現在の渋谷の駅前をハチ公のような犬がひとりで歩いていたらそうとう奇妙だろう、と思ったのだが、だいたいそのとおりだった。
「夕方時分になると、大きな犬が改札口の傍らに、ちょこんと座っている姿をよく見かけました。無名の頃のハチ公でした。亡くなった飼い主を待っていたのです。(ハチ公文献集より)」
という当時の証言がある。実はハチ公も最初の数年はその悲劇性をまったく知られてなくて、まわりの人に蹴飛ばされたりしたらしい。新聞記事で取り上げられてから一気に有名になった。
いまの渋谷で新たなハチ公物語が展開されたとしても、なんか変な犬がいるから警察に連絡、とかいうことになるんだろうなあと思う。
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