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ひらめきの月曜日
 
定食屋でひたすら単品ライスだけを注文するぜ2008
あの貧乏臭い企画が再び登場!


気がつけば3年も前だが、こういう記事を書いた。

チェーン店の丼屋に置いている“ごはんの友”調べ

23歳の自分が若いなーとか、メガネしてないなーとか、いろいろあるんですがそんなことはおいておいて、この企画は・・・

1.定食屋や丼屋さんに行き、
2.単品ライス・ご飯のみを注文し、
3.テーブル・カウンター上にある醤油とか紅ショウガとか、薬味だけでご飯を食べる。
4.そのご飯の味を食べ比べる。

という企画であります。単純明快。

日本のポータルサイトで今日発表される記事の中で最も貧乏臭い企画だと自負しております。
久しぶりに貧乏を前面に押し出した企画でテンションあがってます! 頑張るぞ!

(text by 梅田カズヒコ



ちょっと意味が分からないという人もまずは1軒目、王将へ


よく行く地元の王将です。

ちょっと企画の主旨が分からない人も居るかもしれないが、案ずるより産むがやすし。まずはちょっと見ていただきたい。


ライス小140円
テーブルにあった調味料たち
白ご飯をなんとか消費するため、餃子のタレと醤油を加えて、最後にラー油をたらしてみた。

餃子の王将で、餃子を頼まずにご飯だけを注文

餃子の王将と言えば、餃子がおいしい中華料理屋さんであるが、ほかのメニューは頼まず、ご飯だけを注文する。

出てきたのは『ライス小』140円なり。

で、これだけでどうやってご飯を食べるかと言うと、王将のテーブルを見渡すと、各種調味料が置いてありますよね。このお店の場合、

・酢
・醤油
・餃子のタレ
・ラー油
・テーブルコショウ


以下の5つの調味料があります。これでどうにかこのご飯を消費しようというのが、今日の僕のミッションであり、今回の企画の主旨でございます。

なんでそんなことをやるのか、と言われると困ってしまうが、僕はフリーターだかライターだかよく分からない駆け出しの時期に大変貧乏だった時期があって、どうにかして食費を削りたい。でも自炊はいやだ、という結果、生み出した案が外食でご飯だけ注文して飢えをしのぐというものだった。

皆さんにはそんな経験はないかもしれないが、貧乏時代がある人はその頃のことを、そうじゃない人は自分が明日の食事も危ういぐらい貧乏であることを妄想しながら、ご飯をおいしく食べる方法を前向きに考えてください。

さっそく白ご飯に王将名物餃子のたれをかけて一口食べてみた。うっ。これはお酢が効いているのだろう。酸っぱい。しょうゆを足してみる。ましになったが、単調な味の悲しさはぬぐえない。

そこでラー油をかけて食べた。少しましだった。

王将の白飯 

かけたもの。(醤油・ギョウザのたれ・ラー油)

味  :★★
気分:★★

んー、どんな味だろう・・
しょっぱい。味もしょっぱければ、これを食べている自分の気持ちもしょっぱい。

 

ディフェンディングチャンピオンはやよい軒のごはん

3年前の同様の企画では「なか卯」、「松屋」、「吉野家」、「めしや丼(現:やよい軒)」の4店舗を回った。単品ライスで一番いい思いができたのは高菜の漬物を味わえたやよい軒だった。

そこで、やよい軒をディフェンディングチャンピオンとし、前回行ってない場所を巡ることにした。


ディフェンディングチャンピオンの単品ライス。



2軒目、「Sガスト」へ


ガストのご飯の友はごま塩、本塩など。
さっそくゴマ塩を振ってみる
ちょっとだけ有機しょうゆをかけて混ぜてみた

Sガストでもご飯だけを注文

Sガストと言えばハンバーグやカレーがおいしいファミレスのガストの小さい(Sサイズ)版であるが、ここでも僕が注文するのはご飯のみ。今日の僕はご飯しか頼まない。

ローカーボダイエットが流行している昨今、ダイエット中の人が読んだら即倒しそうな注文のしかたである。

ほかのおかずだけを調味料をかけて味わうときには感じないのに、どうしてご飯だけを調味料で味わおうとすると背徳感を味わうのだろうか。不思議でならない。

Sガストにおいてあったご飯の友は

・ごま塩(業務用)
・ほんじお
・有機しょうゆ
・七味唐辛子

種類では王将に負けるが、ごま塩があるのは嬉しい。ごま塩はご飯にかけるべくして生まれてきた調味料である。さっそくたっぷりかけて食べようとしたらかけすぎたのかちょっとしょっぱかった。

