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はっけんの水曜日
 
ランドセルは逆さに背負えば軽いのか?

ランドセルのことはランドセルのプロに聞こう

ということで、ランドセル作り42年の歴史を持つ「土屋鞄製造所」の足立区・西新井工房併設店を訪れ、お話を伺った。
こちらのお店のランドセルは全て手作り。肩ヒモの付け根など特に負担がかかる部分などは、職人さんたちが手縫いでしっかりと仕上げている。またランドセルだけでなく、メンズ・レディースバッグや、財布などの革製小物も充実している。ここでなら、きっと謎が解けるはずだ。


キズだらけのランドセルも持ってきた


木目や革の質感が活かされた心地よい店内に、様々な素材やタイプ別のランドセルが並んでいる。この日も、開店と同時にたくさんの親子連れで賑わっていた。

ランドセルを逆さに背負うと軽いというお話は、私も聞いたことがございません。
そう答えて下さったのは、エリアマネージメント部の山木さん。やはり逆さに背負うことは異端だったのか…と少し落胆気味だった私に、興味深いお話を聞かせてくれた。


 


ランドセルは進化していた

今のお子さんが使っておられるランドセルは、正しく背負えば昔ほど重く感じることはないと思いますよ。」とのことなのだ。
お話によると、現在のランドセルはベルトの肩部分にクッションが取り付けてあるので肩をしっかりサポートするので疲れにくい。
その上「背カン」と呼ばれる部分(本体にベルトが取り付けてある上部の金具)が体型や身体の動きに合せてスライドするので、身体への負担が少ないとのこと。
それがランドセルを重く感じないためのポイントのようだ。

なるほど。確かに身体が疲れないのであれば、ランドセルを背負って長距離を歩くことは苦ではないかもしれない。


私のランドセルの背カン部分。スライドしない

そして実際、最近のランドセルは軽量化されてきています。当店で取扱っている商品の中で一番軽いものの重量は950グラムになります。」 どうやら人工皮革素材の普及と部品の改良によって、ランドセルの軽量化は進んでいるらしい。十数年前のランドセルの一般的な重量が約1600グラムだったということだから、単純に計算しておよそ半分だ。

お気付きかもしれませんが、最近のランドセルは昔のものより大きく作られています。これは教科書のサイズに合わせたものなんです。今まで教科書の標準サイズはB5だったのですが、今はA4サイズが主流になってきました。それに合わせてサイズは大きく、逆に重量は軽くなっているんですよ。


ランドセルの今と昔

ただし、軽量化のために耐久性をおろそかにしてはならない。ランドセル選びは「重量と丈夫さのバランス」だという。
丈夫と言っても、ただ壊れにくいということではダメなんです。実は側面にある体操袋などをぶら下げる金具。あれはわざと外れやすいように作られているんですよ。もしも体操袋が車などに引っ掛かってしまった時、お子さんが一緒にひきずられて怪我をすることがないように配慮しています。そういったことを全て含めてのバランスが大切なんです。

 

ランドセルが欲しくなってきた

ただ感心するばかりの私に、山木さんは笑顔で語ってくれた。
ランドセルを使うのはわんぱく盛りのお子さんたちです。お子さんたちには、破損やキズのことを心配せず、元気にランドセルを使って欲しいと思っています。壊れたりキズがついたりするのはランドセルの宿命。そんな時にはまずはご相談していただければ、最良の方法をご提案できると思います。」。

どうしよう、ここのランドセルが欲しくなった。もう大人なのに。


 

 
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