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フェティッシュの火曜日
 
ケーキ箱型カバンの提案


やあ、また僕の出番だよ。

いいことがあったり、仕事で脳を使ったり、単に魔が差したりしたとき、ささやかながらいくつかケーキを買って帰ることがあります。

・・・という出だし、前にも一度どこかで読んだことあるような。おお、これだこれだ。この記事だ。
鉄のケーキ箱でケーキを守れ

おお、よく見たら私の記事ではないか。どんだけケーキ箱にご執心なんだ。

このように、最近またこのケーキ箱が気になってしょうがない私である。何か他のものに応用できるのではないか、との思いに苛まれて夜中に飛び起きる、ということはないが、家では常に視界の片隅にそれはある。

ある日、はたと思いついて、カバンにしてみた。

乙幡 啓子



今回ケーキは出てきません

これまた最近の記事でケーキを買う用事があり、そのときのケーキ箱がなんとなく気になって、捨てずにとっておいたのだ。「資料用」ってやつですね。


このフォルム・・・すばらしい。

言ってみればただの「パッケージ用品」だ。東急ハンズなどでも、これ単体ではパッケージ用品コーナーに並んでいるだけのものであって、ファンシーな要素はこの形相からは汲み取れるものではない。

しかし、なんだろう。我らの幼い頃より脳裏に刻まれてきた、この高揚感。期待感。ワクワク感と言い換えてもいい。この箱のスキマから、善き光が漏れ出てくるのが見えるようである。もっと簡単に言うなら「開けたらケーキが出てくるんじゃないか」と思わせる力だ。

前置きは長いですが、記事は早く終わります。
さて、このケーキ箱の形そのままに、カバンを作っていきましょう。


なぜかうちに大量のキャンバス地があったので、使っちまおう。
今回は鉄ではないので、適当に決め打ちで裁断しちまおう。

今回は、側面まで広く開く「ガレージタイプ」の箱ではなく、上部のみ開く「ヘリポートタイプ」の箱をモデルにする。そんなタイプ名はない。私が今決めた。


これまた適当に、2枚重ねで縫っていく。いや本当は仮縫いとかしなきゃな。
中表で、布を箱状に組み立て終わったところ。
ケーキ箱のアイデンティティたる、「フタストッパー耳」(そんな名前ではない)の部分。
持ち手の位置を試行錯誤。
ボタンホール縫うときの要領で、持ち手のあの部分(わかりますな?)を切り抜き。
ちゃんと自立してくれたようだな。先生うれしいぞ。

一番心配だったのが「強度」。布バッグとはいえ、あのケーキ箱を表現できていなければ面白くない。というわけでキャンバス地、それも2枚重ねていたが、なんとか形になっているようだった。

箱の部分は単純な形ゆえ、さくさく進んだのだが、やはり開閉部で試行錯誤。そして、6時間後・・・できたのがこちら。


30×25×20cmくらいか。でけえ。

あの部分にはホックをつけて、実用性をなんとなく考慮。
フレンチブルドッグくらいならすっぽり入る大きさ。もはやケーキ関係ない。

うん、だいたい思っていた感じに仕上がった。これは私の功績ではなく、このケーキ箱のフォルム自体が、自己完結した美しさを表現しているに他ならない。黄金率、という言葉も思い浮かんだがちょっとそれは違うぞ。頭を冷やせ。


へいらっしゃい!どうしてもオカモチチックに。

外見はどうにもレバニラ定食やチャーハンが入っていそうな雰囲気だが、持ってみると「取っ手」の部分に「中にケーキが入っているからそっと持ってください・・・」という、ケーキ箱からのあのメッセージをかすかに感じるのだ。思わず手の力が抜ける。

力が抜けると荷物を持てないので、肩ヒモを付けてみた。


「Smart」とかの表紙になりませんかね。

お、ちょっとひねったオシャレをしたい盛りの若者に、どうですかね。というかこれ、私ふだんも持って歩きたくなってきました。


部活帰りっぽくもある。釣りの帰りっぽくもある。大量のヤクルトも入っていそうでもある。

 

思いつきで作ったにも関わらず、期せずしてなんとなくうまくいったような気がするとかしないとかいったカバンができたと思う。

またケーキ箱使って何かしよう。何しよう。でかい家でも作るか。耐震強度は限りなくゼロだ。

ケーキじゃなくて、スーパーで買った鮭とかどんどん入るよ!

 
 
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