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土曜ワイド工場
 
ヨットレースに参加して驚いた
ごめんなさい、ヨットを嘗めておりました。

 最近よく釣りに行く友人から「今度の夏にヨットのレースに出場したいんだけれど、人数が足りないからタマキ君もどう?」という誘いがあった。タマオキだってば。

ヨットレース、正直どんなものかイメージが湧かない。釣り船ならともかく、ヨットなんてハイカラな乗り物は一生縁がないと思っていたのだけれど、せっかくなので参加してみたい気もする。

とりあえず、今度練習会があるらしいので、それにいってからレースに参加するか決めることにした。

でもいってみたら、いきなりレースだった。

(text by 玉置 豊




油壺ヨットハーバーへやってきた

やってきたのは油壺ヨットハーバー。クルーザーとか釣り船のようなエンジン船ではなくて、帆で走る船がいっぱい停泊している港だ。魚を釣るため以外の船がこんなにあるなんて驚きである。


これが私達が乗る船、“CARINE X号”。ヨットレース専用船なので、釣り竿を入れる穴とかがない。斬新だ。

ヨットの練習っていうから、軽いクルージングみたいなものだと思っていたら、今日はここのハーバーの会員達約20艇による草レースである“四季レース”というのに参加する日なのだという。

どうやら「夏のレースに出場するための練習=四季レース」という話だったらしい。痛恨のヒヤリングミス。初のヨットがいきなりレースって大丈夫なのだろうか。

 

キャプテンにご挨拶

とりあえずはヨットのキャプテンにご挨拶。ヨットの持ち主というからどんな人なのだろうと漠然と不安だったのだが、見た目はいい人そうである。高校の物理の先生にそっくりだ。

今日はこれからのレース中、延々迷惑を掛ける予定なので、みためだけではなくて内面もとてもいい人であってもらいたい。


キャプテン。ちなみにヨットは数人で共同所有しているそうです。

キャプテン こんにちは。玉置さん、海に詳しいって聞いているけれど?
玉置 いやあ、それほどでも
キャプテン ヨットの経験は?
玉置 うーん、こういう船は初めてですね。
キャプテン なるほど。じゃあディンギーは乗ったことあるのかな?
玉置 電気?エンジン船か手漕ぎだったら乗ったことあります
キャプテン いや、ディンギーっていうのは…。わかりました、今日はとりあえずお客さんとして、一番後ろで見ていてください。
玉置 はい。おとなしくしています。

ちょっとキャプテンの期待を裏切ってしまったらしい。

さっき調べたら、ディンギーというのは二人乗りの小型ヨットのことらしい。そんな単語、はじめて聞いた。釣り人とヨットマンは(物理的には)近くて遠い存在らしい。

 

注意点

乗船前にキャプテンから教えてもらったヨット上での一番の注意点は、「ブームという柱に頭をぶつけると死ぬから気をつけるように」ということだった。


この柱があぶないそうです。確かに邪魔な位置にある。 注意されたばっかりなのに、船室からでてきたところでいきなり頭をぶつけた。死にはしなかった。

死ぬなんてあはは冗談をとこのときは笑っていたのだが、すぐにこの話が冗談じゃなかったことを知ることになる。

 

出船準備

ヨットはエンジン船みたいにエンジン掛けてすぐ出航という訳にはいかないらしく、まずはマストとブームにセイル(帆)を取り付けたりしなくてはならない。

私もお客さん扱いとはいえ一応クルーの一員なので、出船のお手伝いをしたいのだが、これがまったくなにをしていいのかがわからない。子供か。それでもキャプテンや他のクルーに指示を仰ぎながら、少しでも仕事をしているフリをする。


セイルが入った袋って大きい人用の寝袋みたいですね。 このセイル、大きなクレープみたいですね。

そもそもが「ABURATSUBO YACHT HARBOR」という看板を見て、「油壺ヤッチハーバーってなんですか?」と聞いたような男である。出船準備なんてできる訳がない。

この感じ、あなたが「今から“いいとも青年隊”になって笑っていいとも!のサポートをしろ!」といわれた時のとまどいをイメージしてもらえば伝わるだろうか。


「YACHT」と書いて、「ヨット」と読むらしいです。英語って難しいですね。 「写真撮ってください!」といえる空気でもないので、トイレの鏡で自分撮りしてみた。

学生時代、結婚式場のバイトを始めた時もこんな感じだったなあなんて思い出に浸っている間に出船準備が完了した。


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