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フェティッシュの火曜日
 
世田谷目黒駐車場戦争
今日も満車なり


熱い、熱いのである。戦争である。環状7号線=カンナナ近辺で巻き起こっている戦争が。ラーメン戦争も有名だが、その裏で今日も毎日、地味な戦争が巻き起こっている。その名は「駐車場戦争」。

僕の住んでいる地区は道路が狭く、道が入り組んでいる。

高級な大型車が路地裏を窮屈そうに抜けていく光景を日本一目撃する地区は世田谷ではないだろうか。

そして慢性の駐車場不足。空いた土地があれば、すぐさまコインパーキングになる。きっと駐車場が足りないのだろう。

そこで、1台でも多く駐車場を増やしたい人々、狭い場所に車を止めておきたい人々の攻防を見てみよう。

(text by 梅田カズヒコ



今回の記事を書くきっかけを与えてくれたエピソードはこちら

これはとある駅前にあるとあるコーヒーショップの前の敷地だ。おそらく従業員の誰かが駐車場として利用しているのだろう。

しかし、この場所に無断で駐車する人が後を絶えなかったのだろう。コーンが置かれ、駐車禁止の貼り紙がある。

しかし、それでも駐車違反の車は後を絶えなかったのだろう。
あるとき、この場所にコインパーキングが設けられた。

それから違法駐車はぱったりなくなった。どんな貼り紙よりもコインパーキングのほうが有効なのだ。

さらに一定時間が経って、再び同地を覗きに行くと、コインパーキングはなくなって、また以前のように駐車スペースになっていた。土地を管理するのも大変である。

で、この一件で学んだことがある。都会で空きスペースが生まれるとすぐ違法駐車が始まる。そして、違法駐車の魔よけとして、所有者がコインパーキングを営業しているようなのだ。だから、少ないスペースを無理やり駐車場にしたような場所が増えるというわけだ。

コインパークに興味を持ったきっかけ

空地があると勝手に駐車されてしまうので、仕方なくコインパーキングにしている場所が多い。

以上を踏まえて、駐車スペースをめぐる攻防戦を見ていきたい。

 

攻防T−コインパーク編


写真1 変形の土地。4台が限界だったか。
写真2 やたら目立つ“後方注意の看板”。
写真3 不運な『隙間』

攻防1 四角形じゃない土地をどう使うか

写真1は東京の住宅街を歩いているとよく見かける光景、何の変哲もない住宅に囲まれたコインパーキングである。


しかし、視点を変えてあなたがこの土地の所有者で、コインパーキングをこれから設置しなければいけないと考えたとする。なかなか使いづらい土地だろう。四角形じゃないし、中途半端な大きさである。もちろん、駐車できる台数を増やしたほうが利益にはつながる。

いろいろ考えた結果、たどり着いたのが現在の形というわけだ。手前に2台、奥に2台。写真からは分かりづらいかもしれないが、奥の2台も微妙に水平じゃないのだ。

 

攻防2 負の連鎖

次のパーキング。(写真2)のパーキングは水平に規則正しく並んでいる。

しかし、後方注意という看板がやたらと目立つ。後方のブロック塀は別の所有者のものなのだろう。しかし、いくらなんでもこの状況で後方にぶつけるような人はいないんじゃないか。これが後方注意なら世界中のパーキングの後方に後方注意と記しておかなくてはならない。

なぜこれほどまで後方注意と書かなくてはならないのか。その理由はもう少しひいた写真で分かる。

実はこの駐車場は僕の家の近所にあるので事情を把握している。ここは駐車スペースのちょっと前に、微妙な隙間がある。本来ならこのスペースを利用して車がでていくのだろうが、Aのように本来の駐車スペースに留めずに、ウィンカーを点灯させたまま短時間駐車する人が多いのだ。

これにより、正規の方法で駐車している人はどうしてもぎりぎりまで後方にバックしてから道路に出るしか方法がなく、よってB地点でブロックを崩す人があとを絶えないのだろう。負の連鎖に翻弄される駐車場。

勤勉に働いて、将来は土地を買って、その土地を駐車場にしてそのパーキング料で楽に生きていこうと考えていたが、駐車場ビジネスも大変なのかもしれない。

 

