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ひらめきの月曜日
 
オール海苔巻きで手づかみ弁当

なにはなくとも肉だろう

「海苔海苔巻き」のクルクルが妙に気に入ってしまったので、あの方式で豚肉を巻くことにした。


海苔の上に拡げて
塩コショウを振ってからクルクル。
どう加熱しようか迷ったが、蒸してみた。
断面図。脂身の半透明部分を見ただけでキュンとする。

うまい。海苔で巻かれたことによって、肉自体の味が強調された気がする。特に脂身の甘いことといったら!

たまりません。


しかし欠点があった。手が海苔まみれに。

そう、蒸したせいで海苔が水分を含みベタベタになってしまったのだ。これはいかん。これは手づかみ弁当には不向きだ。

 

欠かせない玉子焼き

続いて、これも弁当に入れないわけにはいかない玉子焼きを巻いてみよう。

豚肉の時の失敗を生かし、海苔で巻いてからの加熱は避けることにした。となると、焼いたものを巻くしか方法がない。


どうせ巻くんだから、不格好でも気にしません。
なかなかキレイに巻けました。

海苔が適度に油を吸い、内側はしっとりと玉子に張り付いているが、外側の海苔はパリッとしている。これは全く手が汚れない。うん。いいぞ。

どんどん行こう。そろそろ緑の野菜が欲しいところだ。このあたりで「ほうれん草のおひたし」なんてどうだろう。手づかみで食べたなら惨劇は免れないだろうおひたしも、海苔で巻けばノープロブレム。


水気をきっちり絞ることが肝心。
それをクルクル。
醤油をかけなくて済むように、おかかを一緒に巻き込んでみた。工夫。
こちらもキレイに出来ました。

しかし、ほうれん草のおひたしで酒を飲むってのも渋すぎる。じゃあサラダなんてどうだ? しかも手づかみで食べたなら、おひたし以上の大惨事が予想されるポテトサラダときた。


ドバドバと乗せて巻いて切った。
ワンダフル。

切れ端をつまんで食べてみると、これがよく合う。海苔とポテトサラダ。うん。この組み合わせはいい。

もうこの際なんでもいい。海苔で巻いてしまえ!


調子に乗って鳥の唐揚げを巻いてみた。
調子に乗りすぎた。

形がいびつだったことが災いしたのだろうか。海苔がまったく唐揚げに付かず、パリッとしたままだ。

うーむ。形を揃えるためにはササミを使うべきだったかもしれない。やはり、中に巻く物の形はある程度揃っていた方が良さそうだ。


となると、ちくわの出番だ。しかしこれは中に海苔を詰めるべきだったかもしれない。

 

いざ行楽へ

いろんな物を巻きに巻いて、ついに「手の汚れない行楽弁当」が完成した。


こうして見ると、やはりごはんの存在感が強烈だ。そして唐揚げの海苔が奔放すぎる。

この弁当が完成した直後、秋田から上京した母親が部屋を訪ねてきた。

弁当を見るなり「あらー!」「んまーっ!」「なにこれー!」という3つの言葉を順繰りに叫びながら「あっはっは」と笑う母。

気でも触れたかと心配されかねない見た目だけに、とりあえず笑ってくれて良かった。さらに「これ持って外で食べたいねぇ。どっかいいとこない?」と言う。

その言葉を待ってました。行きましょう行きましょう。とっておきの場所に連れてってあげましょう。


お母さん、ここが多摩川の河原ですよ。いい所でしょう。
箸も取り皿もなく、全て手づかみで食べられるんですよ。

ポカポカ陽気のなか、母子で川を見ながらビールを飲み飲み弁当をつまむ。河原が初めての母はいたく気に入ったようで「本でも持ってきて、昼寝でもしたら最高だねぇ」と何度も言っていた。

連れてきて良かった。

先に手を洗っておきましょう

肝心の弁当の感想だが「手が汚れなくていいでしょ?」と聞くと「そうだねぇ」言いながらたくさん食べていたので、まぁ気に入ってくれたのだと思う。

とりあえず、良しとしたい。

「ここ、いいねぇ」を連発する74才。弁当より河原が気に入ったようだ。

 
 
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