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土曜ワイド工場
 
プラナリアをつかまえよう


プラナリア。むかし理科の教科書でみたなあ、というかたも多いのではないだろうか。からだを切ってやると、それぞれの断片から個体が再生するというヘンテコな生き物だ。トカゲの尻尾はちぎれても再生するが、ちぎれた尻尾からトカゲの身体が生えてきたらそれはもう冗談だ。そんな冗談みたいな生き物なのである、彼は。
と、そんな知識はあっても、これまで実物をみたことが一度もない。みたいぞ、プラナリア! 
めっきり暖かくなってきたので、プラナリアをさがしに野山へ川へでかけてみました。ニョロっとした生き物が苦手なかたは、ちょっとご注意ください。

(text by 櫻田 智也



プラナリアって多分こんなの

さて、プラナリアがおもいだせない。というかたのために、記憶をたどって絵を描いてみた。教科書に載っていた挿絵の雰囲気を再現したつもりなので、これにピンとくる人もいるのではないだろうか。


「こう切断すると」みたいな点線が入ってた気がする


ポイントは目だ。
再生するというのも信じられなかったが、この寄り目にも「ホントかよ!」と、疑いを抱かずにはいられなかった。こんなトボケた顔の生き物が切っても切っても再生するだなんて、それはいくらなんでもトボケすぎというものだ。うわあ、やっぱりみたい!

 

プラナリアはきれいな水に棲んでいる

いきなりつかまえにいくといっても経験が一切ないので、近所の図書館にでかけてプラナリアの情報を集めることにした。プラナリアが載っていたものとして、下のふたつを発見。


水生生物ハンドブック(文一総合出版)

学研生物図鑑・水生動物


この2冊に載っていた情報を簡単にまとめてみると、

体長20〜30mm。頭部が三角で2個の眼があり、お腹のほぼ中央に口がある。
分布は全国に渡り、山地から平地の水の綺麗な渓流に棲む。石の裏にへばりついている。

というのがプラナリアに関する基本情報のようだ。

よかった。日本中にいるということは岩手にもいるということだ。まずそこが心配だった。インターネット上でも調べてみたのだが、生息地の分布についてイマイチはっきりわからずにいたのだ。
そして棲んでいるのは水の綺麗な渓流とある。
岩手はなんたって自然がウリ。腹が立つくらい自然がいっぱいなのだ。そんな条件でよいのならいくらでも採れてしまうではないか。


近所に容赦なくひろがる自然

 

一人で山へ行こう

いや、できれば誰かと行きたいですけど。

家のすぐそばにも川はあるのだが、プラナリアはとにかく綺麗な水にいるというので、念を入れ、街を離れて野山へでかけることにした。


国内屈指の閑散路線・JR岩泉線に沿うように車を走らせる

岩手は山だらけの県で、その谷間には川と集落がある。

なるべく人里から離れた、あまり激しくない流れを選んでプラナリアをさがすことにした。

申しぶんなく綺麗な水


川に入って生き物をさがすなんて、いつ以来のことだろう。胸躍ります。

 

ひたすら石の裏をみるのだ


川に入って笑顔


プラナリアは明るいところが苦手で石の裏に潜んでいるらしい。ならばやることはただひとつ。ひたすら石をめくるのだ!


石を拾い上げては
じっくりみる

流れに腰が引けてるぜよ

 

そう簡単にはみつからない

川に入って遊ぶのは単純に楽しい。ただ、緩やかにみえても川の流れはけっこうはやく、ひとりだと正直ちょっと心細い。
あと、ときどきガサガサと物音がしたりするとものすごく怖い。だって、確実に熊とかいそうなんですもの!


なに? 熊!?


こっちはプラナリアみたいにガブリといかれた頭を再生というわけにはいかないのだ。うーむ、虫眼鏡より鈴とか持ってきたらよかった。

さて、森にびくびくしながらも、しばらく石をめくりつづけたのだが、みつかりません、プラナリア。
考えてみれば、今まで実物を一度もみたことのない人間がいきなりでかけてきて、体長2センチそこらの生き物をみつけようという考えが甘すぎなのか。


いないな……
こんなの(たぶんカワゲラ)はいます

 

山奥の秘境駅へ

だがそう簡単にあきらめるわけにはいかない。さらなる清流をめざし、より山奥へと移動することにした。


こんなところに道をつくった昔の人はスゴイ
もっとだ、もっと綺麗な川なんだ!

いまとなっては、そんなに山奥へ行く必要があったのか甚だ疑問だが、当時のぼくはとにかく奥へ奥へと車を走らせていた。そして行き着いたのが、閑散路線・JR岩泉線の中でもとくに閑散ぷりが著しい、押角駅だった。
鉄道好きなかたにはもしかしたら有名かもしれないこの駅。4月27日の当サイトトップページからのリンクでも紹介されていた秘境駅である。


一方向からしか駅の看板はみえないから注意しろ!
看板がさす方向をみたらこんな感じだから注意しろ!

さて、ここにきたのは単純に駅がみたかったからというのもあるのだが、もちろんそれだけではない。
上の写真にあるように、駅(ホームだけですが)にたどり着くには小さな橋を渡るのだが、その下を流れる川がとても綺麗なのだ。


この下、清流につき 
渡りきったらこんなだから注意しろ!

というわけで、国内屈指の秘境駅の前で、ついにプラナリアをみつけます!


 

 
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