京都の食は薄味だという。たとえば湯豆腐。京都の有名な名店の湯豆腐なぞ、ほとんど味がなく、その僅かな味を楽しむのが京都風だとか。
しかし京都の味は本当に薄味なのか。その疑問を解決すべく、日本各地の駅そばでつゆの塩分を測定してみた。京都の駅そばは一番薄味なのだろうか。
(ライスマウンテン)
東京
まずは東京駅の地下通路にある駅そば「大江戸そば」にいってみた。
大阪
大阪、正確にいえば新幹線が止まり、遠方からの利用客が降りる新大阪駅で駅そばを探した。駅構内にも、新幹線の駅ホームにも駅そばはあった。そしてどれもが、いかにも大阪っぽい感じはさすが。
名古屋
名古屋駅で、新幹線の駅ホームで、駅ビルで探したけれど駅そばはなかった。その代わり駅きしめんがホームにも、駅ビルにもあった。さすが名古屋。
そこできしめんのつゆの塩分を測ってみた。
福岡
博多駅は、「名古屋は駅そばはなく、駅きしめんでした」というオチに近かった。駅そばならぬ駅ラーメンがあったのだ。さすが博多ラーメンの街。
その一方で駅そばも在来線ホームで発見。塩分をチェック。
広島
広島駅の新幹線ホームに駅そばを発見。券売機で一番目立つボタンの「肉うどん」をチョイス。
仙台
仙台は駅そばよりも駅弁の勢力が大きい。お勧めといわんばかりの駅弁を避け、駅ビルにあった駅そば屋で塩分をチェック。
新幹線のホームにあった駅弁屋でプッシュされてた「南三陸 海宝弁当」 名前だけでうまさがにじみだす。
京都
で、京都ですよ。今のところ、もっとも薄いのは東京の1.06だったけれど、薄味といわれる京都はもっと数字が低いのか。
在来線の特急が到着していたホームにある駅そば「麺倶楽部」
京都は1.63%だった。薄くないじゃん。
京都の駅そばのつゆは意外にも薄くなかった。それよりもはっきりと、塩分系がなくてもわかるほど、東京や大阪の駅そばのつゆほうが薄かった。ちょっと意外で驚いた。
それ以上に驚いたのはセルフサービスで、麺をもらって、具を盛って、それで清算するという形式だったこと。さすが観光都市京都、これなら外人でも躊躇をあまりせず、日本のそば、うどんを食べることができる。こういうところは、その都市の玄関口の駅そばくらいは真似したほうがいいと思う。
今回巡った駅そばの中で唯一セルフサービスだった。えらい。
ところで駅そばの中にも「そば」を前に出す店と「うどん」を前に出す店があったのにお気づきだろうか?
東京では「そば」、大阪では「うどん」が前に出されるとすると、どうやら西では「うどん」、東では「そば」となりそうだ。
ここでもうちょっと新幹線の駅数を増やして、西から駅そばの店を確認してみよう。
うどん(とラーメン)
大雑把に言えば、大阪から西は駅そばならぬ「駅うどん」で、駅そばは静岡から東だった。
名古屋は我を通し「駅きしめん」なのが、東にも西にもぶれず、中京たるところを見せつけたともいえる。
名古屋以上に関心したのが京都。
京都駅のは「麺倶楽部」。うどんでもそばでもない。
京都のそれには、どこにも駅そばでも駅うどんでもなく、あくまで麺スタンドを貫いた。さすが東にも西にも配慮した観光地の麺スタンドだ。こうでないと。
…と思ったら
京都駅の麺スタンドを入口からみると
「うどんそば処」と書いてあった。やっぱり京都の駅そばも「うどん」が優先だったのだ。失礼しました。