そこでちょっとだけ醤油をたらし、なおかつゴマ塩が散らばるようにご飯を混ぜてみた。

味はそれほどおいしくもないような気がしたが、先ほどの王将と違うのはやはりごま塩の食感である。これがあるかないかでだいぶ印象が変わってくる。ゴマの食感が救いですね。

Sガストの白飯

かけたもの。(ゴマ塩・有機しょうゆ)

味  :★★★
気分:★★★★



3軒目、「ペッパーランチ」へ


なんたってここの注目は『カレーくち」だろう。
カレーくちがあまりよくなかったので、ブラックペッパー、辛口ソースを加えてみる。
急にうまくなった。やるな、ペッパーランチ

優勝候補のペッパーランチです

ペッパーランチと言えば、安い値段でサイコロステーキなどが味わえる、学生などにとってはうれしいお店だ。

正直、今回の僕の中での優勝候補はペッパーランチである。ペッパーランチには「カレーくち」という調味料が置いてあるのだ。これは見た目が完全にカレーの調味料なのだ。これはご飯に合いそう。ほかにも多くのご飯の友を完備しているのだ。

ペッパーランチにおいてあったご飯の友は

・塩
・粗挽きブラックペッパー
・甘口ソース
・辛口ソース
・カレーくち
・サラダ用ドレッシング3種。


調味料好きの僕としてはいたれりつくせりだ。

さっそく「ほぼカレー」とたかをくくっていたカレーくちをかけて食べてみる。こ、これは、カレーと言うよりソースの味だ。正直、あまり何度も味わいたくない味がした。しかし、辛口ソースとブラックペッパーをかけて味わってみたらおいしかった。

一難を逃れたペッパーランチである。今、一難を逃れたとか書いているが、考えてみればペッパーランチは別に調味料で戦っているのではなく、肉や料理で戦っているのだった。忘れるところだった。

ペッパーランチの白飯 

かけたもの。(カレーくち・ブラックペッパー・辛口ソース)

味  :★★★★
気分:★★★

 

4軒目、「大戸屋」へ


大戸屋のご飯の友はSガストとほぼ同じ布陣
だけど、Sガストよりすごくおいしかった。どうやら米の味が違うみたいだ。

大戸屋、定食屋の意地を見せられるか。

僕の中で、気軽に利用できる定食屋と言えば大戸屋である。24時間のお店が多いのもうれしい。そんな大戸屋のご飯の友は

・しょうゆ
・ごましお
・七味唐辛子

以上の3種だった。

もっといろいろ置いてあるような気がしたが、意外に堅実な大戸屋。

ガストとおんなじだ。と、思ったが、ここのご飯が一番おいしく食べられた。

理由は単にご飯が炊きたてでおいしかったからだ。

結局、なんだかかんだ言って、“ご飯の友”よりもご飯そのものの味が左右するのか。企画の主旨を捻じ曲げられた気がする。まあ、うまいからいいのだが。

大戸屋の白飯

かけたもの。(ゴマ塩・有機しょうゆ)

味  :★★★★
気分:★★★★

ちなみにすき家では単品ご飯を頼んでも味噌汁が付き、ちょっと得した気分でした。

貧乏時代を久々に思いだした調査でした

残念ながら前回の調査で一番おいしかったやよい軒のご飯を超えるご飯には出会えなかった。もう一度やよい軒の高菜の漬物を乗せたご飯を食べたい。

今回調べた4軒の中では、正統派として米のうまさとそれをサポートするゴマ塩、醤油の活躍が効いた大戸屋と、調味料のうまさで他店に差をつけるペッパーランチの一騎打ちだったと言っても過言ではない。ほかの店ではどうなのだろう? 情報をお待ちしたい。

そして貧乏時代をひしひしと思い出す取材であった。人生何があるか分からないので、またいつ貧乏になっても大丈夫なようにいろんなリサーチを続けておこう。

ところで、同じ炭水化物でも、パンにバターを塗って食べたり、ポテトにケチャップをつけて食べるのは普通なのに、どうしてご飯を醤油とか、調味料で食べると少し貧乏臭い空気になるのだろうか。不思議でならない。


 
 
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