目標を常に頭に思い浮かべることだ。限界を決めて諦めてしまわずに、挑戦し続けることのやりがいを発見した。（２００字）

10円玉を立てるという地味な作業ながら、諦めずに挑戦し続けることを表現している。不可能が可能になることに魅力を感じ、成長する意思を持つ部分に注目してくれればいいな、お釈迦様。

辛かった経験

辛かった経験を聞かれることもあろう。つまり辛かった経験をどうやって乗り越えるかを問われているのだ。

つらいと言えば、気持ち悪くなったときだ。

最近あった辛い経験と、どうやってそれを乗り越えたか記述してください。（２００字）

先日、土手を散歩していたときに「上から下まで転がり落ちたらおもしろいかな」という好奇心が湧き、実際に挑戦してみることにした。およそ１０メートルの坂を転げ落ちると、下に着くころにはすっかり気持ちが悪くなってしまった。弱音や他のものを吐きそうになったが、自分自身の起こしたアクションの結果であることから他人に頼ることはせずにぐっと我慢。「土手を転がると気持ちが悪くなる」ことをきちんと学習し、帰宅した。（１９９字）

辛いことがあっても、自分自身に原因があれば責任も自分で負うという態度と、苦しみの中でもきちんと学習し次へ活かす姿勢をもしかしたら見いだせるかもしれない。是非見出してほしい。お願いだ。