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ロマンの木曜日
 
遠くまで乗り過ごしたい

バランスはとれるだろうか

切り抜いた地図の、重さの中心を慎重にさがした。
軽い素材の地図なので、ほんの1mmほどずれただけで重さの均衡がずれて、地図は傾いてしまう。


慎重に

でも、ダメだ

風が強くてね

やっぱりダメでした。
僕はデイリーポータルZの記事で、何回この言葉を書いただろう。
今回もダメだったのである。
原因は風だ。
この日は風が強くて、地図が風にあおられてしまう。
仕方がないので近所の喫茶店に移動した。
ふふん、でもいいのだ。
実を言うと僕は、ここが本当の東京の重心じゃないと思っているのだ。


バランスがとれた

糸でつるしてもつりあってるでしょ?

ここが重心じゃないのでは?

すごい。
ぴったりここが地図の重心だった。
ちょうどあの看板にあった場所が、僕が切り抜いた地図の重心と一致した。見事だ。
すごくて見事なのは、地図を切り抜いた僕の技術力だ。
えらいえらいと自分をほめた。

でも、である。
実験当初から僕は大きな疑問を持っているのだ。
それは、東京は平面ではないということだ。
東京には山があるではないか。


実はこういう地図でした

立体地図で重心をさがす

どういうことか説明しよう。
つまり、地図と違って東京は平面ではない。
西の方は山間部になっている。
山は高さの分だけ、重さがある。
日本数学検定協会の考え方では、その部分が考えられていない。
だったら僕が考えよう。


これで、高さも考慮した地図が作れるのだ

だんだん地図

その実験にふさわしい地図がある。
株式会社ニシムラ精密地形模型が製造しているだんだん地図というのがそれだ。
等高線に沿って切り抜いたスチレンペーパーを貼り重ねると、立体的な地図ができあがるのだ。
乙幡さんが以前の記事でも使用していた、とても便利な地図だ。


切って貼るだけでできあがる

本当の重心

もちろん実際の地形では、場所によって土の重さに違いがあるだろうが、それを考慮すると地面に音波を当てるとか、たぶんそんなようなことをしなければダメだと思うので、今回は無視した。
平面と立体の重さの違いを無視するのに比べたら、まだましだろう。


できあがった


 

 
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