居酒屋ビル前、別グループ
先ほどのグループから少し離れたところに、さらに大人数のグループを見つけた。スーツ姿の男女が目立つが、聞こえて来る話の内容から卒業式から流れて来た学生たちのようだ。
ここで僕はある事に気付く。卒業式流れという事は、その場にいる人たちの立場はイーブンなのだ。誰か一人を送り出す、という飲み会ではないので胴上げになりにくいのである。中に先生でもいれば胴上げチャンスであるが、夜も深いので先生はとっくに帰ってしまったようだ。
そして、このグループも仲良し同志が固まってそれぞれに勝手な行動を取っている。
バラバラだ。 みんなが団結しなければ胴上げなんて無理だ。
もっと一体感があって、更にその中に花束を持ってる人がいる。そんなグループを探さないといけない。
視線を宇田川警察の方に向けると、かなり盛り上がっているグループを見つけた。
23時55分〜24時20分、宇田川警察裏
若者風に言うと「ウダケイ」の裏だ。そこに20人くらいのグループを見つけた。男女混合ではあるが、中に花束を持ってる人がいる。
が、このグループにも一体感はない。 各自気の合う仲間と勝手な事をしているのだ。
このまま誰も胴上げされないのは困る。花束を持っている人のそばに立ち、両手を上にあげる仕草をしてみせた。
ほら、胴上げ、ほら、胴上げ。
みんな相当酔っているので僕の事なんて気にしてくれず、胴上げにならない。
ダメだ。 ちっとも胴上げの気配がない。そろそろ終電の時間である。みんな帰ってしまう。
最後にハチ公前へ向かう事にした。終電に乗る前、最後の最後に胴上げでお別れをするグループがいるに違いない。いや、いて欲しい。いないと本当に困る。
しかし、一本締めで解散してしまい胴上げに至らず。
こちらも記念撮影止まり。
結局、ハチ公前でも胴上げを目撃する事は出来なかった。
僕自身、今までの人生で胴上げされた事はない。もし自分が送られる立場で、飲み会終わりに胴上げされたらどうだろう?
多分、すごく怖いと思う。みんな酔ってるし、下はアスファルトだし。そういった意味では、この日、胴上げされた人がいなくて良かったのかもしれない。
みなさんも飲み会後の胴上げには十分注意してください。