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はっけんの水曜日
 
年金記録を宙に浮かす

浮くか。

 去年からニュースなどでよく耳にする言葉に「宙に浮いた年金記録」というのがある。年金記録ってそんな簡単に宙に浮くものなのだろうか。試してみた。

安藤 昌教



まずはマジックっぽく浮かす。

年金手帳を浮かす

まず年金記録、ってなんだろう。僕の場合、手元にある年金の記録といえば年金手帳くらいしかなかったので、今回はこれを使うことにする。

この記事、本当は年金問題が一番騒がれていた去年の末あたりにでもやりたいと思っていたのだ。しかし肝心の年金手帳が見つからなかった。消えた年金、だ。困ったなあ、と思っていたら引越しの時にどこかから出てきた。というわけで世の浮遊年金問題の波からは少し遅れた感もあるが、いまさら浮かせてみようというわけだ。時期をずらしたことで各所から「なめんなよおまえ」みたいな苦情も来にくくなるんじゃないかという打算もある。

こういうイメージで浮かそうと思う。

しかし浮かすといっても、いちど年金手帳を手にとってみてもらいたい。結構重いだろう。最初ラジコンヘリで引っ張り上げようと思っていたのだが、かなり本格的なやつでないと無理っぽいことがわかりやめた。

ということでもっとパワーのある飛行体、鳥に持って飛んでもらう計画を立てた。詳細はこうだ。


汚れたら嫌だもんな。

まず年金手帳を防水パックに入れる。鳥に運んでもらうということで、そのまま池とか海とかに飛んでいかれたら困るからだ。そして補強したパックの上部に釣り糸を縛る。


こんな仕掛け初めて見るだろう。

釣り糸の他端をアメリカンドッグに縛る。つまりエサだ。これをくわえた鳥が、飛び立つときに年金手帳ごと浮かせてくれるという仕組み。ちなみにアメリカンドッグがすこしかじられているのは人の仕業である。


こうやって設置するわけだ。
畑のど真ん中に。

あとはカラスが来るのを見張るだけ。

ターゲットはいうまでもなくカラスだ。先日テレビを見ていたらカラスは揚げ物が大好き、と言っていた。アメリカンドッグなんて見たらまっしぐらなはず。飛べよカラス、年金と共に。

いかにもカラスが見ていそうな畑のど真ん中に仕掛けを置いて、物陰から見張ることにした。


遠巻きに見ている。

しばらくすると高いところをカラスが旋回しはじめた。エサを発見したのだ。カラスは視覚で獲物を認識するというから、いま高いところからアメリカンドッグを見ているのだろう。


飽きた。だってこねえもん。

しかし降りてこない。

視覚で認識しているのならば、隣にある年金手帳も見えているかもしれない。うまそうだ、でもなんか怪しい。そしてたぶん上から見ると隠れている僕も丸見えなんだろう。

仕掛けは変えていません。

二日目。場所を変えてみた。普段カラスがたくさん飛んでいる場所だ。昨日の反省を踏まえて今回は望遠レンズを用意し、観察する場所をかなり遠くからにしてみた。


早速やってくるものの、警戒を解かない。

今日はアメリカンドッグを仕掛けてすぐに二羽のカラスが近くに舞い降りてきた。これはいけそうだ。レンズを構えてじっと息を潜める。

しかしカラスはこちらをちらちらと伺っているような感じの動きだった。近くには寄ってくるのだが、なかなか手を出さない。慎重なやつだ。できればもう少し離れたところから観察したほうがカラスの警戒を解くことが出来るのかもしれないが、そうすると本気で持っていかれたときに追うことができない。すると年金手帳がまたなくなる。こういう企画で手帳をなくすと世間的によくないだろう。ということでここがぎりぎりの攻防戦なのだ。


手に汗握る心理戦をカラスと僕とで展開したのだが、そうこうしている間に学校帰りの子供がアメリカンドッグを見つけてしまった。「おじさんなにやってるんですかー」。都会の子供と違ってこのあたりの子供は変なことしている大人を放っておいてくれない。バードウォッチングだよ、とか適当にごまかしてここは撤退することにした。もういいだろう、失敗と認めるから次の浮かせ方に移りたい。


 

 
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