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ロマンの木曜日
 
扉の閉まる音がかっこいい

昼休みに食事に出る


さて、お昼時になりました。昼食に行くことにしましょう。

とりあえず出勤時にB1Fから乗った東エレベーターで1Fに降ります。エレベーターを出るとすぐ右に、隣のビルのレストラン街に近い裏口の扉Hがあります。


エレベーター降りてすぐ右が扉H

この向こうはすぐ外、の扉H

音を聴く限りここも閉扉速度は早そうですが、しっかり抑えが効いていて、ラッチの作動音も確実に聴き取ることができます。寡黙な演技が持ち味の個性派俳優、と言ったところでしょうか。自分で書いてて意味が分かりませんが、とにかくかなり気持ちいい音です。

ところで今日はお財布の中身が心許ないので、レストラン街ではなくコンビニに向かうことにします。その場合、裏口で出ずに1Fの広いホールを突っ切って真っすぐ進んだところにある、荷物用エレベーターの脇の扉Iを抜けます。


巨大な荷物用エレベーターの脇に 隠れるように存在する扉I
 

派手さこそないものの、この音はかなりメカニカルでかっこいいと思いませんか。様々な金属パーツがそれぞれ自分の仕事を正確にこなして、結果的に扉の開閉が行なわれている、というような、もはや内部のシステム的な動きまで想像してしまいます。もし、かっこいい閉扉音ランキングなんてものがあったら、素人よりも専門家から絶大な支持を受けて、この建物内のみならず都内でもかなり上位に食い込むのではないか、などと考えています。

…妄想はほどほどにして、さっさとコンビニに向かいましょう。かっこいい扉Iを抜けると職員用エレベーターホールに出るのですが、ここは出勤時に通ったB1Fの職員用エレベーターホールの真上になります。エレベーターの脇には階段があり、その入口の扉Jもせっかくなので採集しておきます。


ガチャッ!扉だらけのエレベーターホール!

エレベーター脇の階段の扉J 中の階段もやたらかっこいい
 

これまたスペーシーでかっこいい音。閉まるときの扉の速度はこれが最適でしょう。閉まった瞬間に入力がオーバーしてしまい、音が潰れてしまったのが非常に悔やまれます。もっと本格的な録音機材を準備すべきだったのでしょうか。

扉Jの奥の階段には入らず、エレベーターの向かって右側にある扉K、そしてその奥の扉Lを続けて通り抜けます。


職員用エレベーター右側にある扉K すのすぐ先の扉L

扉Kのかっこよさは異常。なぜこの扉だけ悲鳴のような甲高い音が発生するのか、まったくもって謎です。恐らくラッチや扉体が反対側の扉体に接触する力や角度の影響なんだろうと思いますが、すべてが奇跡的にバランスすることによって独特のサウンドが生まれたのでしょう。閉扉音なんて巨大なロボットの足音のよう。試しに閉まったときの音を連続させて、足音っぽいものを作ってみました。



どうですか、どこかの惑星を歩くロボットが目に浮かびませんか。

逆に扉Lは惜しい印象。クローザーが効きすぎているのか、閉まる途中で失速して、ラッチがはまる前に止まってしまいました。閉扉音も尻すぼみな印象で、背中がむず痒くなってきます。早く5-56をさしてあげたい。

いよいよ外も間近。扉Lを抜けて廊下に出たら、斜め前の扉Mを開けます。すると目の前に数段の下り階段が現れ、その先に扉Nが見えます。階段を下りてこの扉Nを開ければ、ようやく外に出られるのです。


ようやく外に出られる

いよいよ出口も近い扉M 階段を下った先は自由への扉Nだ!

扉Mはかなり重厚な印象です。ようやく外に出られる、という喜びから来る焦りをそっと抑えてくれるかのような重々しい閉扉音。しかもメカニカルな成分も聴き取ることができ、かなりレベルの高いサウンドに仕上がっています。

最後の扉Nはまさに、ようやくたどり着いた脱出口にピッタリのイメージ。重く軋む開扉音、ゆっくり、しかし確実に閉じきる閉扉音ともに、長い戦いの終わりを告げるにふさわしい優しさと荘厳さを持ち合わせていると言えるでしょう。扉を開けた瞬間、外から差し込むまばゆい光が見えませんか(脳内で)。果たして何人がここまでたどり着いてくれたか分かりませんが、僕たちはついに生き延びてゴールに到達したのです!

かっこいい音を探したい

最後は勝手によく分からないストーリーをぶち上げてしまい、何がなんだかな結末ですが、こうして改めて聴いてみると、身近なメカニカル音として扉の閉まる音はかなりかっこいいと思いました。また、それぞれの扉で個性の違いを見つけられたのも楽しいポイントでした。

今後は、例えば住宅展示場で「いちばんかっこいい閉扉音の玄関」を探したり、クルマや電車のかっこいい閉扉音を見つけたりしてみたいと思います。

こんなぽっかりスペースがあったり、僕の職場の通路もけっこうかっこいいと思った

 
 
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