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フェティッシュの火曜日
 
頭上にミラーボールで輝ける日々を

普段はどんな記事を書いてるんですか?と聞かれて、なんだろうな…と考えてしまったが目の前に大きな答えがあったことに気づく


相手を映りこませ輝かせる、少しでもいい気分で話してもらうことを心がけた

取材をする主役の人を輝かせたり(シャツに光が反射している)、

取材先の人も輝かせたり、と脇役として懸命に働く

「これなんですかー?」
「これはね、ミラーボール、っていうんだよ。」

子どもたちといえば輝かしい未来だ

子どもにモテる

ミラーボール運んでるんですか?と小学生に聞かれた。正直にこたえるのが面倒だったので、そうだよ、というと、すごい!ミラーボールってそうやって運ぶんだ!と驚いていた。

真綿に水が染みこむようにこのくらいの子どもたちは知識を吸収していく。そうして分からないことが減ってきたなあ、と気づいたあたりで、あ、おれそろそろ大人か、と思うんだよなあ…とじんわりした。まあミラーボールはこうやって運ぶんじゃないんだけどな。

 


ところがやっぱり重い。ときどき休まなくてはつらい。

釣り糸を二重にくくってぶらさげていたが、一気にぶっちぎれた

重みが輝かしくない

ぷりぷりしたサンバチームに取り囲まれるとかそんな奇跡ばかり起こると思っていたのに、あの小学生たち以降、輝かしい事態は起こらなかった。

移動した渋谷でもすぐに公園で休むことにした。

輝ける日々は体への負担が大きい。公園で休んでいるとふとした拍子にミラーボール装置のバランスを崩してしまって、瞬間、吊るし部分がちぎれた。地面に転がったボールのミラーの何枚かは割れていて、買ったばかりなのでさすがに悲しかった。

 


色々試したが「ミラーボール殺人」的なこの体勢が一番らくちん

しかし重みで起き上がれない(本当に!)

気づかないうちにおもしろに取り込まれてしまう

公園で休んでばかり

まだ渋谷の公園で休んでいた。劇場が近いのか漫才の練習をしている人たちが2組もいた。他にはお弁当を食べているカップルと、近所のご隠居さんといった風情のおじいちゃんがいた。

おじいさん「おーい、重そうだねー。」
大北「これ重いんですよー。」
おじいさん「あれでしょ?漫才の人でしょ?」
大北「そうでーす。」

ちがう。うっかり答えてしまったが、漫才の人ではない。輝ける日々が気づかないうちにおもしろ化している。

 


日の光でなく、街の灯りで輝ける日々を

午後5時を過ぎたあたり。ミラーボールがさっきよりきれいなことに気づいた。夜だ。夜が近いのだ。

街にも照明がちらほら点きはじめる。これだ。これを待っていた。目の前がディスコだ。いつでもどこでもサタデーナイトフィーバーだ。今後一生、毎日がジョン・トラボルタだ。

これからずっとトラボルタなら僕はもうトラボルタよりもトラボルタなんじゃないか、と思った。やばいぞ。何言ってるのか分からなくなってきたぞ。

とにかく目の前にディスコだ。そしてこれからもディスコなら、もう誰が何と言おうと輝ける日々だろう。


ディ、ディスコだ!

 

 
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