写真4 有効活用できている土地のサイズが少ない。
写真5 一見、何の問題もない駐車場だが・・・
写真6 その裏には所有者の試行錯誤があるのだ。

攻防3 どうしても2台分しか・・・

次のパーキング(写真4)。

いろいろと試行錯誤はしたのだろう。この土地の大きさで駐車スペースが2台とはもったいない。

あともう少し奥行きがあれば手前にもう1台分駐車スペースが確保できただろうし、もう少し幅があれば横に並べてそれこそ4,5台は駐車できる駐車場になっていただろう。残念だ。

 

攻防4 試行錯誤の果てに地面がえらいことに

写真5も一見何の変哲もないない駐車場である。土地自体は小さいが、道路に面していることが功を奏した。5台もの駐車スペースを確保している。

しかし、この形になるまでには、所有者の試行錯誤があったようだ。

写真6。黄色や白色の線があっちやこっちにひかれている。消されてはいるが、前の線が完全に消えてはいないので、どれが本来の線なのかよく分からない。

おそらく、少しでも多くの台数を収容するためにこうやって線を引き直したに違いない。

少しでも土地を有効活用するための涙ぐましい努力。こういったものを本稿では愛でていきたいのである。

 

攻防U−コインパーク以外の攻防


写真7 一見うまく整備されているように見えるが・・

攻防5 出れなくなってしまった車

(写真7)これは中小企業の駐車場だろうか。きれいに車が並べられている。一見うまく整列されていそうだが、赤い矢印で示した車だけはこのままでは取り出すことができない。

当初はじゅうぶんだった駐車スペースが所有の車が増えてこうなってしまったのだろう。おそらく一番早く出社して一番遅くまで残業する社員の車なのだろう。中小企業だとしたら社長の車かもしれない。

 

写真8 説明不要

攻防6 出られなくなってしまった車たち。

(写真8)こちらもかなりぎちぎちに駐車されている。しかも、一番出しやすい、と言うか唯一動かせる状態にある手前の車も、前は樹木、後ろはブロック塀に阻まれかなり出にくい状態である。

ひょっとして常用している車ではないのかも、とも詮索したが、このピカピカ具合から言って3台とも常用している車に違いない。

ああ、もう少し土地が欲しい。世田谷に響く魂の叫びである。

 

写真9 この電柱さえなければ、が口癖の使用者。

攻防7 土地の狭さと同時に電柱とも戦わなきゃいけない

(写真9)。かなり大変な駐車スペースである。手間に写っている車が駐車されているかされていないかでかなり難度の変わる駐車スペース。帰宅する使用者は後ろの使用者が利用中であるかどうかが気が気でならないのだろう。

電柱もかなり危険な場所にある。がりがりとこすってしまいそうな場所だ。

きっと毎朝毎夜、後ろの車はともかくせめてあの電柱さえなければもう少し楽なのにね、が口癖になっているに違いない。

 

写真10 車好きの主人VSガーデニング好きの家内?

攻防8 ガーデンニングか、マイカーか。

(写真10)こちらは駐車スペースとしては問題ないサイズを獲得しているが、ガーデニングが今にも車を飲み込みそうである。確かにきれいな緑や赤。

ガーデニング好きの住人が住んでいるに違いない。

「もう少し枝を切ってくれると嬉しいな」という主人と「どうせ昼間は家に居ないでしょ」と話す家内の攻防が聞こえてくるようだ。

そして、駐車スペースをめぐる戦いは続く

すべてのドライバーに日は昇るか?

こんな記事を書いておいてなんだが、僕はドライバーではない。

車はない。免許もない。都内は車なんてなくてもじゅうぶんに移動できるし、狭い路地をすり抜けていく車を見たり、莫大な駐車場代を払うことを考えたら車なんてないほうがいいんじゃないかと思ってしまうのだ。

それでも、いい車が窮屈そうに停車されているのを見ると、人ごとながら大変そうだと思ってしまう反面、なんだかかっこいいとも思ってしまう。

皆様も、近所でかっこいい駐車スペースを探してください。きっとたくさん見つかるはずですから。


 
 
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