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ひらめきの月曜日
 
ハナゲの滝に打たれたい
 


 群馬県みなかみ町に、「ハナゲの滝」という滝がある。ネットで検索していて、たまたまそんな情報に行き当たった。

 谷川岳もほど近い山の中にその滝はあるらしい。普通の観光情報を聞いてもあまり関心がもてないことも多いのだが、ハナゲの滝と聞くと俄然やる気が出てくる。

 ふざけているのか何なのか。ただ、滝というからには、やっぱり軽く打たれてみたい。そういう気持ちが湧いてくる。

 ネットでの探訪記をいくつか読んだが、みんなハナゲであることについてはスルー。それでいいのか。自分の中の衝動にまかせるまま、ハナゲの滝に向かってみました。

小野法師丸



●滝に打たれたいと思う動機いろいろ

  ハナゲの滝という滝がある。ならばそれに打たれてみたい。うまく説明できないが、自分の中でその思考の流れはスムーズに行われた。

 登山家が山に登る理由を「そこに山があるからだ」と言うのと似ている。この衝動にまかせたい。

 滝に打たれようと思うのは、以前に書いたこの記事以来だ。あのときは宝くじを当てる願掛けとしての意味があったのだが、今回はより純粋な気持ちだ。


山の中なのに意匠に特徴ある土合駅
楽しげな看板も健在

 まず向かったのは、群馬県を走るJR上越線の土合駅だ。この近くを流れる沢を登っていくと、ハナゲの滝はあるらしい。

 この土合駅、ホームが深いトンネルの中にあることでよく知られていて、デイリーポータルでも工藤さんが訪れてレポートしている(参照記事)。今回も日本一のモグラ駅を名乗っていた。


ホームに続いていく階段は…
なんだか未来的

 詳しい様子は工藤さんの記事をご覧になるとよくわかる。今回はその大変さを知っていたので、滝に打たれるべく体力を温存するために深い階段を眺めるだけとした。

 工藤さんも書いていたように、上から見ただけで永遠を感じる。行きたい気持ちを抑え、駅を出て滝に向かおう。


駅前の建物にはうっすらと「食堂」の文字が
波状攻撃で進入を禁じる気合い

 駅前には朽ちた建物が。よく見ると、うっすらと「食堂」との文字があるので、以前は営業していたのだろうが、今はすっかり廃屋となっている。自然が深い中、こうしたものを見かけるとなんだかびびる。

 ドアには罰金&マムシのダブル警告で侵入を禁じる張り紙が。ちょっと待て、マムシって、建物の中に限らないだろう。

 冒険気分が高まる中、駅を出て北の方に向かう。


 

 北に伸びる道はやがて橋にかかるのだが、その手前にある、細い点で示された道を右に入っていく。少し行って沢にかかる小さな橋を渡り、細い実線で描かれた北東の沢に沿って行くと、ハナゲの滝はあるらしい。


まだ舗装道だが…
白毛門沢と東黒沢の合流あたりに目指す滝が

 コース入り口にあった表示で地図を確認する。事前に調べた情報によると、白毛門沢と東黒沢とが合流するあたりにあるようだ。大丈夫、たいした距離じゃない。

 舗装道はすぐに途絶え、美しい山の景色が広がる。


適当に撮っても写真が絵になる

 きれいな風景を前にハナゲの滝のことを思うと、半笑いと元気とが湧いてくる。さあ、元気に歩を進めよう。


 

 
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