なにはなくとも肉だろう
「海苔海苔巻き」のクルクルが妙に気に入ってしまったので、あの方式で豚肉を巻くことにした。
うまい。海苔で巻かれたことによって、肉自体の味が強調された気がする。特に脂身の甘いことといったら!
たまりません。
そう、蒸したせいで海苔が水分を含みベタベタになってしまったのだ。これはいかん。これは手づかみ弁当には不向きだ。
欠かせない玉子焼き
続いて、これも弁当に入れないわけにはいかない玉子焼きを巻いてみよう。
豚肉の時の失敗を生かし、海苔で巻いてからの加熱は避けることにした。となると、焼いたものを巻くしか方法がない。
海苔が適度に油を吸い、内側はしっとりと玉子に張り付いているが、外側の海苔はパリッとしている。これは全く手が汚れない。うん。いいぞ。
どんどん行こう。そろそろ緑の野菜が欲しいところだ。このあたりで「ほうれん草のおひたし」なんてどうだろう。手づかみで食べたなら惨劇は免れないだろうおひたしも、海苔で巻けばノープロブレム。
しかし、ほうれん草のおひたしで酒を飲むってのも渋すぎる。じゃあサラダなんてどうだ? しかも手づかみで食べたなら、おひたし以上の大惨事が予想されるポテトサラダときた。
切れ端をつまんで食べてみると、これがよく合う。海苔とポテトサラダ。うん。この組み合わせはいい。
もうこの際なんでもいい。海苔で巻いてしまえ!
形がいびつだったことが災いしたのだろうか。海苔がまったく唐揚げに付かず、パリッとしたままだ。
うーむ。形を揃えるためにはササミを使うべきだったかもしれない。やはり、中に巻く物の形はある程度揃っていた方が良さそうだ。
いざ行楽へ
いろんな物を巻きに巻いて、ついに「手の汚れない行楽弁当」が完成した。
この弁当が完成した直後、秋田から上京した母親が部屋を訪ねてきた。
弁当を見るなり「あらー!」「んまーっ!」「なにこれー!」という3つの言葉を順繰りに叫びながら「あっはっは」と笑う母。
気でも触れたかと心配されかねない見た目だけに、とりあえず笑ってくれて良かった。さらに「これ持って外で食べたいねぇ。どっかいいとこない?」と言う。
その言葉を待ってました。行きましょう行きましょう。とっておきの場所に連れてってあげましょう。
ポカポカ陽気のなか、母子で川を見ながらビールを飲み飲み弁当をつまむ。河原が初めての母はいたく気に入ったようで「本でも持ってきて、昼寝でもしたら最高だねぇ」と何度も言っていた。
連れてきて良かった。
先に手を洗っておきましょう
肝心の弁当の感想だが「手が汚れなくていいでしょ?」と聞くと「そうだねぇ」言いながらたくさん食べていたので、まぁ気に入ってくれたのだと思う。
とりあえず、良しとしたい。