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フェティッシュの火曜日
 
巨石神社にお参りしたらアドベンチャーでした


足が物語るアドベンチャー具合

大阪の交野市にある磐船神社というところにでっかい石があるらしい。しかもその巨石の下にも潜れる岩窟めぐりというものができるというので行ってきた。

これがなかなか男の子ならワクワクせざるをえないアドベンチャーなところだった。 

大北 栄人



京阪電車交野線終点の私市駅

京阪電車の私市駅下車

大阪といっても山を越えれば奈良。京阪電車の私市というところに神社はある。なんと読むのかと思ったら「きさいち」である。こういう難読の地名は古代と縁があったりする。調べてみると日本書紀あたりに由来があるそうだ。

駅に着くとハイキング客が目立つ山に近い街。昼食をとりに喫茶店に入ったのだが男二人テーブル席で横に並んだ形で案内された。おばあさんとおじさんの親子らしき二人が不味いねといいながら飯を食ってたり、1、2、3!のギャグで大盛り上がりのお母さんたちがいたりと地元濃度の高い喫茶店に自分が今ここで何をしてるのかわからなくなってしまった。


1、2、ギャッ!(3!の流行ギャグ)ゲラゲラゲラゲラ!と昼下がりのお母さんたち

磐船神社に

そうだ巨石だ!と店を出て、バスに乗ろうとしたが一日2本しか運行していないことを知り、駅前まで戻ってタクシーに乗った。途中、高齢者夫婦に7年に一度しか咲かない花を見に行かないかと誘われて断ったが後悔はしていない。こっちは巨石だ。花より巨石なのだ。

タクシーの中では、あんたらは若いから神社まで20分もあれば歩いていける、ワシなんか50分かかるやろうけど、と運転手さんにおだてられた。調子に乗って、帰りは歩いてみると1時間以上かかった。あの運転手さんは見る目がないなと思いながらとぼとぼ帰ったのを覚えている。


駅からタクシーで10分くらい。土曜日のバスは一日2本なのでご注意を。

でっかー

巨石以外の社務所他は普通の神社です

岩窟めぐりは危ないらしいぞ

社務所で岩窟めぐりの申し込みをする。何を履いているか?と聞かれる。滑りやすい靴だと危ないのでわら草履を貸してくれるらしい。岩窟めぐりでは石に描かれた白い矢印に従って進んでいけという。道順を外すと危ない、怪我もするだろうし出てこれない場合もあるという。

何だかこんな風に恐怖をあおってくれるのも気分が盛り上がるなあと思ったが、タスキについた血のあとらしきものを見て「あ、これマジだ。」と気づいて暗くなる。


こういうコスチューム
血のあとらしきしみを見て言いようのない不安に

 

お参りなのだ

神社の人は「それではくれぐれも気をつけてお参りください」と言って見送ってくれた。看板には「岩窟めぐりは磐座行場です」とある。神さまのいるところにお参りに行って、霊験あらたか!になって帰ってくるところなのだ。

遊びじゃないのか、おごそかな気持ちで臨まないとな、と思ったのだが無駄であった。入り口からすでにインディ・ジョーンズの匂いが漂っているのである。


入り口がこれですよ。こんなところを!とテンションはうなぎのぼり。

参拝がこんなにアドベンチャーでいいのかと嬉しくなる

アドベンチャーへの盛り上がりをそっと隠して

参拝なんだから楽しんじゃだめだ、と思いながらも口元がにやつく。「夜の勉強会」と称して接待を受ける人の気持ちだ。でもこんな時代だから官民一体となっていかんとな、と岩窟を進む。岩窟に甘える。こうやって人はダメになっていくのだと思った。岩の下で。

岩の下は当然ながら薄暗く、温度もぐっと下がってじめっとしている。インディ・ジョーンズとか書いたが実際はダンゴ虫感もなきにしもあらずだ。そして多少残念なことにダンゴ虫の気持ちは案外悪くなかった。


なんと!グラグラする橋である。これはもうだめだ。財宝が見つかるムードが出てきてしまった。

え!?こんなにアドベンチャーでいいんですか!?とうれしくなる狭さ

 

 
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