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ひらめきの月曜日
 
意味を持たずにものを見ること(団地×エレベーター)

要塞のような南砂2丁目団地


直方体的な造りをしていない不思議な形状の外観

梅:要塞っぽいですね。
大:でもこうやって見ると贅沢な敷地の使い方ですよ。こうやって建てると緑地がいっぱい確保できるんです。

大山さんが紹介してくれたのは、一つの町がすっぽり入るような巨大な団地の中でも、この建物だった。

梅:でかいですねー。面白いですね。
大:やっぱりでかい、というのはそれだけで面白いですね。
梅:色は最近塗り替えたんでしょうかね。
大:そうですね。最初はこんなすっとんきょうな色じゃなかった。
梅:直方体的な建築がやだったんでしょうかね。建築者は。
大:そうそう。中のエレベーターがまた・・・。

梅:でか。でかいですね、このエレベーター。
大:ここはすごいですね。
梅:20名乗りですよ。
大:扉がでかいから開いてから閉まるのに時間がかかる。最初からこんなだったかなー。
団地に不釣り合いの、部屋ごと移動できそうな巨大エレベーター

ラストを飾るのは北砂5丁目団地


画面に写っている建物は巨大な1つの団地。3つの団地を渡り廊下でつないだような形状になっている。

梅:いやー、着くまでにちょっとだけ迷ってしまいましたね。
大:団地って遠くから見ると分かるんですけど、近くから見るとわかんなくなるんですよ。
梅:富士山みたいですね。
梅:やっぱり友達とドライブとかしてて、団地が見えた時に、あ、行ってみようって思いますか?
大:ちょっとだけ止めて、ってお願いして見に行くことはありますね。
梅:なるほど。

梅:そう言えばこの団地もエレベーターの機械室のようなところだけぽこっと出っぱってますよね。大山さんはおできって呼んでるんでしたっけ。
大:そうです。
エレベーター塔の上の部分だけ出っぱっている。通称おでき

大:梅田さんに“団地のエレベーター”というテーマで案内してくれと言われてから改めて気がついたんですけど、エレベーター塔は僕が団地を見るとき非常に重要なものなんですよ。エレベーターがある部分を目立たせようとするのって団地特有のですよね。
梅:なるほど。
大:普通のビルってエレベーターを隠そうとするじゃないですか。団地はエレベーターを目立たせようとしている。ここで言えばエレベータータワーの部分だけ青く塗られている。

 

団地のエレベーターにあるボタン。

梅:これは古いですね。いいボタンですよ。
大:あ、これこれ。これは貴重。団地っぽい。前に団地ナイト(トークライブハウスロフトプラスワンで行われた大山さん主催の団地のイベント)をやったときに、団地好きが高じて団地を買っちゃった人の家に僕がレポートをするという企画があって、このボタンがスライドで映ったときにお客さんがどよめいたんですよ。
これはどよめきますよ。
大:これ大人気なんですよ。

 

憧れのツインコリダー


神殿みたいな場所。もちろんここも団地。

最後に案内していただいたのは大山さんのデイリーポータルZでの記事「ツインコリダーを見よ」に登場したこの団地だ。僕も前からこの記事を読んでこの団地に行ってみたいと思っていたので初めて訪れた場所なのに、なんだか懐かしい場所のような気さえした。

記念に一枚撮影をし、この日の取材を終えた我々であった。

団地×エレベーター

『変わったエレベーターがある団地』というテーマで団地歴10年の大山さんにご案内いただいた。

一挙両得と言うか、複合的な楽しみ方が出来ていい一日でした。団地から見てエレベーターは「団地の個性を決めるうえで重要なもの」。エレベーターから見て団地は「着飾っていない普段着のエレベーターが楽しめる場所」と、それぞれの結論が出た。

ところで、タイトルの「意味を持たずにものをみること」と本文があまり関係ないじゃないか。と思われた皆様。
大山さんとこの取材のあとたっぷり対談させていただきまして、その模様を次のページで紹介したいと思います。

本当に楽しい一日でした。

撮影:吉崎貴幸(プレスラボ)


 

 
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