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ちしきの金曜日
 
「秋葉原」とはどんな町か
 


 世界有数の電気街とも言われる秋葉原。電気製品の小売店が他にはない密度で集まっている、東京の中でも独特の個性がある街だ。

 休日の混雑ぶりもすごい。その個性ゆえ、外国人からは観光&買い物スポットとして人気があるらしい。

 そんな賑わいを見せる街、秋葉原。しかし、「秋葉原」をある意味で正確に訪れてみると、一般的なイメージとは全く違った表情の町であることがわかる。

 それはちょっとした盲点であった。そういうわけで、「秋葉原」に行ってきてみました。

小野法師丸



●まずは秋葉原の由来から

  電気店の密集地帯として知られる秋葉原。日本でも他に類を見ない街だろうが、それは世界レベルでも知られているらしい。そう言えば外国人観光客を対象にしたような店先の店舗もある。


改札前のこの感じも秋葉原

 最近は電気製品を扱う店だけでなく、ゲームやホビー関連の専門店がものすごい密度で詰まっている街としてのイメージも強いかもしれない。

 それでも駅前の様子は、やはり電気街といった風情だろうか。大きめの店も小さな専門店も、どちらも秋葉原らしい。


いわゆる秋葉原
こうした渋さも秋葉原

 そんな秋葉原という街だが、特徴的とも言える地名の由来となった神社があるのは、もしかするとあまり知られていないかもしれない。その名もずばり、「秋葉神社」である。


とても静かだった秋葉神社

 火災防止を願ってつくられた神社であるらしい。江戸時代から火除けの神様として信仰を集めていたとされる「秋葉大権現」の「秋葉」が神社の名前についているわけだ。

 ただ、話がややこしいことに、この神社に祀られていたのはもともと秋葉大権現ではないらしい。別の神様が祀られていたにも関わらず、火除けの社だということで多くの人が当時メジャーであった秋葉大権現が祀られていると勘違いをし、秋葉様と呼んだのがいつの間にか定着して、結局「秋葉神社」になったようなのだ。

 神社の名前って、そんな感じでついていったりもするものなんだ。なんというか、柔軟性があると思う。


喧噪とは無縁のお社
鳥居の裏側から見た町並みなのだが…

 今回訪れた際は境内に参拝客はおらず、犬を散歩を連れたおばちゃんが通り過ぎていっただけだった。

 右側の写真は境内から神社の外側を撮ったもの。向こうに見える路地はあくまで地味で、秋葉原らしくはない。秋葉原の町外れにあるのだろうと思った方もいるかもしれないが、そうではない。この神社、秋葉原にはないのだ。


左端に所在地が読み取れる

 これまた話がややこしいのだが、所在地が「台東区松が谷三丁目 鎮座」とあるのがわかるだろう。もともとは現在の秋葉原駅の土地にあったものが、駅ができるに当たって移転したのだ。

 そういうわけで、秋葉神社は秋葉原にはなく、そこから数キロ離れたところにある。由来となった方が移動したわけだ。


 

 
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