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ちしきの金曜日
 
3分でインタビュー〜あなたのケンカ話聞かせてください〜

芸人・映画・音楽界のケンカ話

続いては話のプロ、ということで芸人のプチ鹿島さん。もともと「俺のバカ」という漫才コンビを組んでいたものの、相方がパイロットを目指すことになったためにやむなく解散。現在あちこちの司会業やらネットラジオ「東京ポッド許可局」やらで活躍中です。

出番前にいきなりお願いしたもののさすが芸人、「こんなんでいい?」とサラリと答えてくれました。ここで初めて自分がぜんぜん関わってないケンカの話が。


鹿島さん(新宿ロフトプラスワンにて)

「一番最近見て一番衝撃的だったケンカなんですけど、僕の後輩でチャンス大城くんっていうのがいるんです。それが渋谷で一番目立つハチ公の前でサラリーマンとケンカしてたんですよ。しかもベロンベロンになって。それが酒が入ってるなら真夜中と思うじゃないですか?夕方4時なんですよ」

−−そりゃ目立ちますよねぇ。

「しかも大城の場合いじめられっこキャラですから弱いんです。とりあえず手数だけはある千手観音パンチですよ。でもひとっつも当たらない。一番ダメなパンチを見てしまいましたね」

−−それは鹿島さんが一緒だったんじゃなくって?

「ボクはただ通りかかっただけです。それがアイツがベロンベロンでケンカしてて、いつから飲んでるんだコイツは、っていう。それが夕方の渋谷ですから人だかり出来ちゃってて」

−−でもハチ公前って警察目の前ですよね?

「ケンカに慣れてない人って(警察とか来ると)炎上しちゃうじゃないですか。その悪いパターンで。警察もパンチ当たってないし、暴力沙汰にはなってないからハイハイハイってその場でおひらきにしちゃって」

−−そんな飲み会の最後みたいな(笑)。鹿島さん止めなかったんですか?

「ボクも止めればよかったんだけど、エレベーターの上からニヤニヤしながら見てて(笑)。それで驚いたのが、他のライブに行くと3人くらいの芸人がそのケンカを見てたっていう。いろんなところで」

−−映画「バンデージポイント」みたいだ(笑)。

「ケンカっていうか芸人へのネタ見せみたいな。時間とそのマヌケぶりがちょっと衝撃的でしたよね」

−−その後、ケンカの理由は聞かなかったんですか?

「次の日はすっかり忘れてましたね。でも『ジャニーズが絡んでる』とか、あいつウソばっかり言うんですよ。『俺はジャニーズじゃない』とか」


しかもこのシュールな終わりよう。芸人には観察力が必要とはいいますが、こんな事件と出くわす運も必要なんでしょうねぇ。とはいえ大城さん本人がこのケンカをネタに出来ないのがもったいない。記憶ないしね。

続いては以前の記事『極めてガレージロック的な自主映画』『あの携帯ゲーム機を手作りで』でお世話になった自主映画監督の人食い映像作家・酒徳ごうわく監督。ちょうど鹿島さんと同じ場所にいらしたので、ちょっとケンカ話聞かせてくださーい。


酒徳さん(新宿ロフトプラスワンにて)

「仕事柄っていうのも変なんだけど、自主映画絡みでケンカってのがいろいろあって」

−−それは撮影の現場で?

「そうです。自主制作なんでプロの現場じゃないですから、キャストやスタッフ達は監督の「信頼関係」だけで現場きてますから。もし監督自身がだらしないとそれだけで現場がムチャクチャになりますよ。自分とか昔は撮影の段取りが悪くてスタッフからあーだこーだ言われて。自分が演出指示だしても動かなくなって各個人が勝手に動き出しちゃって。それでもうガマンできなくて「もうこの撮影ヤメ!」って逆ギレして現場飛び出したりして」

−−やっぱり自主映画でも現場は大変なんですね。

「まだ撮影現場でケンカになる位ならいいんですけど、撮影が終わった後のケンカがもっとキツイですよ。編集した映像みて「イメージしてたものと違う」とか「全然きれいに撮れてないじゃん」とか。それで、また撮り直しとかなるともう予算と時間の無駄使いというか…映画撮るモチベーションがどんどん下がっちゃう」

−−撮り終わったものを後から言われるのはキツいですね。

「もっと酷いと「この映画、絶対上映するな!」みたいな抗議があったりとか。ま、これは自分がわざとバカ映画だと教えないで撮ってしまった結果なんですけど」

−−全然バカ映画だと説明なしだと怒りますよね、そりゃ。

「だからそれ以降は、必ず前持って「バカ映画です」と説明することにしてる。あとはあんまりケンカの元を作らないようスタッフキャストを最小限にしたりとか。自分の性格からあんまり怒らないっていうか、だいたい溜めるんですよ。ケンカするだけ無駄ってのが分かってるんであんまり言い合うことないんですけど」

−−自分が知ってる部分の自主映画界って結構楽しそうな所だけなので意外ですね。

「自主映画って、作ろうとして結局頓挫しちゃったりとか、自分が使ってた役者が他の監督に出て成功してそれに嫉妬してとか、そういうのが渦巻いてるところなんで‥」


うわ、重い!ある意味一番生々しいケンカ話。しかも暗い所で話が切れただけにどよんと。ここまではどっか今となっては笑える、的な部分があったけど、こういうのがあるのも当然か。ドーランの下に涙、それは喜劇人!

さて男が続いたところでまた女性のケンカ話に。今度は水着トロンボーンギャルバンド・太ももサティスファクションのすず奴さんのお話。当たり前のように書いてますが、「水着トロンボーンバンド」ってジャンルは世界で彼女たちだけです、きっと。フロントウーマン3人が水着姿でトロンボーンを吹き鳴らし闊歩する、エロポップエンターテイメント。そんなステージ姿とは真逆に普段はおっとりしたすず奴さんですが‥。


すず奴さん(台場・エクセルシオールカフェにて)

「わたし小学校の時から吹奏楽部をやってたんです。トロンボーンはそれからやってるんですけど、6年生の時に部長をやったんですよ」

−−今のルーツがそこなんですね。

「それで運動会かなんかの練習で、休日か朝練かで人がいない時に練習してたんですけど、その練習が終わって帰ってる時に、自分より小さい男の子が‥7歳か8歳くらいかな?ちょっとヤンチャなイタズラっ子がいやがらせじゃないけど、邪魔してきて」

−−ああ、ウザい子供っていますよね。構ってほしくて。

「それで私が超キレて、そこにあった竹をぶんぶん振り回したってのがあったんですけど‥」

−−怒り過ぎです!嫌がらせってどんなことを?

「後輩に悪口を言うとか、そういう。でもキレた後、それまで私は優しい部長ということで認知されてたので後輩達にすごいびっくりされましたね。自分もそんなに怒ったことなかったので腰が抜けました、怒り疲れて(笑)」

−−あまり怒らなさそうですけどね、すず奴さん。

「まわりからも優しい人と思われてましたね、その時まで(笑)」

−−ちなみに今まで人生何度くらいキレました?

「えー‥あと2回くらい。あとはドロドロだから言えない。いちおう今回のが一番可愛い話かなと(笑)」


と、最後はボカされたきらいもありますが。ドロドロしてるのも聞きたいけど、それだと3分じゃ済まないんでしょうねぇ。男と女でもケンカする機会、現在から当時を見る視点も違うだろうし。年齢でも違うだろうしなー。かつては気恥ずかしかった過去の中坊話も、今は笑って話せるように。

さー残り2人はどんなケンカ話が聞けるのか。アリか、ルスカか、サァ来いコノヤロー!


 

 
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